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2022年NY: 新市長(元市警で史上二人目の黒人市長)とNY市議会(31議席女性が過半数を獲得)が、この街の重要課題、人権ジェンダー平等に焦点をあて、新たな社会基盤を再生しようと、動き出した。

2022年始動!NY新市長は元NY市警のアダムズ氏。NY市議会は女性が史上初の過半数31議席獲得(人権ジェンダー平等)

要点:週刊NY生活1月最終号にコラム記事掲載
https://nyseikatsu.com/editions/851/pdf/page09.pdf


(1)新市長3つの課題は「人権ジェンダー平等」「公共安全と治安改善」「NY市警組織改革」。


民主党員エリック・アダムス氏は、2021年11月3日のNY市長選挙で当選。史上2人目の黒人市長(第110代目) として2022年1月1日に就任した。同氏は元警部で人種差別に正義感があり新市長として相応しいと有権者の支持を集めた。特に次世代からの支持が高い。

(WCBSニュース)

コロナで失業者が増え治安が悪化。アジア人を狙った犯罪が多発し地下鉄やバス車中で有色人種へのヘイトクライム(憎しみ犯罪) の被害が増えた。この犯罪撲滅に声を上げたのがNYのアメリカ系アジア人の若者たち。新市長は治安改善と人種差別の解決を優先課題とし、これに対する次世代の意識も高いことは無視できない社会現象である。

そんな中、欧米企業はビジネスでの存在価値を高めるため、非財務活動の人種ジェンダー平等を支持表明し持続可能な社会貢献に益々経営転換し始めている。


(2)NY市議会、女性が51議席中31議席を占め史上初:ジェンダー平等へ



市の歴史上、初めて51議席中31議席を女性議員が占めた。
コロナで労働者階級の有色人種が壊滅的な打撃を受け、特に女性の解雇に影響したこと、選択投票制度で女性の立候補者が増えたこと、現状の社会問題について一般の有権者意識も議会に影響を与えたことなどが要因となり、歴史的ダイバーシティ(多様)なメンバーで構成される議会がスタートする画期的な動きとなった。

31人の女性議員は、例えば議会の男性用トイレについて「標識をつけてジェンダーニュートラルと呼べばいい。私たちはそれを引き継ぐだけ」と提案し「ジェンダー平等は簡単なことから始まる。最終的にはNYが今までにない人権平等に満ちた街にするつもり」と述べた。


2022年のNY新市長とNY市議会への市民からの期待は高く、人権ジェンダー平等を目指す動きにさらに拍車がかかるだろう。

要点:週刊NY生活1月最終号にコラム記事掲載
https://nyseikatsu.com/editions/851/pdf/page09.pdf


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(以下、コラムの詳細加筆版です。内容重複する箇所もあります)


1.(加筆版)政策の最重要課題は3つ。「NYPD警察の組織改革」「人権差別問題の改善」「公共安全と治安改善」。
次世代がSDGsの中で関心をおく「持続可能な社会」にフォーカス。

●ニューヨーク新市長に民主党員で元NY市警のエリックアダムズ氏が当選。来年のNY政策方針どうなる? それに対する次世代の期待は?

民主党員のエリック・アダムス氏は、2021年11月3日のNY市長選挙で当選しました。同氏は、史上2人目のNY黒人市長(第110代目)として、2022年1月1日に就任。

(NYタイムズ紙)

彼のバックグラウンドは、ニューヨーク市の元警部というキャリアで、人種差別に強い正義感がありNY市の新市長として相応しいと今回の有権者の注目と支持を集めた。さらに、同氏は次世代の支持を得ています。その理由は彼のキャリアにある。

昨年2020年のコロナ禍、NYをはじめ全米で多数のブラック・ライブス・マター(BLM)運動が広がったが、「黒人の命は大切だ」と人種間の平等を主張する市民の運動の中心は次世代が多いこと、2021年には、黒人以外のヒスパニックやアジア人にも犯罪被害が広がり、NY市の治安が悪化しているが、
この犯罪増にまず声を上げたのが、NYに在住するアメリカ系アジア人の次世代の若者である。つまり市中の安全を望む市民が多数の声は、次世代の若者達の声から発端となっている

