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社会と会社にもやもやしていた私が、教育分野へ?!

Sustainable Innovation Lab.(SIL)は、持続可能な価値を創造し、それを社会に実装し、変革へとつなげていくための学びと共創のプラットフォーム(場)です。 この場には様々な課題、思いを抱く人たちが集い、プロジェクトを組成し、互いを観察し、学び合いながら前進しています。こちらの記事では、SILに関わりプロジェクトを回している具体的な人たちをご紹介します。

今回、ご登場いただくのは、宮崎彩さん。彼女は、大手自動車メーカーで、入社以来、生産技術職として働いていました。会社の外の世界を見て勉強したいという思いから、会社に籍を置きながら、別の組織で経験を積む「留職制度」を活用して、出向という形でSILに参画し、主に新しい教育のカタチを探るプロジェクトメンバーとなりました。宮崎さんは、小中学校で何度も転校する中で「習っていない分野」に直面したり、論理と数字でクルマを大量生産する技術を開発したりと、踏ん張ってきた中でも社会と会社にもやもやしていたそうです。SILに参画することで知識と経験がリセットされ、視野がどんどん変わり、広がっているという宮崎さんは、SILにどういう関わり方をしているのか、詳しく教えてもらいました。

「SILは色んな人が集まる場なので、出向元と丁寧に協議を重ねて参加できたんですけど、一応、面接はありました」と、宮崎さんが語り始めました。共同代表の白井さん、林さんから「課題」「やりたいこと」を問われたときに、小学校で3回、中学校で2回の転校した自身の経験から「人が集まり、交流する場として学校をもっと活用できると思う」と答えたそうです。

というのも、生産技術職として働く中で、「ビジネスに必要な力を養うのに、本当に大学までの教育が必要なのか?」と感じ、「社会人に必要な視点・スキルは、いわゆる通常の教育では賄いきれないのでは?」と考えていたからです。学校という物理的な場所をいかして、これまでとは違う教育の仕組みを創って、子どもたちが社会につながる学びを蓄積し、社会に出てからも学び続ければ、社会が変わると思ったそうです。

SIL全体会議で登壇する、共同代表の白井さん(左側)、林さん(右側)

では、宮崎さんは今、どんなことに取り組んでいるのでしょうか?「面接でやり取りした通り、教育分野で活動しています」と彼女は答えます。そのまま続けて、「教育にとても大きな熱意を注ぐ白井さんとの議論や、教育実践の場である尾鷲(三重県)に移住し、そこでの体験で自分の視野が広がり、変わっていっています」といきいきと教えてくれました。白井さんは、日本で最初の公設民営のフリースクールを設立し、その他にも多くのNPOが加盟する新公益連盟の代表も務めています。

具体的には「Network School」という構想の立ち上げ。そこでは「個々の特性を伸ばし、すべての世代が学び続ける」ことができる教育の仕組みを創り、それを各地に広げていこうとしています。そこでの特徴とは、「学校と社会が分断されず一体化している」「教える人、教えられる人が固定されず多様である」「すべての人が教育資源にアクセスできる」「自然との共生の仕方を、体感で学べる」というものです。(詳細はこちらのホワイトペーパー参照

画像をクリックすると、Network Schoolの詳細を確認できます

宮崎さんに、「SILに参画して、今どういう気持ちですか?」と尋ねたところ、「想像を越えすぎている(笑)。でも、想像を越えていないと、やる意味がない。これから、白井さんが唸るようなプランを一つでも出したい!」と前のめりな声が返ってきました。彼女がこう答えるのには、ちゃんと理由があります。

これまで、宮崎さんはSILのような場をまったく知らず、自分が勤める会社のことしか知りませんでした。当然ながら、尾鷲などの地域で暮らすことは人生の選択肢にありません。実際、尾鷲で暮らし、働く中で「知らないことが多すぎる」と感じています。

たとえば、尾鷲の体験学習のリサーチでカヤックに乗ったときのことです。自然循環を肌で感じられる「魚付森」という場所に到達し、トンビが空を旋回しているのを見て、木の実や葉が微生物に分解され、それを食べる虫、虫を食べる魚、魚を食べる鳥というネットワークを初めて目の当たりにしました。「教科書に書かれている自然循環を体感しよう」という時間や気持ちが尾鷲に来るまではなかったな、と思ったそうです。言い換えれば、そういう気持ちと意志があれば、社会にとって意味あることを考え、普通のビジネスパーソンとは違う存在になれるということかもしれません。

最後に、「どういう人にSILに来てほしいですか?」と尋ねました。宮崎さんは、「どんな背景を持っていても大歓迎です。だって、教育には多様な観点が必要で、色んな人の意見を組み合わせられるからです。みなさんの意見を吸収して、プロジェクトに反映したい!」と、きりっとした目線で答えてくれました。

もしかしたら、あなたがSILに参画すれば、ビジネスパーソン、学生としてのあり方、生き方が、宮崎さんのような人とのやり取りで相対化され、俯瞰して見られるかもしれません。少しでも関心があれば、SILの様子を覗けるDiscordに参加してみませんか?

LINE:https://lin.ee/zVpGeV0
DIscord:https://discord.gg/YNXP9DaqjZ

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