スピードワゴンはクールに去るぜ
モヤさまがゴールデンでやっていた頃、細野晴臣の登場する回があった。街を彷徨うさまぁ〜ずがなんとなく立ち寄った定食屋に細野がおり、偶然コラボする形であった。
それから一緒に飯を食い、細野が古いピアノで少し演奏していた。このように記憶しているが、その放送で一番印象に残っているのは、その別れ際の、細野の後ろ姿である。
細野は別れの挨拶を一言残すと、そのままそそくさと路地に消えてしまった。振り返らず、足も止めずに、すんなりと退場してしまったのである。
かっこいいと思った。しかしそれでは味気なさすぎて、さまぁ〜ずが可哀想だとも思った。
細野の人となり、またカルチャーを考えれば、これがいかにもキマっていて格好良い。しかし当時の、子供な僕からしたら、それでは不義理でひどいという感じも受けたのである。
しかし今考えるに、またこれまでの浅い経験から割り出すに、人との別れはあっさりしていた方が良い。
例えば駅前で人と別れる場面、私はもう改札へ入ろうとしている。しかし名残惜しくもあるのか、つい5分ほどそこでダラダラと立ち話をしてしまう。そんなシーンは無様である。
飲み会は終わったものの、なかなか帰る雰囲気にならず、なんとなくみんなで立ち話をしている。こんなとき、私は立ち去りたい気持ちでいっぱいになる。別れ際ちょっとムキになる。
このようにモジモジするくらいならば、きっぱりと「じゃあね」と言って別れた方がカッコいい。またいつか会うのならば、別れを渋る必要がどこにあるのだろうか。
スピードワゴンはクールに去るぜ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ
私は、颯爽と立ち去る後ろ姿が好きである。
もちろん、これは全く各人の性格によるもので、あっさり別れるのは嫌だという人もいるに違いない。5分10分の立ち話が心地良いという人もいるだろう。だからこれは(例によって)全く私の日記であり、私の脳みその独り言の捌け口であるから、気を悪くなさらないで欲しい。なんだかそっけないと思われがちな人の意見と、その本懐をここに述べたまでである。
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