クロード・モネ 《林檎と葡萄》 〜 アートの聖地巡礼(米国)&アートのよもやま話
シカゴ美術研究所で「もう一度みたい作品」を紹介している。今日は、クロード・モネ(1840−1926)の《林檎と葡萄》(1880)(*1)。
モネの作品の中でも珍しい静物画。モネといえば「印象派的な風景画」で、彼の太陽の光、風を感じるような筆致を思い出す。この静物画の中でも、風景画でよく使われたモネらしい表現が見受けられる。果実の表面の当たる繊細な光。そして光と共に流れるようなテーブルクロスの模様。この作品からも、モネが常に注目していたのは、「光」の新しい表現方法だったと思う。
一方「形」の表現に執着したのがポール・セザンヌ(1839−1906)。モネと同世代の後期印象派の画家のひとりだ。そして、西洋美術史で「林檎」といえば、この人を忘れることは出来ないので、今日のおまけに紹介しよう。
セザンヌは、印象派のひとりのカミーユ・ピサロ(1830−1903)と仲が良かったけれども、印象派とは別の路線を歩んだ。このメトロポリタン美術館所蔵、セザンヌの《林檎》(1878–79)でも、林檎の形をいかにして独自のスタイルで表現するか模索しているのがわかる(*2)。
そして、このセザンヌの「形」の表現に執着した探究心が、後のパブロ・ピカソ(1881−1973)に影響を与え、キュビスムを生む。
NOTE:
*1.シカゴ美術研究所所蔵、クロード・モネ、《林檎と葡萄》(1880)に関する、参考資料及び画像は、シカゴ美術研究所の以下の公式サイトより引用。同作品は、クリエイティブ・コモンズ・ゼロ(CC0)の作品。
*2. メトロポリタン美術館所蔵、ポール・セザンヌ、《林檎》(1878–79)にに関する、参考資料及び画像は、メトロポリタン美術館所の以下の公式サイトより引用。同作品は、クリエイティブ・コモンズ・ゼロ(CC0)の作品。
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/435866