残効の明かり。

私たちは
現象が変化なく継続すると
次第に見えなくなる。

背景との同化。

背景と同化した現象が
突然、消失すると
途端にその現象が立ち現れる。

これを残効と呼ぶ。

私たちが時々見る
あの現象は、
現象の消失時に発生した
残効の明かりなのかもしれない。

消失により生じる


解説

私たちは日常生活の中で、何気なく現れるさまざまな現象に囲まれています。しかし、同じ現象が継続的に現れると、私たちはそれに慣れてしまい、次第に目に見えなくなってしまうことがあります。これは背景との同化と呼ばれる現象であり、私たちの認識の特徴の一つです。

しかし、同化した現象が突然消失すると、その逆に私たちの目に鮮明に映ります。これを「残効」と呼びます。残効とは、一時的な刺激や影響が消えた後も、その影響がしばらくの間残る現象を指します。たとえば、夜にカメラのフラッシュを使用した後に目を閉じると、しばらく目に明るいイメージが残ることがあります。これも残効の一例です。

日本の心理学者、福武秀夫は、「心理学の基礎」において、この残効の効果について研究を行いました。彼は、残効が私たちの知覚に及ぼす影響を明らかにし、これがなぜ起こるのかを解明しようと試みました。

私たちが時々見るあの現象は、実はその消失時に発生した残効の明かりによるものかもしれません。背景から際立つような明るさや鮮やかさで私たちの視界に浮かび上がる現象は、その残効の明かりによって引き起こされているかもしれません。

私たちの認知は、見えるものだけでなく、見えない要素にも大きく影響されています。残効という現象は、私たちが日常的に経験する心理現象の一つであり、その理解は私たちの認識の奥深さを探求する上で重要な要素となるでしょう。

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