●ブラック・ライブズ・マター #Black Lives Matter
アフリカ系アメリカ人のコミュニティに端を発した、黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える、国際的な積極行動主義の運動である。
特に白人警官による無抵抗な黒人への暴力や殺害、人種による犯罪者に対する不平等な取り扱いへの不満を訴えている。

 

NYPD(NY市警)組織改革に声を上げる次世代の若者達。

その理由の一つとして、NYPD(NY市警)組織改革を求める声が高まる。

組織内に根深い人種差別が蔓延っていることが、BLM運動で水面下から表面へと可視化されたが、その運動に立ち上がりリードしたのも次世代。彼らは警察組織に蔓延る悪習慣の改善が求めて人権運動を続けている。

それに伴い、前述した通り企業の製品などに対しても、人種差別や児童労働などの人権侵害によりつくられた製品かどうか、に対しても厳しい評価を行い声を上げている。

●NY市警の組織改革(現デ・ブラシヲ市長、前クオモ州知事の警察改革案

前デ・ブラシオ市長は、NY市警への予算削減、業務内容の見直し、懲戒処分者の公表など警察改革を実行した。
2021年3月27日には前クオモ州知事が、NY警察官の民事訴訟における免責特権(白人ということでの特権)の取消しした。また、警察業務の透明化などの警察改革案を市議会に提出し成立させた
(2021年5月:Japan Local Government Center)

 

 アジア人向け犯罪に関しては、2021年春ごろからは、アジア人を狙った犯罪も多発しており、NYの地下鉄やバスの中で、ピープルオフカラー(黒人・ヒスパニック・アジア人を含む有色人種)へのヘイトクライム(憎しみ犯罪)と被害が増えています。

 

このアジア人を狙った犯罪を軽減させようと、今年、NY市在住のアジア系アメリカ人の若者達(20代~30代のZ世代やミレ二アル世代が中心)が立ち上がりNPO法人組織を作り犯罪防止の声を上げている。つい1月の先日も、NYの地下鉄構内でアジア人女性(中国系40歳)が突き落とされて死亡する事件があり、犯罪や人権差別に対するデモ活動(声を上げること)は、当たり前の社会環境になっている。


●ストップアジアンヘイト
#StopAsianHate - Fight Anti-Asian Racism) 
「2021年対アジア暴力反対集会」2021年対アジア人暴力反対集会は2021年にアメリカ各地で開かれたアジア系アメリカ人に対する暴力に反対する集会。


この一連の動き、アメリカの人権問題に追随して、次世代の若者達が、企業のビジネス活動にも注目するようになってきた。商品の製造過程であるサプライチェーンの情報透明化を要請し、積極的に声を上げ社会の人種差別問題や企業への統治改革、そして児童労働や女性問題が水面下で絡んでいないか、ビジネス製品への公平公正についてサステナブルな行為かどうか指摘する動きが昨年より高まってきた。 

一連のアジア人へのヘイト(憎悪犯罪)、そのような社会の生活環境が悪化している中、NYPD(NY市警の組織)改革と治安の改善、人種差別や被害問題の解決は市中の最優先課題とみられており、これに対する次世代の声もさらに高くなってきていることは無視できない社会現象だ。


そんな中、1月1日に就任したアダムス氏の優先課題政策について、全米最大の都市であるニューヨーク市が、ポストコロナの中でどう治安を回復させるか他州や他国からさえも、注目度も高い。改善が見られればモデルケースにもなる。

 

もう一つ、特記すべきことは、アダムス氏は、現ニューヨークの左翼的な路線を目指すビル・デ・ブラシオ市長にも、前任者のマイケル・ブルームバーグ市長(中道派)にも協働者として受け入れられているということは、政界でも大きな協力者がいるという点である。

幅広い労働組合や富裕層から支持を得ると共に、11月3日の市長選での勝利パーティーに姿を見せたNYキャシー・ホーチュル州知事(2021年8月~就任)とも、友好関係を築いており、2022年始動から、上記の課題を優先し生産的、効率的な政治関係を周囲と築くつもりであることを明らかにしている。 

