Weekly Giants(9月13連戦編)
こんにちは、すずです。
巨人は9月の頭から始まった13連戦を終えました。
13連戦を10勝1敗1分(1試合雨天中止)と勝率9割超で終えた原巨人。
13試合を振り返るとともに、好調のポイントの分析、優勝に向けての阪神3連戦の見どこををまとめます。
ではまず13連戦の振り返りから。
9/1:対DeNA3-2で勝利
本拠地でのメモリアルゲームになったこの試合はエース菅野が8回途中134球の熱投も中川が捕まり同点になりますが、最後は吉川尚がサヨナラ打で劇的な勝利。
8月の打率.196だった吉川尚を、左のエスコバーにそのまま打席に送った采配もハマりました。
9/2:DeNA戦3-1で勝利
8月は疲労の見えた原巨人。13連戦と一番キツイ台所事情の中、助っ人が帰ってきました。新外国人のサンチェスが7/25の登板回避以来の1軍のマウンド。
6回を投げて被安打1の好投でストレートの平均球速は150キロを超えました。この日も吉川尚がタイムリースリーベースや好走塁など大活躍。
9/3:DeNA戦13-4で勝利
2回裏に松原のプロ初HRなど一挙10得点で快勝。田口も6回を投げて与四球0失点1と持ち味発揮。
中盤までに多くのレギュラー選手をベンチに下げ13連戦の頭のカードで早くも小休止。
9/4:阪神戦4-5で敗北
後半は追い上げるも連勝ストップ。戸郷は3敗目。
好機であと一本が打てず、一方の阪神ベンチには三盗や継投もハマり、ベンチワークの面でも一歩先を行かれました。
ただ主力の坂本は4-1、岡本3-2、丸4-2と一つ前のDeNAのカードから好調が続いています。
9/5:阪神戦11-2で勝利
大城の猛打賞の活躍もあり大勝。
本塁打0で11得点と相手のミスでの得点もありましたが多くの安打を放ち勝利しました。
先発の今村は8回1失点の好投。この試合でローテ入りを確実にしました。
9/7:阪神戦3-2で勝利
雨の影響で1試合中止を挟み阪神4戦目。
サンチェスと同じくローテから怪我の影響で抹消されていたメルセデスが復帰戦を好投。またも大城が猛打賞の活躍。
そして巨人で新人王やセーブ王も獲得したドラ1の澤村がトレードでロッテに移籍。第2次原政権から巨人を支えた中堅選手でした。
入れ替わりで巨人に入団した香月は岡本や岸田世代の大型内野手。U18日本代表のクリーンナップ(3番岸田、4番岡本、5番香月)が揃うことになりました。巨人には少ない左の強打者で若い内野手。
体型や顔の厳つさが個人的には筒香(現MLBレイズ)に似てるなーと思っています。
9/8:中日戦2-0で勝利
菅野と大野のエース同士の対戦。菅野は開幕から無傷の10連勝。大野は負けはしたが6試合連続完投と意地を見せた。
打線は吉川尚が連日の猛打賞。坂本も決勝点となる先制タイムリーと好調をキープ。
9/9:中日戦5-4で勝利
坂本が史上初のナゴヤDで3HRと昨年40本打者の本領発揮。
大城もホームランとこちらも好調。
先発の田口は勝ちを逃しますが中継ぎの鍵谷が白星。
9/10:中日戦2-2で同点
サンチェスと福谷の投手戦は2-2の同点で試合終了。
一時は吉川尚のタイムリースリーベースで逆転も中川が失点し逃げ切り失敗。サンチェスは復帰後相当な安心感。
9/11:ヤクルト戦2-1で勝利
先発戸郷が先制を許すも吉川尚のタイムリースリーベース同点。最後は坂本が現在リーグ最多ホールドの清水から決勝ホームランで試合を決めた。
原監督は巨人軍の監督として1067勝で歴代最多に。
打撃の神様と言われ監督としてもV9など伝説となっている川上哲治に一つ勝る記録を打ち立てた。
9/12:ヤクルト戦5-4で勝利
岡本の2本の本塁打含む3本塁打、松原や吉川尚などの3盗塁と大技と小技で逆転勝ち。勝利投手の鍵谷はこの連戦で2勝目。
9/13:ヤクルト戦3-1で勝利
ヤクルトのエース小川の数少ない失投を丸と中島が仕留め2本塁打で3得点。
メルセデスが4勝目。中継ぎも総動員で計6投手が登板。吉川尚も盗塁を記録。13連戦の最終戦を集大成と言ってもいい勝ち方になった。
13連戦のまとめ
巨人は13連戦を11勝1敗1分(1中止)と上出来すぎる結果で終えた。
ここからは好調の要因をまとめていこうと思います。
①サンチェ&CC+今村でローテ完成
この連戦で先発投手は抹消なくちょうどローテ投手が2登板をこなした。
細かい数字は次の表の通り。
平均12.8回を投げ切っている先発陣。1試合あたり6.9回と7回近くまで試合を作っていることがわかる。投球回意外にも球数最小は田口。
注目して欲しいのは投球回ともう一つ、与四死球率の部分。
だいたい.100台前半だと四死球少ないなーって感じなんですが、田口はなんと0!!11回2/3を投げて0!!
