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コスメで叶えるサステナビリティ。「クリーン・ビューティ」とは?

欧米を中心に拡大し、日本でもよく耳にするようになった「クリーン・ビューティー」という言葉。「SDGs」や「エシカル消費」が浸透しつつある中、「クリーン・ビューティー」は、今後の美容トレンドを語る上でも外せないキーワードの一つとなってきました。2020年はコロナウイルスの影響もあってか、より慎重に自分の肌に触れるものに向き合う人も増えているようで、今後、さらなる加速が予想されています。

クリーン・ビューティとは?

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最近、特によく耳にするようになった「クリーン・ビューティ」という言葉。なんとなく肌や環境に優しそうなイメージはあるけれど、一体何なのかよくわからないという方もいらっしゃると思います。実は、クリーン・ビューティの定義は明確にはなく、オーガニックコスメのように認証なども存在しません。ですので、企業やブランドによって基準もそれぞれ違うのが特徴です。
コスメコンシェルでわかりやすくまとめられていたので、このブログではコスメコンシェルの定義を参考にしたいと思います。

クリーンビューティとは:
健康や環境に悪影響がないという考えの化粧品や美容製品のこと。それぞれがのブランドや企業が独自でクリーンビューティに対する考え方を明文化し、行動基準を定めています。それぞれ違いはありますが「化粧品が人や動物、環境に害があるものではいけない」という考えた方は共通しており、次のような要素を満たしています。
●健康に害のある成分を使用しない
●動物に配慮し動物実験をしない(クルエルティーフリー)
●環境に配慮する
●公正で透明性のある取引や情報提供を行う
(出典:コスメコンシェル https://www.cosmeconcier.jp/w/2003

簡単にいうと、人や動物、環境、みんなに優しいコスメのことです。

クリーン・ビューティの歴史

ワシントンポストによると、もともと化粧品に対する「クリーン」という用語は1970年代にCoverGirlの「クリーンメイク」キャンペーンで登場したと言われています。→実際の広告
このキャンペーンでは、最小限のナチュラルなメイクでスタイリングされたモデルが取り上げられ、そのことをクリーンメイクと表現しています。

そして一気に早送りし、2000年代になると、イギリスやアメリカを中心にクリーン・ビューティの考え方や、それを製品に反映させたブランドが生まれていきました。2000年には有害とされる成分を排除したイギリスのコスメRen Clean Skincareが誕生。Renとはスウェーデンの言葉でクリーンという意味だそうです。元々創業者の妻が妊娠中に、従来の化粧品によって炎症を起こしてしまったことで開発されたそうです。従来、消費者は成分表示を見て、安全か、余計なものは入っていないかを自分で見極めるしかありませんでした。現在もそれが一般的ですが、Ren Clean Skincare はそもそも健康を害すると言われる成分は使われていないので、安心して使用することができます。その後、様々なクリーン・ビューティコスメが世に出てきましたが、大きく広まるということはありませんでした。
しかし、人々の考え方も変わり少しづつ注目を集めるようになると同時に、2010年にLA発のThe Detox Market 、2015年にはサンフランシスコ発のCredo beautyなど、独自の基準を持ったクリーン・ビューティコスメのセレクトショップが誕生し、店舗数を増やしていきました。

出典:
・Allure https://www.allure.com/ 
・The Washington Post https://www.washingtonpost.com/lifestyle/wellness/clean-beauty-has-taken-over-the-cosmetics-industry-but-thats-about-all-anyone-agrees-on/2020/03/09/2ecfe10e-59b3-11ea-ab68-101ecfec2532_story.html
・コスメコンシェル https://www.cosmeconcier.jp/w/2003

世界のクリーン・ビューティ市場

クリーン・ビューティーの世界の売上は、2020年では5億4,396万米ドルと推定。2027年には115億米ドルに達し、2020年から2027年で12.07%のCAGR(年平均成長率)と予測されています。

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出典:https://brandessenceresearch.com/consumer-goods/clean-beauty-market-size

クリーン・ビューティは幅広い年代で広がりをみせている美容トレンドですが、「サステイナビリティ」や「ナチュラルビューティ」に対する興味関心が高い、ミレニアル世代やジェネレーションZ世代に支持されている傾向があります。AlixPartnersが実施した2019年の市場調査では、人口統計の中で、18〜34歳のミレニアルやZ世代が特にオーガニックおよびナチュラルビューティー製品に最も関心を持っていることがわかりました。このグループは、エシカルで環境基準に従って調達された製品を望んでいることが、この調査結果からもわかります。

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出典:https://www.alixpartners.com/insights-impact/insights/millennials-preferences-beauty-personal-care-products/https://cleanbeautygals.com/top-45-clean-beauty-statistics-and-trends/

アメリカにおけるクリーン・ビューティ

アメリカでは、クリーン・ビューティ特化型のCredo Beautyなどのリテーラーだけでなくセフォラウルタ・ビューティなどの大手チェーンも独自の基準を定めるようになりました。セフォラでは2018年6月からClean at Sephora というクリーンビューティに特化したセクションを用意しており、有害とされる成分をリスト化(パラベン、硫酸塩、フタル酸エステルなど)、それらを配合していない製品を選び、準拠する商品には「Clean at Sephora」マークを与え販売しています。当初、13個でスタートした有害成分リストは、19年には50以上に増えています。

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まとめ

世界的にもサステナビリティに対する意識の高まりや、クリーン・ビューティのトレンドを見ると、消費者がこれまで以上に企業の倫理観や姿勢に目を向けて購買活動をしていることがよくわかります。オンデマンドのメンタルヘルスケアを提供するGingerの調査結果によると、特にコロナにより労働者の7割近くがこれまでで最もストレスを感じていると出ています。そんな中でライフスタイルを見直したりした方も多いのではないでしょうか?私自身は子どもが生まれ、そして更にこの1年は家にいる時間が増えたことで、より生活を見直すようになりました。本当に大切なもの、大事なものだけを見極めるようになり、モノの断捨離、口にするものはなるべく添加物が入っていないもの、オーガニックなもの、肌に付けるものは万が一子どもの口に入っても害が少ないものを選ぶようになりました。このように、ライフスタイルの見直しが、サステナビリティやクリーン・ビューティを後押ししているのかもしれません。

当てはまるSDGsは?

クリーンビューティの製品は、以下のような特徴があります。
健康に害のある成分を使用しない
●動物に配慮し動物実験をしない
●環境に配慮する
●公正で透明性のある取引や情報提供を行う
(出典:コスメコンシェル https://www.cosmeconcier.jp/w/2003)

以上の理由より、SDGsの目標の以下2つに当てはまると思っています。
3:すべての人に健康と福祉を
12: つくる責任、つかう責任

買い物は投票と同じだと考えています。少しでも社会や環境、そして自分の健康の為にもお気に入りのクリーンビューティ・コスメを見つけてみませんか?

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出典

https://www.washingtonpost.com/lifestyle/wellness/clean-beauty-has-taken-over-the-cosmetics-industry-but-thats-about-all-anyone-agrees-on/2020/03/09/2ecfe10e-59b3-11ea-ab68-101ecfec2532_story.html

https://www.allure.com/story/history-of-clean-beauty

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