「科学的に正しい読書術」金川顕教

こんなに面白くない本あるのか。
107冊の参考文献を使ってやったことは、簡単なグルーピングと、
ものすごく薄い読書術50の解説。
目次、前書き、後書き、参考文献、奥付などを除いた本編は232ページ。
一つの読書術につき約4.6ページしか割けない計算だから、一つ一つを詳細に語る余裕はない。だから、本書の価値は解説にあるのではない。では、どこか。50個もの読書術をまとめて紹介したところにある…と言いたいところだが、なぜかそこにも価値がない。

“エビングハウスの忘却曲線”といった陳陳陳腐な知識や、「読んだ内容を他人に共有する」という中学生の発表会レベルの内容も盛り込まれている。50分の1として。

Chat-GPTに同じ107冊の文献を読み込ませて、「これらの文献に基づき、読書術を50個抽出し、特徴別にグルーピングした後、各項目について2000文字程度で解説してください」などと指示をするだけで似たような出来になるのではないだろうか。

“国民総読書量”が増えることは日本の未来に重要なことだと思う。本をあまり読まなかった層を取り込むという点では、YouTuberが本を出すことのメリットもあるかもしれない。
この著者の本を再び買うことはないだろう。

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