菅野は相変わらずの数字の良さ、今村とメルセデスもこの連戦は良かったですね。
結果的に一番悪かった戸郷でもWHIP1.66と大崩れせずに試合を作ることができました。
左3右3で起用も考えやすいですし、原監督好みと言ってしまえばそれまでなんですが、四球で自滅の少ない投手陣。
残り50試合弱あるので、だいたい8-10登板すると思います。
このままいくと多いと20試合くらい残して優勝が決まります。若手有望の直江や怪我明けでファームにいる高橋、あとは畠や野上も意地を見せて欲しいです。岩隈も一回くらい1軍で投げられないかなー。
今シーズン1番の難関と言ってもいい13連戦でローテがついに完成したのは大きいです。
②盤石なリリーフ陣
リリーフの活躍は今季の巨人に欠かせないキーワードです。
昨年の守護神不在に覚醒して今季はリリーフエースの中川。昨年シーズン途中加入で守護神として定着したデラロサ。
昨年トレード加入の鍵谷、今季トレード加入の高梨。
ベテランの大竹に若手の大江。
この6人を中心に今季のブルペンは頼もしい数字が並んでいます。
デラロサは12試合中7回も投げたんですね。ちょっと投げすぎだよな。。。
シーズン成績を見てみましょう。
この6人で142登板し合計127イニング=14試合以上を投げている計算です。
それだけ投げて平均防御率は1.75(菅野の防御率は1.44)
WHIPも1以下ですし、被打率も2割以下、与四死球率も1割前半ですね。大江とデラが高いかな。
13連戦で印象に強く残っている鍵谷の回またぎで四者連続三振のリリーフですが、数字としても鍵谷の奪三振率が一番高いんですね。
6人の中では一番直球の割合が多く変化球も少ない投手。被打率は一番高いです。
大きな離脱なくシーズンを消化できるといいですね。ここが生命線な気がします。
③主力選手の復調
この連戦で2度の二桁得点がありました。開幕当初は坂本と丸が不調で、やっと回復してきたと思ったらパーラが離脱し岡本が下がってきて、亀井も、スタメンから外れるし、なかなか足並みが揃いませんでした。
ただ、この連戦で主力の不調が解消された気がします。
特に数字の良かった選手をピックアップします。
この5選手。
打率.462、出塁率5割超の吉川尚。
打率.438、3HR、9打点の大城。
この2人は猛打賞何回あったかな。9月に入って絶好調です。
吉川尚は俊足を活かしてのスリーベースも度々みられました。
大城は打撃の数字も良かったですが、何より投手陣をよくまとめましたね。
マイペースで飄々とした感じですが、ゲームセットの瞬間にホッとして笑顔で投手と肩を組むシーンがいいですね。
3HRの岡本、5HRの坂本、打率は3割切りましたが流石の選球眼で出塁率4割超の丸。
この5人は打順は固定されていて、1番坂本、4番岡本、5番丸、7番大城、8番吉川尚です。4-5番を7-8番で返し、7-8番を1番が返す、1番を4番がと切れ目のない攻撃ができていました。
ちなみに、チーム6番目に数字が良かったのは中島で打率.250ながら出塁率は3割超でした。
シーズン成績はこんな感じに。
だいぶ打率上がってきましたね。
大城に関しては3割到達です。規定打席は213打席。ちょっと大城は届きそうにないですね。。。
本塁打も増えてきました。岡本は35本ペースで、丸と坂本は25本ペース。岡本は打点も100打点ペースです。
④得点効率UP
①〜③はわりと誰でも分かるというか、数字を見れば明らかな部分なので、もう少しマニアックなポイントが④の得点効率UPです。
少し前にこんな記事を書いていて、巨人(とセだと阪神)は得点効率のいいチームなんですね。得点圏になると打率がグッと上がり、また増田大を筆頭に代走や、現在はファームですが石川など代打も多く活用し少ない安打で確実に得点する集中力の高い攻撃をします。
これが9月、つまりこの13連戦ではさらに効率がよくなりました。
③でも名前を挙げた大城と吉川尚、そして岡本。
実はこの3人はこれまで得点圏打率があまり高くありませんでした。
大城は6月から順に月間の得点圏打率が.200→.071→.417→.333。
吉川尚が.500→.231→.200→.364。
まあ2人ともそもそもの月間打率が4割なので見劣りするんですが、まず大城を5番から外して6-7番に固定した8月から得点圏打率は上昇。
吉川尚も1-2番ではなく7-8番に固定して9月は打率も得点圏打率もUP。
岡本は6から順に.857→.226→.296→.800。見事なV字回復。笑
