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森が風をつくる|インドネシアのほほん滞在記

いよいよ8月。夏本番。
日本にいる母と電話をしたら「これからこんなに暑い日が毎日が続くかと思うと恐ろしいー」と言っていた。第二の故郷である京都では最高気温39度予想だというニュースも。

ヒョエー

インドネシアも最高33〜34度くらいには上がるし、日差しは日本より強い。しかし、決定的に違うことがある。

それは、風が熱くないこと。

コンクリートからジリジリのぼってくる熱気と肺の中まであったまってしまいそうな風。救いようがないというか逃れようがないというか...日本の夏ってそんな感じ。

ただここにいると、そういう暑さを感じることがほとんどない。
なぜならさーっと吹いてくる風が、いつも涼しいから。

例えば東京といま私が住んでいる街の決定的な違いは、樹木が植えられているかどうかにある思う。

コンクリートも多いけど、この街ではほとんどの道路に樹木が植えられている。高いところに登って見下ろすとよくわかるのだけど、建物の隙間を埋めるように樹木が所狭しと生えている。
小さな森がたくさんあるようにも見える。

「緑が多いと涼しい」というのはなんとなく体感でわかっていたけどいざ説明しろと言われても説明できないので調べてみた。

ちゃんとワケがあった。「樹木による夏の大気冷却効果」!
以下、わかりやすい記事があったので引用します。

その1|涼風を生み出す

まず、共生する土中の菌糸が集中する健康な樹木の根元は、土中から盛んに水分を吸い上げることで、常にしっとりと通気され、土中の冷気がひんやりと地表に放出されます。この冷気と日向の温度差によってそよ風が生じ、樹木の根元に放出された冷気を引き上げて、周辺環境に涼風をもたらすのです。つまり、健康な高木群の存在は、その敷地内だけでなく、周辺地域にまでその恩恵を及ぼしていることを忘れてはならないのです。

「夏の暑さを和らげる、樹木の力 第2回 ~樹木の蒸散と土中環境のかかわりから」

その2|蒸散による気化熱の放出

木々にしかできない最も大切なこと。それは蒸散による気化熱の放出です。
最初に断っておきますが、これは最近よくある人工的なミスト効果などとは比較にならない、複合的かつ重要な働きがあるのです。樹木は、暑い夏ほど盛んに蒸散し、自らの体温の恒常性を保とうとするのは、われわれ動物と同じです。土中と地上で、水と空気の流れをつくる木々の働き。気化熱を放出する際、常に日射にさらされる高木は、夏の日中、最大で20気圧におよぶ高い圧力で土中から水を吸い上げ、大量の水分を土中から大気中へ放散させます

「夏の暑さを和らげる、樹木の力 第2回 ~樹木の蒸散と土中環境のかかわりから」


木々たちが水を吸い上げることで生じた冷気によって、
日向との温度差が生まれ涼風が吹く。
そして、吸い上げた水は周囲の温度を奪いながら蒸散していく。

森に入るとひんやりする。
はるか昔から地球で生き抜いてきた木々たちの逞しさ。
木々にとっては生きていくための活動だけど、
人間はその恩恵に与っていた。

涼しい風が吹くたびに、
手に触れることのできない美しさを感じる。

樹木や森林と生きていくことを選びたいなー。



↓ナショジオの地球温暖化に関する記事も面白いよ
地球はどこまで暑くなるのか?

映画監督兼いわゆる駐在妻です。1年間インドネシアに滞在します。初めてのことばかりで面白すぎるので、忘れたくないので、記録として文章を残すことにしました。

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