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【ふるさとインタビュー】#3地域と育てる甲賀木の駅プロジェクト

こんにちは。TaBiwa+Rの荒木です。今回のふるさとインタビューはTaBiwa+Rが滋賀県の「やまの健康」推進プロジェクトにおいて共に活動させていただいている甲賀木の駅プロジェクトの大原さんにお話を伺いました。プロジェクトの始まりから地域への思いまで、語っていただきました。

甲賀木の駅プロジェクトの始まり

 甲賀木の駅プロジェクトは平成26年から始まりました。当時は木の値段も下がり、地域の人が森に入る機会もなく、山が荒れていました。丁度その時全国的に「木の駅」の活動が盛んになっていた時期だったこともあり、これを利用して地域活性化を目指そうということで設立しました。
 プロジェクトは地域の方ばかりで構成されており、男性がほとんどですね。木の駅設立のきっかけとなった県の職員さんであったり、オブザーバー的な立場で関わってくださっている女性はおられます。実際に山の中で木を扱う人の他に、プロジェクトに共感して応援してくれる方もいらっしゃいます。
 プロジェクトを始めたすぐは、木の正しい切り方もわからず、それぞれが独自の方法でチェーンソーを使っていました。これではダメだと思い、他府県から同じ先生に3年連続で講習に来ていただきました。そうすることでやり方を統一したんです。当時は山の中にある木を切って出してこられるのが1~2人程度でしたが、今はプロジェクトメンバーのほとんどの人がチェーンソーを使えるようになりました。

山をもっと近い存在に


 甲賀木の駅プロジェクトでは定期的にチェーンソーの講習会を行っています。甲賀市では昔から山に入っていた家が多いため、家にチェーンソーが元々ある家が多いんです。しかし、使ったことがないという人がほとんどでした。そのため安全に使う方法を教えることで、自分から山に入れる人を増やしたり、森に興味をもってもらうことを目的として、講習会を開催しています。まさか自分たちが講習会を開いて教える立場になるとは思わなかったので、始めの頃を思うと大きな進歩を感じます。「プロよりも安全に」を基本として活動しているところが、良いのではないかと思いますね。
 また過去3年間を通して、旧甲賀市自治区23区を対象に講習会を行ってきました。毎年、多くの方に興味をもってもらうことができました。

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TaBiwa+Rのメンバーが参加した木の椅子作り

楽しみながら守る甲賀の里山


 継続的に企画を行うことによって「甲賀木の駅プロジェクト」という名前を知ってもらえるようにはなりましたが、まだまだだと思います。地域の人には、木の駅プロジェクトに入ってほしいというよりは、積極的に山に行ったり、自分から山に関わる人が増えてくれるとありがたいです。プロジェクトメンバーだけでは年間100tを切り出すのが限界で、これ以上やろうと思うと地域の人の協力がやはり必要になってきます。活動を通して「山の手入れが大切だ」ということは分かっていただけるかもしれませんが、それをどのような行動として地域に広げていくかが問題です。イノシシや鹿がいる山に急に入って「木を切ってみて!」というのは難しいでしょう。
 山を何とかしなあかん!という理屈で考えるよりも、まずは遊びの感覚で山に関わってほしいです。獣害対策や伐採も大切ですが、遊びながら里山の整備になるようなことができればいいですね。ダムの周りの森を散歩したり、子どもたちは月に1回でも森で遊んだり・・・甲賀の里山がそういうところになってくれればいいなと思います。また、若者や他の地域の人が山に関わることで、地域の人の見方が変わる可能性もあります。とにかく楽しみながら関わってほしいですね。

コロナ禍の影響


 コロナ禍において、山の関係者の間ではあまり自粛などはありません。山の中での活動が主なこともあり、密の心配や喚起の必要がないからではないかと思います。甲賀市でクラスターがあった際は、会議室の閉鎖などにより、オンライン会議を行ったことはありました。年配の人には難しい点もありますが、そこまで困ってはいません。特に甲賀木の駅プロジェクトでは中心のメンバーが会社勤めを終えている方が多く、あまり直接的な影響は受けていないように感じます。

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甲賀木の駅プロジェクトHPはこちら

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