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1.突然だけど、まぐろの話をしよう。(光の芯とストロボ直当ての話)

オフカメラライティングで、光の芯を被写体に当てるべき? 外すべき?

というおはなし。

(ヘッダー写真:F11 1/200s ISO100) 

スーパーで買えるまぐろの刺身用切身(短冊)が大好きだ。

100g198円の切身が半額になっていた日には狂喜乱舞で買う。

まぐろはキッチンバサミで切って、水洗いして、日本酒を少し。それから濃縮だしで味付け。ポン酢、ワサビを少量混ぜて風味をつけたら爆ウマなご飯のお供に仕上がる。

これが美味しい刺し身の漬け込み方……という話をするためにnoteを始めたわけではない。でも、やってみてね。

そんなわけで、ストロボライティング修行中の、人物撮影大好きカメラマンの備忘録第一弾です。

では、まず2つのまぐろをご覧いただきたい。

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①上手に切れたね。(F32 1/200s ISO100)
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②同じ刺身を撮ったもの。(F32 1/200s ISO100)

2つの写真、使用しているカメラ、レンズ、ストロボは同じ
カメラ設定やストロボ設定、環境も同じ。ストロボはどちらも、オフカメラライティングで至近距離から一つを直接当てている

画角の違いは一旦無視して、2枚の写真の違いを見てみよう。お気づきの点はいろいろあるかと思う。

大きな違いは、被写体にストロボ光が当たっている位置。つまり、光の当たり方が違う

②の写真は光量の強い「光の芯」……つまりストロボから出る光の中心がまぐろ付近に当たっているのに対し、①の写真はストロボ光の中心を画面左側に逸らしている

もう一度②の写真を見てみよう。

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おいしそう! でも、手前のまぐろの写真だけが他のまぐろよりも強く照らされていて、そこだけ質感が違って見えるのではないだろうか。

まぐろの写真としてどちらが正しいかを語れるほど専門家ではないけれど、なんとなく、①の写真ほうが均一で自然な感じがする。

光の芯を当てると、光は強く当たるものの、光の芯の付近だけが妙に照らされて悪目立ちしてしまう側面がある。
光の芯がどこにあるかは、ストロボの発光面より少し広がるぐらいをイメージするとよい。

ストロボから出る光は、光の芯を中心として、光の芯より弱い「周辺光」が広がっていくイメージで発せられる。
厳密にはストロボの照射角とかによってちょっと変わってくるのだが、ややこしいので割愛。


ストロボ光を写真の中で馴染ませるためには、光の芯を被写体から少しずらすことが大事になってくる。

つまり、被写体側から見たときに、「発光面がこちらを向いていない、ずれている」状態になれば、周辺光が使えるので、被写体側に回って見てみることも大切。

人物撮影をするにあたって、ソフトボックスなどのアクセサリーを使わず、直当てする場合にも、光の芯をずらしておければ、バランスよく被写体を照らせるためだ。

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【巴御前:袴さん】
(F5.6 1/200s ISO200)
ストロボは左手前と上後方(スタジオの天井付近にワイヤーで固定)の二灯。ストロボ直当て。

ストロボを人に当てるときはソフトボックスやアンブレラなどのアクセサリーをつけるのが基本とされている。

ただ、アクセサリーをつけると本来よりも光量が落ちたり、光の方向が制限されるため、写真に暗い箇所が出てしまって、全身の足元だけが暗い、なんてことに陥りがち。

もちろん、アクセサリーも大きいものを使えば解決できる場合もある。ただ、持ち込めるサイズ、広げられるサイズに制限があることも多い。

まな、カラーシフトをする場合、カラーフィルターを挟むとそのぶん欲しい光が弱くなってしまう。
ストロボも強いものを買えば解決できるが。

金は力だ。買えばすべてを解決できる。でも、そこを工夫でムリヤリ補うやり方として、直当てすることが選択肢の一つとして持てると、撮影の幅が広がる。
あと、装備をコンパクトにできる。
無限に機材を持ち歩けるわけではないので……。

僕のnoteはそんなノリで進むと思っていただければいいかなと思います。

僕が使っているストロボは発光面が丸いタイプだが、発光面が長方形のストロボの場合は、ストロボそのものの向き(横長)のままで使うと光が横長に広がる。

そのため、光の芯をずらすときはストロボを縦長にして使うとわかりやすい

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【Model:ぷらるさん】
(F7.1 1/200s ISO100)
被写体の体の向きに合わせ、
少し斜め上からのストロボを配置。

光の芯は被写体さんのお顔の前を素通りして、基本は背景側ではなく手前に逃がすイメージで。

というのは、背景に余計な光を当てると、結局不自然になってしまうため。

意図のない光の強弱などは、できるだけ写真に入れないほうがいい

被写体側の位置に回って、ストロボの発光面が被写体に直接向いていないかを確認してから、ストロボを使ってみよう。

自分なりに納得できる位置を見つけられるまで、色々試してみてください。

ちなみにこの「光の芯」、ソフトボックスとかアンブレラとかを使う時にも存在する。
被写体に均一な光を当てたいときは同じように中心をずらすのがおすすめ。

もちろん、「キレイに、きっちり写す」ならソフトボックスなどのアクセサリーを適切に使うのが一番。
ただ、ストロボ直当てをうまく使えば、オシャレな感じの、印象的な写真が撮れるので、いろいろ試してみよう。


【Model:ゆよりさん】
(F5.6 1/200s ISO2000)
画面左手前からの一灯と、
左奥からの一灯を使用。
ストロボ配置一灯ことの影がくっきり出やすくなるので、
イメージに合わせて角度や背景との距離を
調整しよう。

初回なので、今回はこのへんで。


🐟<これまぐろのくだり必要だった?

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