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12.もぅムリ……マヂ闇……世界を「紫に染める」(背景に色をつける方法、カラーシフトの話Part2)

ダークな雰囲気の演出として、ライトを使用し、背景を紫色にしようとして、「紫色をきれいに出せない」と苦戦される方も多いのではないだろうか。

【ヘッダー写真・ジャンヌ・オルタ:椿姫日菜さん】(F2.8 1/200s ISO400)

8.世界を赤く燃やす方法(背景に色をつける方法、カラーシフトの話)では、「背景を赤くしようとしてピンクになってしまう」ことがないよう、対処法を書いた。

【アイリスフィール・フォン・アインツベルン
:花核さん】
(F2.0 1/125s ISO200)
基本的に、色が乗りやすいのは
写真の中の「暗いところ」

①「カラーシフト」を活用する
②背景と被写体の距離を取り、背景の露出を暗めに合わせる
③カラーフィルターつきのストロボを被写体の後ろに配置して、背景にはあまり向けない

「8.世界を赤く燃やす方法」より

先の記事では、この3つを方法として示している。

紫色も、赤と同様、うまく色をコントロールしないと、ピンク色になってしまうので、注意したい色の一つ。

①「黄緑」からのカラーシフトで「紫」を作ると……

②「黄色」からのカラーシフトで「紫色」を作るのがオススメ

③「オレンジ」からのカラーシフトで「紫色」を目指すのもアリ

このように、今回はストロボ二灯以上を使用する場合で、カラーシフトに用いる色を3種類紹介する。
「紫色を作る際の注意点」を1つと、「紫色を作る方法」を2つ挙げるので、順に見ていこう。

①「黄緑」からのカラーシフトで「紫」を作ると……

紫色を出やすくする手順は赤の場合と同様なのだが、注意したいのが、「青寄りの紫を作らなければ、紫がピンクに見えやすい」ということ。

カラーシフトをするためには、背景に出したい色の「反対の色」を選ばなければならない。このときに役立つのが「色相環」。

色相環。

https://hirotama.blogspot.com/2021/01/hue-circle.html より

環状に並んだ色同士の中で、一番遠い位置にある色の組み合わせが「反対の色(補色)」となる。

環状に並んだ色同士の中で、一番遠い位置にある色の組み合わせが「反対の色(補色)」となる。


先の記事では、「赤」を出すために被写体に使うライトは「青緑」、と紹介した。

ただ、背景を紫に染める際には注意が必要だ。
色相環上で「紫」の反対にある「黄緑」を被写体へのライトとして選ぶと、写真上では赤寄りの「ピンク」になりやすい。

【ぎゃらこちゃん:いろはさん】
(F2.8 1/200s ISO3200)
黄緑を使ってカラーシフトした例。

こちらの画像では、被写体に当てたライトは「黄緑色」。
背景向かって左側から「青色」のライトを使用。
背景向かって右側から「紫色」のライトを使用している。

向かって右側はただの「紫色」なのだが、写真で見るとピンクっぽく見えるかと思う。
そのため、キュート系の演出などで少しピンク味を出したいときには、「黄緑色」からのカラーシフトがおすすめ。

ただ、ダークな雰囲気を出したくて紫色を作りたいなら、「黄緑色」からのカラーシフトはやや不向きだと覚えておこう。


②「黄色」からのカラーシフトで「紫色」を作るのがオススメ

①では、色相環上で反対の位置にある「黄緑色」を用いたカラーシフトでは、ピンクっぽく見えると説明した。

より青に近い「青紫」の補色である「黄色」を被写体へのライトとして選ぶことで、鮮やかな紫色がより出やすくなる。

【ジャンヌ・オルタ:椿姫日菜さん】
(F4 1/200s ISO200)

こちらの画像では、

1.ヘッダー写真と同じように、右手前側から被写体に当てるライトは「黄色」でカラーシフト。
2.背景側(上方)からカメラに向けて当てるライトは「紫色」を使用。

この2つを組み合わせることにより、写真の中の紫色を作っている。

①の黄緑色を用いたカラーシフトと比べ、ダークな雰囲気が強く出ているかと思う。

③「オレンジ」からのカラーシフトで「紫色」を目指すのもアリ

ここでもう一度、色相環を見てみよう。

お久しぶりです色相環です

①と②で、「黄緑からのカラーシフト」、「黄色からのカラーシフト」というように、補色が「紫色」から「青色」に近づいていく順番で紹介してきた。

3つ目に紹介するのが、「青色」の補色である「オレンジ」を用いたカラーシフト。
被写体に当てるライトを「オレンジ」に変えるのだが、

【楊貴妃:ゆよりさん】
(F4 1/250s ISO500)
そのままだと当然、「青色」の背景になる。

さらに、後ろ上方から「紫色」を足すことにより、下の画像のような「青みの強い紫色」を作ることができる。

【楊貴妃:ゆよりさん】
(F8 1/250s ISO2000)
好みや演出したい内容に応じて、調整しよう。


このように、3つの方法での「紫色」の作り方をお伝えした。
このように、ダークな感じの紫色を目指すなら、少し青寄りの紫を作るのがオススメだ。

あとは色相環を元に、カラーシフトに用いる色や、後方から足す色などを計算して、好みの色の組み合わせを見つけていこう。

🎃<「うまくいかなかった」経験も大きな財産だよ

 👻<でも、間違っても被写体さんを「練習台」だとは思わないようにね

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