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セミイコンタとパール IIIが同時にきた!

もうカメラを増やすことはないと思っていたのに増えてしまった。それも2台も。

いや違う。これに深い事情がある。





さて書くか。


家にやってきた2台の蛇腹カメラ

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今回増えたのは折り畳み式のカメラ2台。もう見るからに古いです。蛇腹によって折り畳めることから、蛇腹カメラなどと呼ばれます。


きっかけは仲間内でのちょっとしたブームでした。

フィルムカメラ好きの友人が蛇腹カメラを購入。嬉々として使う彼の様子はグループDMを通じて広がり、それを見た別の友人が手持ちの蛇腹カメラで遊び始め......それがいつの間にか「ワタナベさんもどう?」という流れに。

でも最初は遠慮してたんです。蛇腹カメラって撮りにくそうだし、台数を増やしても使えるカメラは限られてるし。

だから「いいですね」なんて言いながらも頭は冷静で、自分が買うことはないだろうと思っていたんです。


が、肝心のグループ内の蛇腹熱はなかなか冷めず。いやむしろ、その熱は時間が経つごとに盛り上がるような状態でした。

それがいよいよ沸点を迎えたころだったろうか。グループに思いも寄らない言葉が書き込まれた。

「もうウチにあるのを送るんで使ってください」


なん...だと...?


そこまで言われたら断れない。そして断る理由もない。ありがたく使わせていただく運びとなりました。


...どう?買ってないからノーカウントですよね?



ZEISS IKON セミイコンタ

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今回やってきたカメラ、1台目はこれ。ドイツはツァイス・イコンのセミイコンタ。ブローニーフィルムを使う6×4.5判のカメラです。

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レンズはNovar-Anastigmat 75mm F4.5。

聞いた話ではこのイコンタシリーズ、レンズやシャッターユニットを購入時に選べたらしく、バリエーションは無数に存在するという。

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見た目は二眼レフ以上にクラシカル。いろいろな数字が刻まれたレンズ周辺は男心をくすぐる。

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ファインダーは画像左側にあるボタンを押すと跳ね上がる。そのギミックが楽しい。


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ボディ背面にある赤い窓がカウンター代わり。撮影中はここを見ながらフィルムを巻き上げていきます。


このセミイコンタ、見た目のわりに軽いです。精密機器のつもりで持ち上げると「あれっ?」と、肩透かしをくらうような感覚になります。

軽さの理由は機構のシンプルさゆえで、前述の赤窓式巻き上げだったり距離計がなかったりと、非常に簡素な仕組みになっています。

だから、中判らしいボケを生かしたポートレートを、というよりも絞ってスナップを撮るくらいが合うカメラじゃないでしょうか。



小西六(コニカ) Pearl III

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先ほどのセミイコンタが蛇腹カメラの始祖ならこちらはかなり先進的。1955年発売、小西六(コニカ) パール IIIです。

こちらも6×4.5判という部分ではセミイコンタと共通。ですが、距離計も連動するし巻き止めも自動。蛇腹カメラとしては高機能に仕上がっています。

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レンズはHexar 75mm F3.5。やっぱりコニカのレンズといえばHexarですよね。この名称はのちの高級コンパクト konica HEXARにも通じていますよね。

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シャッタースピードも1/500まで。セミイコンタと比べるととても実用的な仕様になっています。

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その分ボディは重く、ゴツめ。こちらは見た通りの重量感で、金属の塊を持っているんだという手応えがあります。

ケンコー・トキナーのページにはコニカ商品の歩みがまとめられていて、このパールシリーズの紹介もされています。興味のある方はぜひ。



ポケットに入る中判カメラ

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これらの蛇腹カメラの最大の特徴は、中判カメラとしては異質のコンパクトさ。コートのポケットやサコッシュで6×4.5判を持ち歩けるのは非常に魅力的です。

せっかく送ってもらったからには使います。大事にします。

まず使うならパールでしょうか。便利な方から撮っていって、蛇腹カメラの扱いに慣れていくのが良さそうだなと思っています。


それにしてもカメラの界隈の沼は深い。その良さを伝えて火を付ける人もいれば、こんなふうに先に送ってから引きずり込む人もいる。沼は向こうからやってくるのだ。あぁ、これで蛇腹にハマったらどうしてくれるのよ。

それに6×4.5判とはいえブローニー。財布が心配である。

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