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大地と身体。微生物とは何者なのか?

■キス・ザ・グラウンド:大地が救う地球の未来

炭素は生命の源
人体の16%は炭素

炭素を撲滅しようという流れがある。
もったいないよ。炭素は良いものなのに。
マリン郡炭素計画  ジョン・ウィック

地球、大地、微生物、わたしたち動物との関係性をみていこう。

【土壌学】
植物は40%の炭素を根に送る。
それを微生物に渡し、微生物は植物にミネラルを与える。
微生物は土中に穴を作り、空気と水の流れを操る。
それにより、炭素が土壌に定着する。
つまり土壌は二酸化炭素を閉じ込める能力がある。


人体にはヒト細胞よりもより多くの微生物が存在する。

【人類】
1%が人間、残りの99%は微生物

人間の食事は微生物が胃で食べられるように食物を噛んで砕く行為。

例えば…
ケールを食べたら消化するのは人体ではなく微生物。
微生物が消化して出す物質を人間は摂取する。


工業型農業の悪循環

耕起すればするほど土壌は弱まる
      ↓
土壌が弱ければ農家は農薬を使う

戦争時ドイツのフリッツ・ハーバーによって生み出されたもの
・食糧生産の促進のために窒素肥料の製法を発明
・殺虫剤という毒を発明

戦後は畑の中に敵を見いだした。

土壌の劣化は化学肥料で隠されてしまう。

例えば…
農薬 グリホサート散布(ラウンドアップ)
⇒土壌に入り、水に入り、人体に入る

母乳を通して赤ちゃんへ
注意欠陥障害、小児がん、先天性疾患など

胃の微生物に影響する。
急性のストレスに人体は対応できるが、慢性的なものは無理。
土壌の生態も同じ。
殺菌剤、除草剤、殺虫剤を使い耕起し続ければ慢性的なストレスになり機能しなくなる。

土壌を傷つけると酸素が大気に放出される。

世界の3分の2が砂漠化している。
世界各地の20以上の文明は農業で自然を破壊した結果滅んだ。
衰退する自然と増加する人口に対処できず滅んだ。

・貧しい土地は貧しい人を生む
 ⇒貧困は社会崩壊を招く
・弱い土地は洪水と干ばつを招く
 ⇒国を越える移民が増える
 ⇒危険な組織に加わる人が増える


国連によれば、地球の表土は60年以内に完全に消滅する。
つまり土壌を救う手段を見つけなければあと60回しか収穫できない。


Q どうすれば化学薬品なしで作物を育てられるのか?

雹と干ばつにより4年間収穫できなかったある農場主が、農薬にコストがかけられなくなった。
化学製品ができる前の農業はどうしていたのだろうかと知りたくなり、トーマス・ジェファーソンの日記を参考に、どこでも手に入る不耕起ドリルを使って作物を植えることにした。

【不耕起ドリルでの作業工程】
①ディスクで雑草を切り、大地に小さな切込みをつける。
②一定の間隔で地面に種を落としていく。
③突起で種の上に少量の土をかける。


風食や水食から守るため土壌はすべて植物で覆っている。
そうすると水分が少なくても作物が育つ。
土壌を露出している期間を作らないこと。
水の循環を復活させるための大原則。
⇒土壌健全化


世界の25%の陸地は人類により劣化している。


傷ついた大地を回復すれば人類は楽園に戻れる。
毎日少しずつ楽園を復元しよう。

難しくはない。

新しい物ばかり追うのはやめて
本当に大切なものを考えればいい。

荒廃した大地に生物多様性が戻ることだろう。 


■地球全体の二酸化炭素の流れを3D映像化 NASA

エルニーニョとは2年から7年の周期で発生する一連の複雑な気象パターンのこと。激しい気象変動を引き起こし、数十億ドルに及ぶ損害や多くの死者、病気の蔓延を伴うこともある。
「アフリカでは植物が高温にさらされ、インドネシアでは植物が燃え、南米では植物の成長が止まりました」とクリスプ氏は話す。「大規模なエルニーニョが発生するとなぜCO2が増加するのかはこれまで理論としてはわかっていましたが、その理論がすべて正しかったと証明されたのです」


