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アンバランス

どうも、薄焼きみこです。
京都市北区にある占いの館で占い師やってます。

うちによく来る女の子、28歳の婚活中の彼女の話でも聞いてくださいな。

何だかすっかり懐かれちゃって営業前に「喋りに来たー!」なんて言うのよね。

あの子を見てると若い頃の自分と被るって言うの?ほっとけないのよ。

だから熱々のチャイを出して、喋ってたわけ。


なんで男と女ってこう、アンバランスな関係に落ちていくのかしらと笑っちゃって。


何年経っても「3年待って」を繰り返す、"3年待って男"君の話を聞かせてくれたけど、
好きあってるはずなのに、お互いが本心を言えないまま消耗しきってお別れしてるのよね。

今だから分かる事、と言ってしまえばそれまでだけど、いざその時が来たら自分の本音が分からなくなるもの。

ちょっとした違和感の原因を探って
怒りの感情の原因を探る
出てくるのは大体が小さな寂しさ
それを見つけたら
どうしていたらその寂しさを感じなかったか?
それを相手に出来るだけシンプルに伝える。

そうすると
言葉にできないまま拗ねてツンケンしたり、

「なんで?!なんであなたは〇〇なの?!」という怒りの言葉ではなく

「私は〇〇して貰えると嬉しい」
そんな言葉が出てくるようになる。

具体的にして欲しい事を相手に伝える。
それも、主語は「私」だ。

そして私の目的は「伝える」のみだ。

相手の返事は相手が決めるもの。
さて、どんな返事をくれるのかしらと実験結果を眺めておく。

そこに欲しい答えを載せてしまうと又、違和感の始まりだ。


どちらか一方が心を開いて本音を言ったとしても、受け取り手が拒否してしまうと関係はアンバランスなままだ。

それでも、本音を伝え続ける。



ねぇ、あの子の話を聞いてこんな事を考えてたらふと昔の記憶が蘇った。

"雨男"と呼んでいた、一緒に住んでいた人の事を。

あの時私は本音を言って、そして"雨男"はそれをキャッチしてくれていたのだろうか。

あの彼も今はいいおじさんになってるだろう。

もう会う事は無いだろう。
私は今違う物語を生きている。


かわるがわる展3 短編集
2020.06.13【アンバランス】より

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