英語試験アウトプットの技術 1 「get」
これから、通訳翻訳者のすったけ先生、あらた、こうき、ゆり、みきの5人がゼミ形式で色々な表現を学習していきます。5000文字程度のレッスンになりますが、レッスン3までは無料で公開いたしますので是非お読みください。簡単なレッスンからスタートしますが、ゴールは英語で自己表現できるようになるだけでなく、四技能試験のスピーキング・ライティングできちんと点数が取れるようになることです。簡単に5人の紹介をします(すったけ先生以外は全員架空の人物です)。
すったけ先生
ノリの養殖を営む漁師の家系。イギリス留学後にサッカーのワールドカップや愛知万博などの国際イベントで通訳翻訳に従事。実用英語の世界で培った経験や技術を予備校で学生に還元するために日々奮闘中。
こうき(高校3年生)
国際教養系の大学進学を目指している。テニス三昧の生活で勉強がおろそかになっているところがある。おっちょこちょいだが潜在能力は高い。
あらた(高校3年生)
頭脳明晰で東大に現役合格できる学力の持ち主だが、ハーバード大学に進学したいという野望がある。ときどき自信過剰になってしまうことがあるのが玉にきず。
ゆり(大学2年生)
英語に磨きをかけて国際的な舞台で活躍したいという夢を持っている。海外の大学院に進学して国際機関で働くのが目標。
みき(外資系企業のOL)
英語は得意科目だったが、外国人や帰国子女の同僚が流暢に英語を話すのを目のあたりにしてコンプレックスを持つようになる。目標は海外でのMBA取得。
それではレッスンの始まりです!
先生 :「私は花子にプレゼントをもらった」っていう内容を英語で言ってみよう。
こうき :めっちゃ簡単。それなら俺でも言えるわ。
先生 :じゃあ言ってみて。
こうき :えっと、「もらう」って英語で何て言うんだっけ?
みき :言えてへんやん。
こうき :ははは。
ゆり :「もらう」は「receive」でいいと思う。
こうき :「I receive a present from Hanako.」になるってこと?
あたら :「I RECEIVED a present from Hanako.」ね。過去の話だから。
こうき :俺すぐ時制まちがえちゃうんだよな。気をつけなくちゃ。
「私は花子にプレゼントをもらった」
I received a present from Hanako.
先生 :とっさに「receive」みたいな単語が出てこないときってあるよね。そんなときはどうしたらいい?
こうき :あ!日本語で「プレゼントゲット!」とか言うから、「I get a present from Hanako.」って言うのはどうかな。
先生 :こうき…
こうき :あれ、俺また変なこと言った?
先生 :「私は花子にプレゼントをもらった」っていう過去の話をしてるんだから…
あらた :「I GOT a present from Hanako.」だろ。ほんと勘弁してくれよ。
こうき :うわ、俺ダメダメじゃん。
先生 :時制は微妙だったけど、発想はすごくよかったよ。
こうき :え、ほんとに?
先生 :本当に。こういう内容を「get」を使って言えるようになると、英語が口から出てきやすくなるんだ。
みき :そうなん?何でなんかな。わからへん。
ゆり :うちも。
先生 :じゃあ「私は花子にプレゼントをもらった。」っていう文をイラストにしてみようか。
「私は花子にプレゼントをもらった」
I got a present from Hanako.
先生 :このイラストみたいに、AがBから何かを受け取る場合、「A gets something from B.」っていう英語で表現できるんだ。「もらった」っていう日本語から発想すると、英語がスムーズに口からでてこないかもしれないけど、浮かんだイメージを英語でそのまま表現するようにするとうまく言えることが多いよ。
こうき :何となく分かった気がするぞ。
あらた :こうきのわかったは当てにならないけどな。
こうき :俺もそんな気がするわ(笑)
先生 :じゃあ次の文をイメージを浮かべながら、getを使って英語で言ってみよう。時制に注意しようね。
Let’s Practice!
1. 私はボスから電話をもらった。
2. 彼は弟に風邪をうつされた。
3.彼女の目は母親ゆずりだ。
解答・解説
1. I got a call from my boss.
2. He got a cold from his brother.
3. She got her eyes from her mother.
先生 :「受けた」、「うつされた」、「ゆずりだ」っていう日本語に振り回されると、英語が口から出てこなくなっちゃうんだけど、AがBから何かもらってる様子を視覚化すると、3つとも同じイメージになる。だから全部「got」で表現できるんだ。普段英語を読んだり聞いたりしてるときに、「get」を使った表現に注目するようにすると、表現の幅が広がるよ。
あらた :簡単な単語でも注目するようにすると、英語の上達も早いってことだな。とりあえずこれから「get」を使った表現が出てきたら全部マーカーしとくかな。
先生 :そういうことの積み重ねが大事だよ。
AがBから何か得た場合には、「A gets something from B」で表現できる。
次の日本語の内容を英語で言ってみよう。
「私はこの本を読んだらその答えがわかった」
先生 :「私はこの本を読んだらその答えがわかった」っていう内容を英語で言ってみよう。
ゆり :「I read this book and found the answer.」でいいのかな。
先生 :「I read this book and found the answer IN IT」にすると、さらに英語らしくなるかな。
あらた :答えは本の中にあるってこと。
先生 : そうだね。
「私はこの本を読んだらその答えがわかった」
I read this book and found the answer in it
先生 :じゃあレッスン1で学んだことを活かして、今の文を英語にしてみよう。
こうき :どういうこと???