もはや、NY市長のみ、NY州知事のみ、では持続可能なより良い社会を築くことは不可能になりつつあることを実感しているのだろう。

市と州、議会が、SDGs17にあるようにパートナシップ協働政策に取り組むことで、大きくNYは改善されることが期待される。



アダムズ氏は、ピープルオフカラー(有色人種)の労働者たちの安全性や中流階級の有権者たちのニーズを、NY市政策に反映することを約束した。今まで以上に、人種差別問題の改善と治安の安定化に向けた市政策が優先される2022年となるに違いない。

またアダムズ氏の登場は、NYの次世代(Z世代やミレ二アル世代)の期待であり、NYの次世代たちが発信する政策の動きは、他州の同世代にもインスピレーションを与える可能性が大きい。その気づきが大きなうねるとなって、政策にも影響を与える。
今後の米国の新たな声とムーブメントに大きな期待が寄せらている。
 

2022年のNY市とNY州の政策は、下記の二人が中心となる革新的な政治手腕が注目される。


2.(加筆版)●NY市議会、女性が51議席中31議席を占め史上初。ジェンダー平等へ・・・が生まれたワケ。立ち上がる女性たち。


2022年1月5日:初めてNY市議会の大半を女性(ザ・マジョリティー) が占める。


クイーンズ区で育った31歳の技術コンサルタント、ジュリー・ウォンは、両親が収入を失ったことをきっかけに市議会への出馬を決意した。

2020年の春、ネイルサロンで働いていたお母さんと、酒屋や倉庫で雑用をしていたお父さんが、突然失業したのだ。彼らはほとんど韓国語を話すので、ウォンさんは生活保護の申請を手伝おうとした。

「でも、一向に支給されないんです」と彼女は振り返る。今月、ウォンさんはロングアイランドシティやアストリアなど、クイーンズ地区の代表として任期をスタートさせる。

「COVIDがなかったら、選挙に出ることはなかったでしょう」と彼女は言う。

 

ニューヨーカーたちは、市の歴史上初めて、51議席中31議席を女性が占める市議会を選出した。



パンデミックによって労働者階級の有色人種が壊滅的な打撃を受けたこと、候補者が市民から1ドル集めるごとに8ドルを支給し、少額寄付の効果を高める市のマッチングファンドプログラム、新しいランク選択投票制度によって政党予備選挙への立候補者が増え、一般ニューヨーカーが当選者に大きな影響を与えるようになったことなどが要因であり、歴史的に多様性に富む新議会は、その結果であると言えるでしょう。

 

ほとんどの候補者は、立候補するために1年以上お金を貯めなければならなかったり、フルタイムの仕事と選挙運動を両立させなければならなかった。資金は潤沢ではなく、生活も宝飾というワケではなかった彼女たちが立ち上がった2021年。

それはこのニューヨークの水面下にはびこる差別やジェンダー問題を、自分たちの手で変えようと決意したからだ。


2021年1月から6月にかけて、ブロンクスの生涯現役政治家ルベン・ディアス・シニアの後任として立候補した32歳のアマンダ・ファリアスは、午後4時に非営利団体での本業を終えてから選挙活動に飛び込み、ドアを叩き、電話をかけ、討論会に参加し、ソーシャルメディアのスケジュールを立て、午前2時までメールを書き続けた。

こんなエピソードもある。

2021年12月8日、市役所で新会員のオリエンテーションを受けた直後、彼女たちは男性用トイレが議場の中にあるのに対し、女性用トイレは外にあることに気づいた。

パナマ生まれの大工で、ブルックリン37区の地域活動家であるサンディ・ナースさん(37歳) は、「標識をつけて、ジェンダーニュートラルなトイレと呼べばいい」と提案した。続けて「そして、私たちはそれを引き継ぐだけです」。それは「簡単なこと」から始まる、と彼女たちは動きだした。


そして「最終的には、この街が見たこともないような(ジェンダー平等が当たり前)にするつもりです」とその強い思いを語った2022年1月。

2022年のNYは、新市長(元市警の黒人で史上二人目の市長)とNY市議会は、31議席女性が過半数を獲得という体制でスタートした。NY社会の重要課題である人権ジェンダー平等に焦点をあて新しい社会構造を再生しようと、動き出した。

 

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