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聴いたよ新譜2021 vol.7

お世話になってます。
前回投稿から少し時間が経ってしまいましたが元気です。モンスターハンターライズに熱中しすぎて記事を書くことに対して億劫になっておりました…仕事の忙しさなどもあって…などなど言い訳をしているんですがそもそも自分が勝手にやっているだけの記事なので、待ってくれている人がいるテイで書くのも気まずかったりするわけで。昨年も今くらいの時期にブログを頓挫させているので、個人的にめげずに続けたい。

そんなこんなで3週間分くらいありますが、僕の住む新潟も春らしく暖かくなってきましたので、サイケデリックな音楽が聴きたくなり、Tame Impalaの初期2作をよく聴いておりました。はたまたmy bloody valentineのアルバムがサブスク解禁されたので、こちらもこの時期にぴったりですね…昼は白昼夢して、夜は今年豊作なジャズ系のアルバムを聴く…最高です。

とはいえ新作もちゃんと聴いており、その中でもよく聴いたものを10枚まとめました。

1. The Natvral - Tethers

僕が社会人一年目で出会ったあのThe Pains of Being Pure at Heart、1stは今でも心の中の大事な一作ですが惜しくも2019年に解散…そしてボーカルのKip BermanがスタートしたプロジェクトがこちらのThe Natvralなわけですが…めちゃくちゃ良かったです。

フォークロック的な楽曲たちは牧歌的で、初めて聴くのに昔から知っていたかのような郷愁を誘う内容。Neutial Milk Hotelを思わせるインディーなサウンドとあたたかみのある歌声が最高…ド派手だったPainsのセカンドキャリアとしては素晴らしいものだと思います。真新しさこそ無いけれどいつまでも聴けるアルバムだと思います。

2. Ryley Walker - Course In Fable

Ryley Walkerの新譜、めちゃくちゃ待ってました…先行曲の時点でかなり期待値も高かった上に幾何学模様との共作も話題を呼んでいたので抜群のタイミングだったと思います。一曲目からトリッキーなリフの押収とローファイライクな歌声とのバランスで最高に気持ちよくさせてくれます…ポストロック的、プログレッシブなアプローチからNick DrakeやAstral WeeksのVan Morrisonばりのフォークソングまで多種な世界を爽やかにやってのける感じなんかもとにかく痛快。日常に置きどころのない異物感と寄り添う柔らかさが同居した素晴らしいアルバムだと思います。

かっこよすぎ

3. SPIRIT OF THE BEEHIVE - ENTERTAINMENT, DEATH

こちらのバンドは完全に初見でしたがここ最近でもかなりブッ刺さりました…めちゃくちゃいいです。ダークでサイケで先鋭的な破片が集合して乱反射しているようななんともニクいアルバムだと思います。シンセとバンドサウンドがカオスに絡み合い、ちぎれては集合してメロディになるような美しさ。メロディ部分はサイケでポップなところもまたニクい。あとジャケが最高。

MVにもなっているこちらの曲が特にカオスとサイケポップを往来する気持ちよさのある一曲だと思います。とてもオススメ

4. Andy Stott - Never the Right Time

マンチェスターのプロデューサーAndy Stott、テクノの域を超えたエクスペリメンタルな楽曲が話題を呼んだ1stの衝撃から時は経ち、前作のシマウマのアルバムからも2年…今作はあの無機質で凍てついた空気感とは少し違って、どこかやわらかさのある質感でした。もちろんAndy Stott節なシークエンスも随所にありつつ、なんというか内省的というより内面的というか…とにかく美しいんですよね。

それもこれもAlison Skidmoreというシンガーのfeat,とそれにむけたチューニングがそうさせていったのかな…と。
Andy Stottに関してはどのアルバムもかっこいいし最高なんですが、今回は本人も「ノスタルジアと自己省察」と言っている通りどこか人間らしさが垣間見えるアルバムで、このように新しい一面を楽しめるのもまた素晴らしいと思いました。

いつものごとく最高

5. Cory Hanson - Pale Horse Rider

夕暮れ車を走らせながらふと思い出し、最近発売したこちらのアルバムを聴く。そこにするりと入り込んでくるような素晴らしいフォークロックサウンド。

いやいやこんなに求めていたサウンドってありますか?
とはいえこの手のアプローチはめちゃくちゃおおまかに捉えれば毎年何作もあるとは思うんですよ。なんだけど絶妙なバランスで自分の中に書き割りではなく名前を持つ登場人物として入り込んできてくれる作品だと思います。

とにかく夕方、外で是非この曲を聴きながら1人で過ごしてみて欲しい。最高の時間でした

6. カネコアヤノ - よすが

もはや説明不用にすばらしく、日本のシーンからもしっかりと発見され今年のフジロックにも出演が決定しているカネコアヤノさん。前作同様のメンバーで確立されたスタイルながらしっかりと唯一無二の音楽として時代やトレンドに迎合せずにそこにある感じがそもそもたまらないわけなのだが…

