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何にも救われないなんて

特別な理由もなくざわざわして落ち着かない夜。

こんなときは好きな曲をいつもより音量を大きめにして聴けば、大体は吹っ飛んでいってしまうはず

なのに

当夜に限ってはいつも救われている曲を聴けども聴けどもしっくりこない。

頭から数十秒聴いては止め、次の曲へ、また頭から聴き、止め、次の曲へ、、

繰り返すうちに少しずつざわざわは大きくなり、更に深く深く落ちていってしまいそうになる。

"どんどんイカれてくこの国で 頼みの綱はあなただけよ"

あなたが誰かというのもさながら、このフレーズすら筒抜けてしまう。

とても卑屈になった。

ああ、このまま何にも救われないんだ。

どんな夜よりも長く

そして怖い夜だった。


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