![LeanとDevOpsの科学_で統計学的に証明されていること](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17728082/rectangle_large_type_2_2a0a7f54c5ad7a489b4b9286de478b8b.png?width=800)
LeanとDevOpsの科学[Accelerate]で統計学的に証明されていること
LeanとDevOpsの科学[Accelerate]は、数年にわたる科学的で厳密な調査研究を基に、組織のパフォーマンス向上を促すケイパビリティを示した書籍です。
■デリバリーパフォーマンス(Four Keys)
●従来の評価尺度の問題
組織レベルの目標達成に役立たない「忙しいが価値のない、見せかけの作業」を大量にこなした者を報奨するやり方では、混乱の壁を招いてしまう。作業量ではなく、グローバルな成果に焦点を当て、チームの協働を報奨する新たな尺度が必要。
●望ましい尺度
・デプロイの頻度
・変更のリードタイム
・MTTR
・変更失敗率
●2017年時点の統計値
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/53664860/picture_pc_d840b6255f82f96049c55f764d3a7ec1.png?width=800)
※書籍を参考に作成
●2019年時点の統計値
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/53664876/picture_pc_09e0abab7f5a094f26169bb27a1cafe7.png?width=800)
※State of DevOps 2019 を参考に作成
●2021年時点の統計値
![](https://assets.st-note.com/img/1638463353740-Br7XbI4MH2.png?width=800)
※State of DevOps 2021 を参考に作成
■5つのカテゴリ
・継続的デリバリ
・アーキテクチャ
・製品・プロセス
・リーン思考に基づく管理と監視
・組織文化
■24のケイパビリティ
●継続的デリバリ
01.本番環境のすべての成果物をバージョン管理システムで管理
02.デプロイメントプロセスの自動化
03.継続的インテグレーションの実装
04.トランクベースの開発手法の実践
05.テストの自動化
06.テストデータの管理
07.情報セキュリティのシフトレフト
08.継続的デリバリの実践
●アーキテクチャ
09.疎結合のアーキテクチャ
10.チームへのツール選択権限の付与
●製品・プロセス
11.顧客フィードバックの収集と活用
12.全業務プロセスの作業フローの可視化
13.作業の細分化
14.チームによる実験の推奨・実現
●リーン思考に基づく管理と監視
15.負担の軽い変更承認プロセス
16.事業上の意思決定におけるアプリケーションとインフラの監視結果の活用
17.システムの健全性のプロアクティブなチェック
18.WIP制限によるプロセス改善と作業管理
19.作業の可視化による、品質の監視とチーム内コミュニケーションの促進
●組織文化
20.(Westrum推奨の)創造的な組織文化の育成
21.学びの推奨と支援
22.チーム間の協働の支援と促進
23.有意義な仕事を可能にするツールなどの資源の提供
24.改善を促進するリーダーシップの実現や支援
※詳細はExplore DORA's research programのケイパビリティごとの説明を参照。
■書籍でのまとめ
![LeanとDevOpsの科学 で統計学的に証明されていること](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17728222/picture_pc_7ad9d39bff46bb8813d1c7c8812fa5c9.png?width=800)
・ソフトウェアデリバリのパフォーマンスが、組織全体の営利的なパフォーマンス、非営利なパフォーマンスに影響する
・良質のソフトウェアを安定的かつ迅速に提供する能力は、規模、業種に関わらず、あらゆる組織にとって価値提供の原動力であり、差別化要因
・これらのケイパビリティ、プラクティスを実践することで創造的な組織への変革が可能になる
・「ハイパフォーマンス」とは購入したり、真似したりできるものではない
・自身のケイパビリティを高めつつ、自チームや自組織の現況や目標にしっくりくる道を模索する必要がある。
・これには、絶え間ない努力、投資、集中、時間を要するが、調査結果に疑う余地はなく、実践するだけの価値がある。
■証明されたケイパビリティの関係を再整理
ケイパビリティの関連を把握しようとすると数が多く、全体像が見えにくいので整理していきます。
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17728881/picture_pc_e9d4d0700591be4894d38656b92b3d5d.png?width=800)
組織全体の営利的なパフォーマンス、組織の非営利なパフォーマンスに影響を与えるとは、事業活動の全体に影響を与えるということ。
![LeanとDevOpsの科学 で統計学的に証明されていること (1)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17728420/picture_pc_ce91f38cc92cd81c28ef7b912ab1dbf2.png?width=800)
継続的デリバリとそのプラクティス群の1対1の関連は冗長なのでまとめます。
帰属意識と職務満足度は、相関関係がほぼ同じなのでまとめて扱います。
![LeanとDevOpsの科学 で統計学的に証明されていること (2)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17728456/picture_pc_438b569b369a6aebf32d01ec4d33c4a6.png?width=800)
まだ数が多いので、他のケイパビリティへ影響していないものを除外して考えてみます。
![LeanとDevOpsの科学 で統計学的に証明されていること (3)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17728470/picture_pc_e9c0116bced342b92d0bc2fd57f3bcc0.png?width=800)
残ったものは、人・組織に関わること、プロセスに関わること、技術に関わることでグルーピングできます。
![LeanとDevOpsの科学 で統計学的に証明されていること (4)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17728472/picture_pc_6c399849b5dfb2993d2f8b735cf5dba6.png?width=800)
最終的な効果である、企業全体のパフォーマンスを中心にして再配置します。
![LeanとDevOpsの科学 で統計学的に証明されていること (5)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17728488/picture_pc_245b5f6712369e2b21511e7be22a782a.png?width=800)
グループを囲むと関係がはっきりしました。
![LeanとDevOpsの科学 で統計学的に証明されていること (6)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17728492/picture_pc_35374d36432422c796224bf73ec6f9f0.png?width=800)
DevOpsという思想で言われている人・組織、プロセス、テクノロジーの三位一体での活動が、ビジネスに与える効果が統計学的に証明されたことが可視化できました。
![LeanとDevOpsの科学 で統計学的に証明されていること (7)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17728502/picture_pc_b6c975d4457e5025e274dce03fda3daa.png?width=800)
■まとめ
人・組織、プロセス、テクノロジーの各ケイパビリティが「相関」して企業全体のパフォーマンスを向上します。どれか一つだけを実施しても効果は生まれません。正の相関を生むように、道具を変え、行動を変え、考え方を変える、この改善サイクルを回し続ける必要があります。
まずはソフトウェアデリバリのパフォーマンスを計測し、可視化できるようにしましょう。現況を把握し、目標を設定、成長を把握できるようになれば、ぐっと動きやすくなります。自組織にあった数値を目指して、全体最適化に向けたカイゼンを進めていきましょう!
24のケイパビリティを把握するアセスメントを用意しました。デリバリーパフォーマンスの計測結果から打ち手を考える場合や、計測が難しい場合の入口としてご活用ください。
いつも応援していただいている皆さん支えられています。