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〈赤い電車で、うみべのえほんやに行く〉

三浦半島には京浜急行という赤い電車が走っていて、品川駅を出発点にして海に連れて行ってくれます。

父が勤めていた印刷会社の保養所が三浦海岸にあったからだと思うけど、小学生の頃、夏休みに家族そろって三浦海岸に海水浴に行ったことがありました。

少しごちゃごちゃとした街の風景から始まり、徐々に青い空と郊外の住宅街へと移り変わっていく赤い電車の車窓。靴を脱いで下に揃え、座席に膝をつき、窓ガラスにぺったりと顔をくっつけていたぼくは、飽きることなく車窓の外の景色を眺めていました。

津久井浜駅あたりから、パッと三浦海岸の海水浴場の風景が見えてきて、いやがおうにも当時の少年Aの心が踊ったことを思い出します。

そんな津久井浜駅に、うみべのえほんや ツバメ号はあります。
ツバメ号ってちょっと変わった名前。
気になる人はちょっとのぞいてみてください。
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うみべのえほんや ツバメ号

ぼくたちが結婚して、初めて持家を購入した街は横浜の先、横須賀。
赤い電車、京浜急行線の安針塚という各駅停車の小さな駅。
埼玉県の大宮という街で生まれ育ったぼくと、東京都の東久留米という街で育った専務。
海とは無縁だった二人だったから、それぞれが海の近くに住むことへの憧れをふつふつと溜めていたのかもしれません。

安針塚という街はなにもない街だったけど(失礼)、横須賀に住むことになんの迷いもありませんでした。

その頃は30代。
仕事に対してとにかく貪欲な毎日を過ごしていて、なにもないけど海だけは近くにあって、空と空気が綺麗な街が、心のバランスをとってくれていたのかもしれません。

今はまた都心の暮らしに戻ってしまったけど、その頃に出会った横須賀の友だちやお知り合いの人たちは、今でも心豊かに付き合っていただいている大切な宝物。

うみべのえほんや ツバメ号も、ぼくたちにとって大切な場所のひとつ。

うみべのえほんや ツバメ号 21年10月10日1627-2

うみべのえほんや ツバメ号 21年10月10日1627

看板に描かれているように、BOOK、CAFE、Galleryのお店。
このお店のことは以前にもnoteに書いたような気がするけど、緊急事態宣言が解除されたので久しぶりにお伺いしました。

1階は絵本カフェ。オーナーの伊東さんがセレクトした絵本や、横須賀にゆかりのある作家さんたちの書籍、手作りスイーツが美味しいカフェ。
2階は絵本作家の方たちの原画展やワークショップ、トークイベントなどが開かれるギャラリー。

お店の企画から内装まですべて、オーナーの伊東さんが一から考えた手作り。やりたかった夢を実現した場所。

最初の出会いは、甥っ子が絵本屋さんを開業するというので、いろいろと参考になる本屋さんを見て歩いた時にたどり着いた、横須賀市ではここだけの「絵本カフェ」として。
今では、伊東さんの想いがつまった暖かな日差しにあふれた空間と、美味しいスイーツをいただくために訪れる「癒しの場所」として。

個性豊かで吟味された絵本、おいしいスイーツと珈琲、滅多に見れない絵本の原画展示、同じ時間を過ごす人たちで弾む心地よい距離感を保った会話。

お店を訪れる目的は人、それぞれ。
絵本が好きな専務も、スイーツ目当てのぼくも、どちらかが行きたくなった時に行く場所。

夏を諦めきれない秋の津久井浜に、伊東さんお手製のモンブランをいただきに行きました。

うみべのえほんや ツバメ号 21年10月10日1620

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〈モンブランと自家製ジンジャーエール〉

2階のギャラリーでは松田奈那子さんの原画展が開催中。

うみべのえほんや ツバメ号 21年10月10日1610

印刷された絵本とは一味違う原画の世界。
ご本人松田奈那子さんも在廊されていて、楽しい時間を過ごしました。

うみべのえほんや ツバメ号 21年10月10日1609

うみべのえほんや ツバメ号 21年10月10日1609-2

ツバメ号21年10月10日1607

それにしても、素敵な空間に、鮮やかな原画。
キャラクターの細部、一人一人に命が吹き込められていることに気づくと、全ての世界がリアルに見えてきました。

うみべのえほんや ツバメ号 21年10月10日1617

嬉しくなってサイン本を購入。
松田さん、素敵な絵本、ありがとう。

日常はセレンディピティ。
では、また。

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※ お店、絵本の写真は許可をいただいて撮影しています。



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