英語試験アウトプットの技術 3 「help」
Lesson 3でも前回同様に、通訳翻訳者のすったけ先生、あらた、こうき、ゆり、みきの5人がゼミ形式で色々な表現を学習していきます。Lesson 3までは無料で公開いたしますので是非お読みください!簡単なレッスンからスタートしますが、ゴールは英語で自己表現できるようになるだけでなく、四技能試験のスピーキング・ライティングできちんと点数が取れるようになることです。Lesson 3では「help」の使い方を学んでいきます。次のレッスン以降で無生物主語のSVOCを使いこなすようになるためのベースになりますのでしっかり身に付けておきましょう!
簡単に登場人物の紹介をしておきます。すったけ先生以外は架空の人物です。
すったけ先生
ノリの養殖を営む漁師の家系。イギリス留学後にサッカーのワールドカップや愛知万博などの国際イベントで通訳翻訳に従事。実用英語の世界で培った経験や技術を予備校で学生に還元するために日々奮闘中。
こうき(高校3年生)
国際教養系の大学進学を目指している。テニス三昧の生活で勉強がおろそかになっているところがある。おっちょこちょいだが潜在能力は高い。
あらた(高校3年生)
頭脳明晰で東大に現役合格できる学力の持ち主だが、ハーバード大学に進学したいという野望がある。ときどき自信過剰になってしまうことがあるのが玉にきず。
ゆり(大学2年生)
英語に磨きをかけて国際的な舞台で活躍したいという夢を持っている。海外の大学院に進学して国際機関で働くのが目標。
みき(外資系企業のOL)
英語は得意科目だったが、外国人や帰国子女の同僚が流暢に英語を話すのを目のあたりにしてコンプレックスを持つようになる。目標は海外でのMBA取得。
さあ授業を始めましょう!
先生 :「この本は私の役に立った」っていう内容を英語で言ってみよう。
ゆり :「This book was useful to me.」で大丈夫だと思う。
先生 :そうだね。問題ないよ。他には?
あらた :「useful」の代わりに「helpful」を使って、「This book was helpful to me」っていうこともできる。
先生 :そうだね。単語レベルで瞬間的に言い換えられるのもアウトプットで大事になってくるよ。
「この本は私の役に立った」
This book was useful to me.
This book was helpful to me.
みき :せやけど、どっちもBe動詞を使った単純なSVCの文で、おもろない。何か他の言い方ないんかな?
先生 :それじゃあ「helpful」っていう形容詞の代わりに、「help」っていう動詞を使って「この本は私の役に立った」っていう内容を英語で言ってみようか。
みき :あ、そういうことか。
あらた :俺もわかった。
こうき :二人とも頭の回転速すぎ。俺全然わかんないわ。
ゆり :うちはわかったかも。
こうき :マジで?俺だけ置いてけぼりだわ(汗)
先生 :じゃあ、「花子は私を助けてくれた」っていう内容を英語で言うと?
こうき :さすがにそれなら俺でも言えるわ。「Hanako help me.」だよね。
あらた :「Hanako HELPED me.」だろ。マジで気を付けろよ。何回目だよ。
こうき :Help me…
先生 :動詞(どうし)ようもないな(笑)
こうき :先生の英語はマネしても、ダジャレはマネしないようにしないと(笑)
「花子は私を助けてくれた」
Hanako helped me.
こうき :でも「花子は私を助けてくれた」っていうのと、「この本は私の役に立った」ていうのって、何か関係あるの?
みき :ありまくりやん。うちが前のレッスンで言うたこと覚えてへんの?
こうき :大阪だと「あめ」のことを「あめちゃん」って言う人がいるっていってたよね。面白いなって思ったよ。俺記憶力よくない?
あらた :どうでもいいことは覚えてんのな。
みき :どうでもええってことはないで。英語では生物も無生物も一緒やっていうことを例えるために言うたんやから。
ゆり :だから「花子ちゃん」と「本さん」は一緒だっていうことでしょ。
あらた :「Mr. Book」って考えるとわかりやすいっていうことだったよな。
先生 :じゃあ「help」を使って「この本は私の役に立った」っていう内容を英語で言うと?
