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表情から混乱が読めない長男。

我が家の長男(年長)は発達のグレーゾーン。
一見言われないとわからない、気付かない、言われても気付かないけど、傾向を持っている子。
私が保健師さんに何度も相談して、検査をしてもらって詳細がわかったような微妙さ。

新版K式発達検査で、すべての項目が108と綺麗に揃ったのにも関わらず、
検査用紙のグラフ?は線があちこちに飛んでいた。
そのぐちゃぐちゃの状況からキレイに数字上ではすべてを並べてしまうなんて、何ともあっぱれ!

108と言うのは平均的な発達の範囲に入り、平均的の中では少し高い、となる。
この時の発達年齢は4歳9ヶ月相応と出た。
そのため、非常に分かりづらい。

長男はわかりやすいパニックや癇癪を起こすこともない。
一斉指示もすんなりと入り、集団行動も取れる。
家では勝手気ままだが、幼稚園ではしっかりと動いているらしい。

幼稚園での様子を聞いていると、私の勘違いだったんだろうか・・・。と思いたくなる。
幼稚園では長男のパニック時の行動が見られないと言われるが、その報告の横でパニック行動を起こしていたりして
一体どう言うことなのか、何なのか私もわからなくなる。

長男の場合、幼稚園では先生の言う事を聞く!と思っているようで、驚くほど指示が通る。

単純な指示の理解は抜群でそれに関する行動はできるが、
そうではない、答えのはっきりしない、様々なパターンのある「人とのやり取り」に支援を要するようだ。
年中の歳頃になると、大分社会性が発達してきて相手にも気持ちがある事、自分がやった事で相手がどうなったか
という事に気付きだすようだが、そこが弱い・・・と言うか、長男にはまだ理解が難しい。

ここが長男の凸凹の一番の開きなのだ。
その指示に「集中することが出来た時」しっかり返せるので、高く評価されがちだが
社会性の面が弱いので、「あんなにできるのに、長男ちゃんどうしたの!?」と思われやすいのだそうだ。

社会性に関しては0歳児の頃から傾向があった。
赤ちゃんの頃は、まず人を見ない。
抱っこした人のことも、周りで覗き込んでいる人のことも見ない。
エアコンや壁に映る影をずーっと見ている子で、笑顔に対して笑顔を返すこともなかった。

もちろん人見知りはせず、預けられても「?」
私が迎えに行っても「?」
下の子を妊娠しても出産しても赤ちゃん返りは特になかった。
1歳半頃まで、見ず知らずの人の膝にちょこんと座りに行くような、そんな子だった。

そんな赤ちゃんだった長男は、いつでもニコニコしている少年に育った。
幼稚園の先生方から、いつもニコニコしています。とよく教えてもらうほどだ。

しかし、ニコニコしながら問題行動を起こすし、ふと白目でくるくると回ったりする。
表情は変わらないがソワソワと落ち着きがなくなり、高いところへ行きたがったり、
ぴょんぴょん飛び跳ねたりしたがる。
それを私は「あ、今何かあるな」と気付くが、幼稚園の先生方は気付かない。
むしろ「ちゃんとして!」と叱られたりしている。

でも、これで長男が混乱状態だとわかるとしたら、それはそれですごいと思うのも確かなのだ。

長男はつい1年半ほど前まで、ギューのスキンシップを嫌がる子だった。
ギューしようとするとじたばたと逃げ出す。
それを、「胸と胸を合わせてギューするのは安心安心」と何度も教えたところ、
現在は「安心のギュー」で不安を落ち着かせる方法の一つになった。

それまでギューが嫌だったのに、実は思いっきり「ギュッ」とした方が実は安心ということも判明した。
包まれるような感じが落ち着くらしい。
そう言えば寝る時、暑がりなのにタオルケットなどに包まれてよく寝ている。

不安な時ほど強い「ギュッ」をすると、気が済めばサッと去っていく。
用事が済んだとばかりにあっさりと去っていく辺りが、特徴なのかもしれない。

抱っこの抱きつき方も、なんだかしっくりと来ない。
抱っこ大好きだっこの達人な次男の、あのフィット感は長男にはない。
そう言えば、だっこの仕方も私が教えたような気もする・・・。
長男にはだっこという概念が存在しなかったようだ。

これも社会性の遅れなのか、様々な感情が5歳前後に一気に出てきた。
悲しい、悔しい、甘え泣きなどだ。
いつもニコニコしているのは、複雑な感情を処理し切れていないせいなのかもしれない。

時々、お友達とトラブルになったりした時も、お友達の気持ちがわからなくて
困った顔で泣きそうなっているという話も聞いた。
長男は本当に本当に、わからないのかもしれない。

そうして幼稚園で頑張って帰宅すると、緊張が解けておかしさが爆発する。
不機嫌になるのは、わかりやすい部類に入る。

長男の混乱状態は、1番分かりやすいのはくるくる回っていること。
次に黒目を斜め上にギュッと上げること。

この行動は、目からの刺激を入れることて気持ちを落ち着かせているものだそうだ。
子どもは誰でも、自分の未発達な足りない刺激を自分で補充して発達させていくらしく、
足りない刺激と言うのは少し落ち着かないのだそうだ。

長男はどちらかと言うと、感覚は鈍麻な傾向があって、回る刺激などは鈍いんだと思う。
揺れる刺激も落ち着くようで、椅子をガタガタとさせた方が集中できると幼稚園の先生は言う。
落ち着きたいと思うほど、ガタガタさせてしまうタイプのようだ。

高いところも大好きで、幼稚園で「あ、今おかしいぞ」と言う時は、靴箱に上りたがる。
しかも笑顔で繰り返し上るもんだから、見ている方は段々怒ってくる。

自転車も落ち着くための必須アイテムだ。
自転車でビューンと走ると、嫌な気持ちが吹っ飛んでいくと教えてもらった。
揺れる時も、ユラユラしながら嫌な気持ちが吹っ飛んでいく。
回っている時も、遠心力で?吹っ飛んでいく。

あれもこれも、それはそれは楽しそうな顔で行われるのである。
後で聞くと、嫌な気持ちを吹っ飛ばす行動だったりするもんだから、わかりづらいなあとため息が出てしまうのだ。

長男が苦手とするものは、
慣れない場所、
いつもの場所が模様替えされているなどの変化、
これからやる事に対する説明不足による不安、
かな?

私以外の人に対しては、従順な態度でやり過ごし、
私がいるととにかくソワソワと落ち着きをなくす。
この、私以外の人への態度が違うので、それはそれは気付かない。

いつか、外でも長男が自分の困り事を表出できるようになったら良いけれど、
まずは、長男が密かに静かに困っている事を身近な人に知って貰えるように、
私がまずは彼のことをよく知りたいと思う。

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