先生 :「私は花子にプレゼントをもらった」っていう内容をイラストをもとにして英語にするとどうなるんだったっけ?
こうき :「I got a present from Hanako.」になる。時制も完璧だよね?
あらた :当たり前のことができただけだからな。そんなにドヤ顔するとこじゃないわ。
先生 :じゃあこのイラストをもとにして「この本を読んだらその答えがわかった」っていう内容を英語にすると?
みき :わかった!「どっちもAがBから何か受け取った」いうことやから、おんなじ英語で表現できるやん。
先生 :じゃあ言ってみて。
みき :「I got the answer from this book.」で、私に本から答えが伝わってることを表現したらええってことやね。
先生 :よくできたね。
ゆり :そっか、「私が花子からプレゼントをゲットした」のと同じように、「私はこの本から答えをゲットした」って言えるってことか。
先生 :その通り。
「私は花子からプレゼントをもらった。」
I got a present from Hanako.
「私はこの本を読んだらその答えがわかった。」
I got the answer from this book.
こうき :こんなに簡単に言えちゃうんだな。
先生 :「I got a present from her.」みたいにBが人の文は言える人が多いんだけど、「I got the answer from this book.」みたいにBが物の文は言える人が少ないんだよ。
みき :「this book」を「Mr. Book」って考えたらわかりやすいんちゃう?
ゆり :どういうこと?
みき :「Mr. Suzukiにその答えを教えてもらった」いうのを「I got the answer from Mr. Suzuki.」言うのは結構簡単やん?
みき :せやから、「私は「Mr. Book」にその答えを教えてもらったって考えて、「I got the answer from Mr. Book」みたいに言える。英語は人も物もおんなじ扱いってことやね。
ゆり :「I got the answer from Mr. Book.」か。なるほど。めっちゃわかりやすい。
こうき :何でも「Mr.」が付いてるくらいの気持ちで発想すればいいってことか。さすがみきさん。大人の発想だね。
あらた :こうきとは大違いだな。
こうき :否めない…
先生 :それじゃあこのレッスンで学習したことを活かして、getを使って、次の3つの文を英語で言ってみよう。
Let’s Practice!
1. 私はイングランド滞在で大事な教訓を学んだ。
2. 私はあのラーメンを食べてエネルギーをもらった。
3.彼女はこの本を読んでライティングのスキルが身に付いた。
解答・解説
1. I got an important lesson from my stay in England
2. I got energy from that ramen.
3. She got her writing skills from this book.
AがBから何か得た場合には、Bが人の場合にも無生物の場合にも、「A gets something from B」で表現できる。
先生 :その他にもgetは色々なところで使えるんだ。次の文を英語にしてみよう。
1. 私たちは新しいコンピューターを購入した。
こうき:あ、わかった!「コンピューターを購入」とか難しく聞こえるけど、要は「コンピューターをゲット!」でいいってことね。だから「We get new computer.」になるってことだ!
あらた:2つも間違いがあるよ。勘弁してくれよ。
こうき:え?マジ?
みき :まず時制な。過去のことだから「got」にせな。
こうき:あ、そっか。またやっちゃった。
ゆり :あと「computer」って数えられる名詞じゃない?
こうき:あ、「a new computer」ってことか。
みき :複数買ったなら「new computers」になる。
先生 :お見事。もちろん書くときには「purchase 」 みたいな難しい単語も使っていけるようにしたいけど、会話だったらとりあえず「get」を使って言えてしまうことが多いんだ。
1. 私たちは新しいコンピューターを購入した。
We got new computers.
先生 :じゃあ次の文も同じ容量で英語にしてみようか。
2. 彼に新しい彼女ができた。
3. 私たちは新しい先生を採用した。
4. 彼女は髪を切った。
5. そのスマホには新しい機能が搭載されている。
6. 私は駅にマイクを迎えに行く。
あらた:2番は「He got a new girlfriend.」で済んじゃうね。
みき :3番は「We got a new teacher.」でええな。
ゆり :4番は「She got a haircut.」って言える。
あらた:5番なら「The smartphone got new functions. 」
こうき:さすがあらた君。やるねえ。
あらた:こんなの余裕だよ。
先生 :じゃあ6番は?
こうき: 「I get Mike at the station.」でいいってこと?
みき :おしい!これからのことやから「I WILL get Mike at the station.」にせな。
こうき:「I’ll get Mike at the station. 」未来形ってことか。
先生 :その通り。こんな感じで「get」はすごく便利な言葉なんだ。英語を読んだり聞いたりするときに、ネイティブがどんなふうに「get」を使っているのか普段から注目するようにすると、使いこなせるようになっていくよ。今日はここまでにしよう。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。こんな感じで最初は基礎的なものから始めていきますが、最終的にはエッセイが書けるところまでレベルアップしていきます。
僕のライティング本「ここで差がつく英文ライティングの技術ー英語はIではじめるな!」好評発売中です。英検準1級以上、TOEFL、IELTSなどでハイスコアを取得した方から役に立ったとTwitterなどで評価していただいています。是非手に取ってみてください。
日経新聞でも紹介されたスピーチ本の改訂版も好評発売中です!Kindle版もあります!
@suttakeでTwitterもやっています。フォローお願いします!
Youtubeチャンネルはこちらからどうぞ!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?