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クロード・モネ 《睡蓮》 〜 アートの聖地巡礼(米国)

米国のアートの聖地のひとつ、シカゴ美術研究所で「もう一度みたい作品」の中で、クロード・モネの名品を紹介している。

とはいえ、同美術研究所は、あまりにもレベルの高いモネの作品を多く所蔵しているので、知らないうちに、モネの人生の時間と共に「もう一度みたい作品」をたどっているようだ。

せっかくなので、このまま、もう少し、お付き合いいただきたい。

さて、先日、同美術研究所所蔵のモネの《睡蓮の池》(1900)を紹介した(*1)。

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今日、紹介する作品は、同じくモネの《睡蓮》(1906)だ(*2)。

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上記の2点の作品の違いは、何だろうか。

大きな違いは、庭の背景があるかないか、という、たいしたことないことのように思えるけれども、美術史的視点で考えると、同じ構図で何点も描き続けるモネにとっては、大きな変化といえる。

実際に、シカゴ美術研究所公式サイトの《睡蓮》(1906)の解説によると、睡蓮の作品を描いたモネの初期の作品は、庭を背景にした睡蓮の池を描くことが多かった。ところが、徐々にモネの視点は、睡蓮の池だけに注がれていくようになっていく。

どちらが良いかなんて、野暮な質問はしない。アヴァンギャルドな画家として、広い空や海を描いていたモネが、画家としての名声を得ると共に、自宅の庭の池に浮かぶ睡蓮に魅せられていく。

そんな一人の印象派の画家の人生を知ることが出来る一品。


NOTE:
*1.シカゴ美術研究所所蔵、クロード・モネ、《睡蓮の池》(1900)の参考資料及び画像は、シカゴ美術研究所の以下の公式サイトより引用。同作品は、クリエイティブ・コモンズ・ゼロ(CC0)の作品。

この作品に関する当方のnoteの記事は、こちらをご参考までに。

*2.シカゴ美術研究所所蔵、クロード・モネ、《睡蓮の池》(1900)の参考資料及び画像は、シカゴ美術研究所の以下の公式サイトより引用。同作品は、クリエイティブ・コモンズ・ゼロ(CC0)の作品。この作品に関する当方のnoteの記事は、こちらをご参考までに。