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ミラノ風カツレツの夢

一年前にはてなブログで書いたブログの再掲です。


やっぱり移動している瞬間とか
何かしら動いている時、心動かされる時の
その感動とか心が揺れ動く瞬間が好きだ。

先日イタリアのミラノにホームステイに行ってきた。

初め友人に話を持ちかけられた時、
ヨーロッパ ?5日間?!しかもイタリア?!!って驚いたんだけど
実際行ってしまうとあっという間で、
一生記憶に残る旅になったと、振り返って思う。


すこし日を遡って書きます。長くなります。

10月5日成田空港からヘルシンキ 経由でミラノのマルペンサ空港まで。
ヘルシンキ までのフライトがとても長くて機内で映画を4本見た。

ヘルシンキ は外気3度、息も白く曇る。
空港はムーミンやマリメッコの北欧を感じるお店が賑わっていた。
ヘルシンキ から約3時間くらい飛行機に乗り、ミラノに到着。

この日はご家族への挨拶もそこそこに晩ご飯。手作りのステーキ(フィレ肉美味しかった!)
リンゴに漬けたラムのお肉も柔らかくて最高でした。あと、ワイン赤、美味しかったなー。
ここからワイン沼へとハマっていく……………

次の日はマリアちゃん(ホームステイ先の友人)とお父さんと一緒にヴェローナへ。おばあちゃんの80歳の誕生日パーティーに参加させてもらう。
ヴェローナは街全体が世界遺産になっている、美しくて可愛らしい小さな街だった。
次に行くとして、また行きたいのはヴェローナかな。
どこを撮っても絵になるし、大小さまざまな教会は内観も外観も全てが美しかった。

誕生日パーティーでは今まで見たことも食べたこともない伝統的なお料理ばかりいただき、どれも素晴らしく美味しかった。
特にプロシュートは日本とは比べ物にならないくらい美味しかったなぁ…
塩気が抜群で、生の葡萄と合わせて食べるのが至高だった。

一族の人はお部屋で家族のビデオを見るということで、プライベートな時間なので私ともう一人の日本人の友人は自由散策をすることに。

アレーナ・デ・ヴェローナへ。
古代ローマ時代に建てられた円形闘技場(当初は人と人や人間対猛獣の闘技が行われていたとか)、ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスの統治末期に建てられたとさせる…
とあるが、途方もなくかつて以前に建てられた建物が今現在もオペラやコンサート会場として現役で機能しているという事実に圧倒される。
古い建物をリノベーションするとかでなくて、古いままに残して生かしていくという美しさには勝てないと思う。

ご家族と合流するまで少し時間が余ったので、アレーナの石階段に座ってブラ広場に群れる人々を眺めていた。夕暮れ時の風が冷たかった。

イタリアでは家族の時間や絆をとても大切にしている、その景色を直接目にして
すごく羨ましいというか、美しいなと感じた日だった。


翌日はマリアちゃんに運転してもらい、コモ湖とマッジョーレ湖へ。

アルプスから来た水は透き通る青さで、
湖も空も同じように鮮やかなブルーだった。
天気も素晴らしく、全てが夢のように目に映った。

遠くの山並みに見えるモンテローザ、
美しい湖畔沿いのヴィラやレストランのテラス席の賑わいなんか絶対に忘れないだろうな。
泣きそうなくらい美しい瞬間が目に見えてあった。

お昼にレストランで食べたリゾットは今まで食べた中でも格別の味わいだった。
マッシュルームとバターとチーズ、シンプルだけどこってり
家でも作ってみたい。

4日目はミラノ中心部へ。念願のドゥオーモを見学。
圧巻だったなぁ…。400年という歳月をかけ、途方もない労力と費用を費やして造られた美しい教会。
真っ白の大理石に数え切れないほどのファザードや彫刻が目移りして、何処を見れば良いのか分からないほどだった。

中に入ると神殿のような大きな柱柱柱…
高い天井と一面に美しいステンドグラス。
あんなに沢山のステンドグラスを一度に生で見たのは生まれて初めてで、圧倒された。

神様って本当にいるんだろうな、それは何千年も変わらない真実で、
その真実を時間を跨いで私たちが何千年前の人と同じ様に感じることができる。

美しいガッレリアもアペリティーボで飲んだオレンジ色のカクテルも美味しくて夢みたいだったけれど、
何よりドゥオーモの存在そのものが私の脳裏に強く焼き付いた。


最終日は朝が早くて、また会えると思っていたからお別れは全然寂しくはならなかったけれど
本当に素晴らしい家族と素敵な時間を過ごせて幸せだったと、その短い滞在の思い出を噛み締めていた。

帰りのフライトは行きの何倍も早く感じて、
あっという間に成田に着いた。
機中で見たロケットマン、タロン・エガートン素晴らしかった、大好きになった。


ずっと映画"Call me by your name"の世界を夢見ていた。だけど、あれはやっぱり映画の中の一夏の幻で、現実には無かったことだ。
ただ、あの教会の後ろからエリオやオリヴァーが二人並んで歩いてくるんじゃないか、というようなロマンチックな幻想が街には満ちていたように思う。
そんな2人の幸せな時間をとっても愛おしく思った。

世界一おいしいチーズもワインも、顔の大きさくらいあるミラノカツレツも、お腹がはちきれそうになったマルゲリータも、薄い味のないビール ペローニも
全部ぜんぶ忘れられない、大事な私の宝物になった。
本当に心から幸せを感じた旅だった。

また絶対にミラノに来たい。ヴェローナの教会とロミオとジュリエットの家にも行こう。

幸せの価値を決めるのは自分だし、過去の幸せの責任をとるのも自分だと2人から告げられている気がした。

もう一年前の出来事になってしまったのに、
ゆっくり思い出す時間もなく台湾に行ってしまったので、今になってあの夢のような時間が恋しくなった。
あれから世界は大きく変わってしまって
すぐに会える、から、次いつ会えるだろうになってしまった。
遠くの国のことを心の中では近くに思っている。人も景色も、大切なものを想う。

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