打率は低くても坂本と丸は得点圏打率が良かったので、大城と吉川尚がチャンスで打てるようになり、岡本が復調して得点がより入りやすくなりましたよね。
ちなみに、チームトップの得点圏打率は.480の亀井です。
ここでまたさらに違った視点でデータを分析してみます。
巨人の打点上位者が1安打あたりどのくらいの打点を稼いでいるかです。
ここに本塁打による自分自身の得点(ここでは自力打点と呼びましょう)を引き、他力打点つまり純粋に塁上のランナーによる打点を計算します。
坂本が一番低いのは最近1番だからでしょうか。単純に打点が多い得点圏が高い低いと言っても、2塁なのか、2,3塁なのかで1安打あたりの得点も変わります。
打順の影響が大きいですが、5-6番に入ることが多い中島と1-2番に入ることが多い坂本はあまり数字が変わらないですね。打点の差が15で、本塁打の差が9。他力打点の差は6。
ここから分かるのは、大城が0.37と中島やウィーラーより高いので、本来は大城6番でもいいということと、中島とウィーラーは安打あたりの打点がそこまで変わらないが出塁率は中島はチーム2位の.372、ウィーラーは.324。5分と割と差があります。
大城の得点力を考えると、丸-中島-大城の方が得点は生まれそうですね。
そのためか13連戦中は3番にウィーラー(亀井)という起用も目立ちました。
2人とも早打ちで四球での出塁は少ない選手です。
中島とウィーラーの比較ではなく、亀井とウィーラーの比較で打順を組んでいたのはこう言ったデータが裏にあるのではないかなぁと思いました。
結果、3番ウィーラー(亀井)-岡本-丸-中島-大城-吉川尚の打順なんですね。
ちょっと長くなりました。
阪神3連戦の見所
・菅野、スタルヒン超えの開幕11連勝なるか(球団最多は堀内の13連勝)
現在開幕から12試合で10連勝の菅野。12試合での10勝は球団歴代トップの数字。11連勝のスタルヒン、13連勝の堀内を超えて歴代最高のエースになれるか。
・菅野 vs 高橋遥 安定感抜群の投手戦
第1戦、菅野に対するは高橋遥。防御率1.03巨人戦は0.90の左のエース。
菅野はシーズン防御率1.44、阪神戦は1.57と高橋遥より数字は悪い。
共に対戦チームに3先発しておりデータは揃っている。
1点を争う投手戦の予感。
・第1戦で勝てばマジック点灯
菅野と高橋が予告先発のこの試合、巨人が勝つと早くも優勝へのマジックが点灯する。自力優勝の可能性を残しているのは阪神のみ。
巨人がすんなり点灯させるのか、阪神が止めるのか。
・大城&吉川尚 vs ボーア&サンズの月間打率4割打者の活躍
阪神も13連戦は7勝4敗1分(1中止)。好調の要因はボーアとサンズの好調がありました。4割打者4人がリーグ最高レベルの菅野と高橋から打てるかどうか楽しみです。
・岡本 vs 大山 復調の若き主砲対決
岡本も大山も連戦中3本塁打10打点と活躍。
大山は打率がなかなか上がらず5番に定着。最近は長打が出るようになり18本塁打と岡本に次ぐ2位の本塁打数。(サンズも同2位)
これからの日本を背負うサード対決です。
・田口 vs ガルシア 左腕対決
ローテ通りにいくと第2戦は田口とガルシア。
3勝3敗、防御率4.44の田口。
2勝5敗、防御率3.93のガルシア。
田口は16-17年に10勝、13勝。
ガルシアは来日1年目の18年に中日で13勝。
以来先発としては不本意な成績が続いています。
・サンチェス vs 青柳 150キロvsくせ球
サンチェスも青柳も好不調の波はあるが大崩れはしないタイプ。
150キロの直球が武器のサンチェスと、変則フォームからくせ球を投げる青柳。K/BBやWHIPもほとんど同じ数字。
・デラ/中川/高梨/鍵谷/大江/大竹 vs スアレス/岩崎/馬場
2-3戦は投手の防御率と投球回を考えると継投もポイントになると思う。
シンプルにカードの多い巨人が有利か。
終盤での逆転はあまり期待できないので中盤までに早めの代打や代走で勝負をかけにくると予想。
・亀井&中島 vs 糸井&福留
亀井と中島は38歳、糸井39歳、福留43歳。
今季ここまでは亀井と中島はレギュラー級の活躍も、糸井は打率.241、福留は打率.160と明らかな衰えが見える。ただ勝負所でのイケオジの渋い活躍には期待したい。
最後に
今回も長くなってしまいました。。。
本当にいつも最後まで読んでいただける方はありがたいです。頑張って更新します。
さあ、いよいよマジック点灯間近。
注目の阪神戦は18時東京Dでプレイボールです。
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