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【小説】本丸臨時会議議事録〜対大侵寇防人作戦参加中そのニ〜

※限りなくうちの本丸に近い某本丸の会議です。
※その一はないです

参加者 審神者、加州清光、秋田藤四郎、小竜景光、明石国行、髭切、膝丸、和泉守兼定、堀川国広、陸奥守吉行、水心子正秀、一文字則宗、大般若長光

小竜「戦術部から状況報告を」
堀川「はい、3月29日19時に始まった『大侵寇』は翌30日2時50分に全ての戦線で有利となりました。当本丸も中央〜最終防衛ラインで戦闘しましたが、政府の作戦フィールド内のため刀剣、刀装ともに被害なしです」
和泉守「なんで引き続き、うちの本丸は1日400〜500体討伐を目標に戦闘を続ける予定だ。20〜30戦ってとこか」
水心子「どうなることかと思ったが、どの戦線もその日のうちには有利を取っていたな。素晴らしい働きの本丸もあるものだ」
陸奥守「ほんに、特に最初っから最前線に突っ込んでった御仁らぁがすごかったにゃあ。あらかたあの人らぁが狩り尽くしとったじゃろう」
主「頼もしいことですね」

「…………」

(沈黙が続く)

小竜「では戦況も落ち着いているということで、三日月宗近の処遇なんだが、正直に言うと主と近侍だけでは決めかねているので皆の意見を聞きたい」

「…………」

(沈黙が続く)

髭切「折っちゃえばいいんじゃない?だってあれだけ散々主が勝手に動くな報告しろ相談しろ連絡しろって言ってたのにそれを守らなかったってことだろう?これは主に従う気がないってことだ」
和泉守「そうだ!法度を守らねえやつは切腹だ!」
膝丸「兄者の言うとおりだ」
堀川「兼さんの言う通りですよ」
明石「源氏兄弟と土方組がキレると手に負えませんやん」
小竜「まぁまぁ、彼にも話せない事情があったんだろうし、この本丸を守ってくれたのは事実だ。彼がいなければおそらく作戦フィールドに入れず、直接の戦闘になっただろうから被害は甚大だったはずだ」
髭切「でもそれなら『話せないことがある、ごめんなさい。でも自分の指示に従ってほしい』って言うべきだろう?小竜も明石も話せない事情がある時はそう言っているよ」
小竜「……」
髭切「いちいち報告しなくていいんだったら僕だって勝手に動くよ?」
膝丸「兄者、それはさすがに恫喝だ。主に不敬だぞ」
和泉守「いーや膝丸、髭切の言う通りだぜ。三日月の行いを許すってことは他の者にもそれを許すってことだ。組織が崩壊しちまう」
陸奥守「みぃんな好き勝手にサービス残業するんじゃな」
則宗「休日出勤もな」
陸奥守「主のためじゃ、本丸のためじゃ、世の中のためじゃ言うてな」
水心子「陸奥守、則宗、茶化しすぎでは」
明石「あきませんあきません!みんなでバラバラにサービス残業!?あきませんよ!そんなことになったら自分ももっと働かないけなくなるでしょう!?……ほんまに三日月はん、お給料分だけ働くって言うとったじゃないですか……」
加州「あー、明石が泣いちゃった。そこのジジイと陸奥守は責任とって慰めてねー」
(一文字則宗と陸奥守吉行が明石国行の隣に行って慰める)

「……」

(再びの沈黙)

大般若「俺からいいかな」
小竜「どうぞ」
大般若「ボーナスをあげよう」
小竜「はあ?」
大般若「三日月宗近は確かに本丸を守った。それは確かだ。だからボーナスをどかんとあげるべきだ。それを使い切るまでは、のんびり過ごしていてもらおう。彼の本体はそうだな、功労者の偉業をたたえて執務室の床の間に飾るっていうのはどうだ?」
水心子「ふむ、本体封印の上に本丸内で謹慎というわけか」
秋田「胸が痛みますが妥当な処分ではないでしょうか!」
大般若「俺の建前を直訳しないでくれないかなぁ……」
(小竜景光、皆を見回す)
小竜「では、そういうことでいいかな。主」
主「はい、ありがとうございます。あとは三日月さんの無事を願うばかりですね」

「……」

秋田「三日月さんが帰ってきたら、お世話係の粟田口で着物にお守りとGPS縫い付けておきますね!」小竜「頼むね秋田藤四郎、では会議は終了だよ」


おしまい。


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