WMO 温室効果ガス年報
2019年12月までの世界の観測結果に基づく大気中の温室効果ガスの状況

正味の化石燃料起源の二酸化炭素放出がゼロに近づい たときのみ、生態系と海洋の正味の吸収により、大気中の二 酸化炭素濃度が減少し始めると推測される。しかし、たとえ その場合でも、既に大気中に放出された二酸化炭素の多く は数世紀にもわたって滞留し続け、気候を暖め続けることに なるであろう。さらに、地球の気候システムは、海洋が過剰な 熱を緩衝するため、数十年の時間差を持っている。したがっ て、排出量を早く削減すればするほど、世界がパリ協定で合 意した温暖化のしきい値を超える可能性は低くなる。


■自然農を目指す酪農家たち、先進国畜産への警笛

宗谷地区に入植した酪農家(Y・I氏)で、全国を回って見つけたところに入植したというのでした。酪農に循環農法の可能性を感じたかからというのが理由だと述べています。
放牧主体に理由が、牛に直接食べてもらい糞尿も還元してもらう、究極の低コストだからというのです。今北海道、とりわけ酪農専業地帯である当地でも多分90%以上の牛が放牧されていません。閉塞された牛舎の中で、前年度収穫されたサイレージと輸入穀物を給与されていて、外の出ることは殆どありません。牧歌的な風景は失せてしまいました。つまり、北海道の牛乳も九州の牛乳と変わりがないものになっているのです。
このY・I氏は放牧中心にするだけではなく、草地への肥料の散布と、家畜への穀物の給与をほとんどしなくなったのです。もともと少量の穀物給与で、北海道平均の個体乳量の3割も少なかった(7,405キロ/年)のですが、更に4割も減らして、4,853キロまだ下げています。肥料も、放牧地にはもともと散布していませんでしたが、炭カルとヨウリンだけを3年毎に撒く程度でしたが、それも止めたということです。放牧地も一枚にして区切らず、掃除刈り(食い残した草を切る)もしなくなったとのことです。所得率も、51.5%から62.5%に向上したことが経営を支えています。因みに当地の農協では平均でも20%ですが、大型農家では一桁と言われています。
自然界には自然にめぐみがあり、常に共生の関係にある。それを徒に搾取しないという考え方が必要だと言います。上の左の図は、Y・I氏が概念として描いたもので、自分の農場で実現を目指しています。配合飼料(穀物)は殆ど3年前から親にもやっていない。塩だけは購入しているので、購入飼料がゼロではないというのです。
「無化学肥料、無配合飼料(穀物)で経営が成り立つのかと言われますが、家族が十分生活できています。」と答えています。
日本農業の中でも畜産は、アメリカの余剰穀物の多給で規模を拡大し、土地から離れ、牛家畜の生理を無視して生産量だけを追い続けてきました。外見的には規模拡大して急成長して、生産物の価格も卵のように”物価の優等生”と呼ばれたものもあります。その大きな代償として、農家戸数の減少と農地の循環や家畜の生理を大きく超えたものになって、国の援助だけで成り立つ高コストの巨大農家ばかりが残ってしまっているのです。


【デントコーン】除草剤なし・化学肥料なし・不耕起栽培



■マンモスとゾウのハイブリッド作成計画

古代のマンモスに関する研究では、マンモスにもゾウとよく似た社会的特徴があったことが示されている。では、初めて誕生するマンモスとゾウのハイブリッドは、どのように扱い、交流させればよいのだろうか。将来形成されるであろうハイブリッドの群れは、北極圏でどのようにして生きることを学び、マンモスのような自分たちの文化を一から作れるというのだろうか。

コロッサルとジモフ氏は、もしハイブリッドゾウが誕生したあかつきには、更新世パークでその何頭かを受け入れるという非公式の約束を交わしている。現在は20平方キロの狭いパークだが、いずれは144平方キロまで拡大する予定になっている。

また、コロッサルのビジョンを完全に実現させるとなると、広大な北極圏のツンドラをゾウが暮らせる場所に戻さなければ、世界の気候に影響を与えるまでには至らないだろう。

しかしそのためには、土地使用の問題、既存の野生生物への影響、世界的なガバナンス、そしてロシアの北極圏に暮らすおよそ18万人の北方先住民への影響など、検討すべきことは山のようにある。


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