今作もめちゃくちゃ聴いております。
今作はインディフォークロックのテイストが強く、カネコアヤノのクセや味が土着したアルバムだと思う。歌が生々しく引き立った結果吉田拓郎やエレファントカシマシを思わせるような人間味と生きるパワーに溢れており、そこにレトロなリバーブ具合がロック界隈としてはトレンド、日本POPSとしては錯誤した選択となっており、インディーのエッセンスが入り混じって程よい土っぽさがとにかく気持ちよくて何周もしてしまう。

ポップスから上手に外れた質感に、「なんとなく好きかも」から「好き」にしっかり導いてくれた素晴らしいアルバムだと思います。

7. Spencer Krug - Fading Graffiti

Arcade Fireなどカナダのトップアーティストが絶賛し話題を呼び、活休復活を経て昨年アルバムもリリースしたWolf Parade、そのフロントマンでもあるSpencer Krugの新譜ということでどんな作品かかなり楽しみにしておりました。

曲調としては素直にアメリカンロックな効果がありつつも、質感がネオアコやインディらしくリフも多様しており、素直ながらハイブリッド…そしてそこに乗る歌がまたこのシンプルなサウンドの上でモリッシーのように深みのあるエフェクトで流れるもんだから80年代っぽさも感じてめちゃくちゃ好きでしたね…

ある意味Wolf Paradeと比べて好きまである。懐かしさと新しさが絶妙に同居していると思います。好き、あとジャケが100点。良すぎます

8. Vijay Iyer - Uneasy

ここ数年、とりわけ今年はジャズを軸にしたエレクトロニカやプログレ、ロックなどがまだ上半期の時点でもたくさんリリースされている。それぞれ別な個性を持ちつつ名作も多くて、個人的には「ジャズを材料に料理した新しいもの」をなんだか求めてしまったりしていたのですが…

そんな中で今回ストレートにピアノジャズとして楽しめるものもたまにはいいなと思い調べてみるとPitchforkで高得点のこちらのアルバムと出会いました。

Vijay Iyerの作品を聴くのは初めてだったので色々聴いてみたのですが知れば知るほどすごい…インドの血が流れているからかどこかエスニックな雰囲気も感じる上に、ストレートなジャズアルバムと思わせてリズムの作り方が凄く独特に感じます…

強いメッセージ性などはインタビューを読むまでわかりませんでしたが、単純にピアノジャズのセッションとしてめちゃくちゃオリジナリティを感じました。

9. Dry Cleaning - New Long Leg

一聴して僕の好きな要素が詰まっているアルバムでした。バンド名のユルさも最高ですが、リバーブの効いた単音リフを中心にシンセが鳴るまさに80年代らしさ抜群のサウンドに、ポエトリー気味にゆるく乗ってくる歌が最高…

そしてアルバムを通して飽きさせない作りがまたいいですね…というか4ADニクいな本当…

サウスロンドンの若手バンドは本当ここ近年豊富ですね。今年だけでもいいバンドやアーティストが多い。所属はそれぞれですがそれぞれにしっかりと確立された個性があって素晴らしい。その中でもDry Cleaningはニューウェーブとusインディのいいとこどりを果たしていると思うのでかなり自分好みでした。オススメ

10. Nick Hakim & Roy Nathanson - Small Things

実際この作品を1番聴いているかもしれない。詰まっているものの奥行きや、それをスッキリチルに仕上げるセンスに脱帽を禁じ得ない。

R&B、ソウル、ジャズ、フォークなどが混ざり合った独特な世界は大まかに捉えると地味だが潜れば潜るほどカッコよくて仕方ない。
とあるインタビューにて、

サイケデリックでアンビエントでエアリーなサウンドとブルースが溶け合った、ひとことでは言い表せないジャンルレスな世界観は、マーヴィン・ゲイやハリー・ニルソンの影響を受けたシルキーでセンシティブなもの。

と書いてあるものがあったけれどまさにその通りだと思う。アートに間違いないのだが、アートとしてではなくチルアウトとしてしっかりと日常にマッチしてくれる音楽にまとめるセンスが本当にたまらない。今夜も聴きます。

溜めるもんじゃない。

いくらゲームにはまっているからといって溜めるもんじゃないですね。好きな作品はたくさんありましたが、文章にするまで聴くとより良さに気づけてよいのですが追われるのも違う気がしますし。とはいえ今週も本当に素晴らしい作品が多かったです。昨年は一年通して、元気なギターサウンドや激しい音楽を聴く気分になれなかったりしたのですが、たくさん聴くうちにまた聴けるようになってきました。

フェス等で見られないのは残念ですが、いつか観る機会があればSPIRIT OF THE BEEHIVEのライブは是非観てみたいですね…酒飲んでベロベロで浴びたい…

さて、またこれからゲームに戻るのですがまた新譜が溜まったらこちらに書きたいと思います。

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