こうき :「Mr. Book helped me.」って感じだから、「This book helped me.」になるってこと。動詞の時制もばっちりだよね。「本ちゃんが僕のことを助けてくれた」っていう感じね。
先生 :その通り。これでこうきも同士(どうし)になったな。
みき :先生、勘弁してください(笑)
「花子は私を助けてくれた」
Hanako helped me.
「この本は私の役に立った」
This book helped me.
こうき :ほんとに英語は人じゃないものでも普通に主語にするんだな。俺でもわかってきた気がするぞ。でもこれって何の役にたつの?
先生 :それは次のお楽しみということで、とりあえず次の文を「help」を使って英語で言ってみよう。
Let’s Practice!
1. イングランド滞在は私の役に立った。
2. あのラーメンが私を救ってくれた。
3.彼女はタイ語を知っていたので、バンコクで役立った。
解答
1. My stay in England helped me.
2. That ramen helped me.
3. Her knowledge of Thai helped her in Bangkok.
「help」は「役立つ」という意味で、無生物も主語にできる。
先生 :次は「花子は私が宿題するのを手伝ってくれた」っていう内容を英語で言ってみよう。
ゆり :「Hanako helped me with my homework.」でいいのかな。
あらた :「help A with B」で「AがBするのを手助けする」って意味になるからね。完璧。
先生 :そうだね。他には?
みき :「help~to V」で「~がVするのを手助けする」とか「~がVするのに役立つ」っていう意味になるから、使ってみよか。「to V」の「to」は省略できんねんで。
先生 :じゃあそれを使って「花子は私が宿題するのを手伝ってくれた」っていう内容を英語にすると?
ゆり :「Hanako helped me (to) do my homework.」になる。
先生 :その通り。
花子は私が宿題するのを手伝ってくれた。
Hanako helped me with my homework.
Hanako helped me (to) do my homework.
先生 :じゃあ「この本は私が宿題するのに役立った」っていう内容を英語で言うと?
こうき :俺それ言える気がする。「Mr. Bookが私が宿題するのを手伝ってくれた」って感じで言えばいいんだよね?
先生 :そうだね。
こうき :ってことは「Mr. Book helped me」で始まるってことだ。本さんが私のことを手伝ってくれたってことね。続きはどうなるんだったっけ?
みき :「help A with B」を使うんやったな。
こうき :そうすると「Mr. Book helped me with my homework.」になるってことか。
あらた :「help〜 (to) V」も使える。
ゆり :「This book helped me (to) do my homework.」になるってことね。
Mr. Book helped me with my homework.
Mr. Book helped me (to) do my homework.
先生 :「Hanako helped me (to) do my homework.」みたいな人を主語にする文は言える人が多い。でも「This book helped me (to) do my homework.」みたいな無生物を主語にする文は言えない人が多いんだ。
こうき :でも「Mr. Book」って考えちゃうと、俺みたいにちっと英語が苦手な人でもいいやすくなるかもしれないね。
先生 :とりあえず「何かが役に立つ」っていう内容を英語で言う場合には、「Something helps」で始めてみよう。
あらた :そうすると「OC」の部分に誰が何をするのに役立ったのか加えてあげればいいだけの話だからね。
先生 :そうだね。「help OC」みたいな「SVOC」がスムーズに使えるようになると、日本語に振り回されずにコンパクトに英語で表現できるようになる。
ゆり :例えば?
先生 :後で学習する「make OC」を使って、言いたい内容を端的に表現することにもつながっていくんだ。
こうき :難しそうだけど大丈夫かな。
先生 :「Mr. Book」っていう感覚を忘れない限り大丈夫だよ。その前に次の3つの文の内容をhelpを使って英語で言ってみよう。
Let’s Practice!
1. イングランド滞在のおかげで私は英語が上達した。
2. あのラーメンのおかげで私は人生が変わった。
3. この本のおかげで彼女はその答えがわかった。
解答
1. My stay in England helped me (to) brush up my English.
2. That ramen helped me (to) change my life.
3. This book helped her to get the answer.
Lessonのまとめ
「Sは~がVするのに役立つ」という内容は「無生物主語+help~(to) V」で表現できる。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。次回Lesson 4では「make」を扱っていきます!
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