「甲骨文字」2022/7/2

書体設計士の鳥海修さんの講演に参加した。
こういう、バカデカ実績を先に知っていて、その人を人間として認識できていない状態での講演って、どこか集中できない感覚があるんだけど、
鳥海さんのお話は、ぬるぬる〜とゆるゆる〜と進行する講演でとても聞きやすかった。何を誰に伝えるかをリアルタイムで考えながら話してる感じ、とても親しみを持てた。そして選挙や政治への熱のこもったお話しには、同じ人間なんだなあという感覚を得れた。
良い意味でフラットに身近に話を聞けた。

甲骨文字、おもろい。

甲骨文字(こうこつもじ)とは、中国・殷(商)時代の遺跡から出土する古代文字。 古代中国でおこなわれた占卜を、当時の文字でカメの甲羅やウシの肩甲骨の上に刻みつけて記録したものである。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B2%E9%AA%A8%E6%96%87%E5%AD%97

神からのお告げ、占いを甲羅に刻みつける時に用いられたらしい。そして、高尚な人たち以外には読み解くことができなかったらしい。
占いの手法は、甲羅を焼き付けて表面に出たヒビを見て判断するらしい。

大して調べたわけじゃないが、この話を聞いて、これ甲骨文字要らなくない?となった。
占いを広く周知するために各所に甲骨文字を送った。みたいな共有の目的があるわけじゃなく、
占い師しかできない甲羅のヒビ占いを、占い師しかわからない文字でヒビの隣に刻むの、無駄すぎない?と思った。

書いてて思ったが、甲羅のヒビ占いは読み解けないけど、甲骨文字が読める高尚な人たちがいたのかな。そういうことなのかな。そうかもしれん。無駄じゃなかった。よかったね昔の人。無駄じゃないよ。

もしくは、ヒビをそのままの形で維持するのが難しくすごく刹那的なものだから、そのヒビの一番適した状態の時分を書き記したものなのかも。
まじで無駄じゃないな。理由なんて無限にあった。

甲羅のヒビ占いの結果を、文字的な何かで伝えようとしたの、すごい。僕は文字がない時代にその発想できないよきっと。「口頭で伝えるだけじゃだめですかねぇ、、?」とか言っちゃってるよたぶん。

甲骨文字、文字と言いつつも絵の延長にいる文字ぽい。
絵で伝えようとして、でもかなり複雑だしこのサイズ感に収めるの大変だな...。どうしよう...そうだ!
となったのかな。良い。すごくおもろい。
ドラえもんがいたら、文字発明前夜に連れて行ってもらおう。

文字の世界。本当に表面的な、このフォントのこのクリンッが良いな。このデザインに仕上げるならこのフォントを使おう。みたいな、道具的視点しか持ててなかった。

これは、写真への道具感に似た感覚な気がしていて、鳥海さんはむしろその生産者の見えない本当の地盤を作っている的なところに幸福を得ている印象だった。

僕は、俺が俺が精神結構多めな気がしていて、その影の大黒柱的快感の旨味をあまり味わえない気がする。自分の顔が出てなんぼだと思っていた。
今回の講演で、その視点を、その視点を愛する人のことも含めて知れたのはすごく良い経験だった。と思う。

良い講演だった!!あざすあざす。B.KANSYA。

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