「本物を知ること」は、本物を見なくても可能だ 〜 大塚国際美術館(日本・鳴門) 前編
私の頭の中には、「本物を現地で見る」というアートを研究してきた人間としての、どうでもいい使命がこびりついていた。ただ、下記の記事にも書いたが、ミュンヘンの古典彫刻模型博物館での体験が、「本物を現地で見る」=「本物を見ないと意味がない」という思考回路を吹っ飛ばす結果となった。
この体験を通して、すぐに思いついたのが日本の大塚国際美術館へ行ってみて、今度は、名品の複製画を体験することだった(*1)。ご存じの通り、同美術館に本物の作品は、一切展示されていない。その規模といい、世界