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A新聞:映像報道部 説明会振り返り

全国紙を手がけるA新聞社の生の空気感と映像報道について学びに本社へ訪れた。その振り返りをここに記す。

夏にオンラインで記者部門の説明会に参加して以来、すっかり会社の詳しい情報を忘れてしまった状態で、電車の中でA新聞社の映像報道部のwebページとA社のInstagram投稿を確認しながら、台風空の下、慣れない新橋付近を走りながら本社に足を運んだ。Instagramの写真はかなり訴えるものがあり、感心させられながらどんな組織なのだろうと思いながら向かった。

本社について、第一の印象は、外のエスカレーターが動いておらず、本社の建物もY新聞社より年季の入った風貌と煌びやかさとは反対の空気感である。汗を拭きながら建物中央へ向かうと、数名待機してる学生と、丁寧にこちらに向かって”説明会参加の学生ですか?”と声をかけてくれる社員の方が出迎え、入館証を手渡していただいた。少々待機したのち、ゲートを通り、上の階へと向かった。エレベーターから案内される部屋までも、(Y新聞社との比較ばかりで申し訳ないが)だいぶ古さを感じさせられ、決して明るくはない印象を受けた。部屋ではたくさんの社員様が出迎えてくださり、丁重に挨拶をして席に座り、説明会(会社説明・現役社員2名のお話・社員4人ほどとのローテーション座談会)を3時間ほど受けた。

率直な印象として、A新聞社の社員も説明する通り、Y新聞社は米軍で、こちらはゲリラ特攻部隊のような組織体制(Yは組織がしっかりしており、人が入れ替わっても安定的。Aは投入人数が少なく、各々が創意工夫をする)。全国紙なので、支局、総支局、本社は全国を網羅し、海外局もある。事業内容はY新聞社と似通り、主力のメディアコンテンツ、文化・スポーツ、不動産、教育、新規事業(デジタル中心)で構成され、三つの部門(記者・ビジネス・エンジニア)で成り立つ。

意外性のあるところとして、働き方に関して、ぬるま湯で育った自分の考えによらず、全国紙にも関わらず、と言ったら失礼だが、働き方がかなりハードであるという印象を受けた。会社説明でよく聞く"有給取得率"という言葉は、"公休取得率(土日)96.9%)と塗り替えられていた。世間を騒がすニュースがあるのに、休みだからと休むのはだいぶ受け入れ難い企業カルチャーの様子だ。

A新聞社の強みとしては、現場に大きな裁量権を設け、各々が実績を積んできた取り組み分野は後押しする風土である。

現役映像報道部社員の話で印象に残った話として、撮影は準備、視点、の他に、運と勘。この勘について質問したところ、例えば、香港の2019年から注目された反送中法デモンストレーションの際、雰囲気が平和的なものからすぐ変わることから、警察が来るかネットの情報を観察したり、しっかり状況を感じることを説明してくださった。

カメラは趣味程度という方もいることから、ある現役社員さんは、面接でとにかく押したアピールポイントに、フッ軽さ、体力、好奇心の三点を押したそうだ。

新聞社へのインターンや説明会参加以前は、ペン記者と写真記者のどちらがいいかわからなかったが、今は自然と、写真・映像を通じた仕事に自然と向けられる自分の関心を改めて確認できた。

説明会を通じて気にかかった”アングルの利かせ方"という言葉を、ベテラン社員の方に質問させていただいたところ、A新聞社は比較的リベラルな方が集まりやすいこと、それを例えば記者会見で質問を取ってもらいづらいこと、アンチがいること、などの懸念点を伺えた。映像報道の記者が送った数十枚の写真を編集デスク側が整理し、スクリーニングすることを通じて偏りを指摘する構造となっているらしく、その後に記者が最終でフィードバックや意見を出したりするらしく、アングルの利かせ方には気を配ってるようである。個人的には、どのようなスタンスであるかは問題ではなく、問題のある事案には積極的に質問や批判をするべきであると考える一方、社として一般化された見方をされることによる取材遂行力への弊害は少なからず感じ、Y新聞社が謳っていた"圧倒的な信頼"という言葉を頭で思い返しながら説明会を後にした。

国税局が隣にあった。取材で外に出ることがあるとはいえ、本社周辺に魅力をとても感じられるわけではなかった。普段は足を運ばないような銀座通りを歩いて、東京駅に向かって帰宅した。

以上


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