日本におけるロードでのマイルレース
があればいいなと思っていたが、こんなレースを今日教えていただいた。
北渋Run Runフェスタ(北渋マイル):2022年新設のロードレースで、種目は1マイル、1マイルコースを使ってのリレーマラソン、幼児の部(42.195m)
後に詳しく記載するが、私は20代の頃にこの「北渋エリア」(笹塚・幡ヶ谷・本町・初台=渋谷区の中でも甲州街道 / 国道20号線より概ね北の地域)に長く住んでいたので、今ではこの地域のことを懐かしく思う。
マイルレースと「サブ4マイラー」の称号
日本では2020年の東京マラソン前日に「東京マラソン1マイルズ2020」の開催が予定されていたが、COVID-19のパンデミックのまさに初期の頃とあって中止(東京マラソンもエリートのみの開催に)
とりわけ、日本ではパンデミック前まではロードレースは盛んに行われていたものの、1マイル(1,609m)のロードレースは皆無だった(もし、あったら教えてください)
今回、渋谷区が北渋Run Runフェスタを開催するのは、陸上界、中距離界から見ても重要な意味を持つのではないかと思う。
以下、北渋RunRunフェスタの公式HPより引用。
まだ一般的にはほとんど認知されていない「1マイルレース」。海外では定番のこのレースも、国内ではレース自体が開催されておらず、楽しみ方や攻略方法はもちろん、計測や運営などの事例もない。ましてや、記録を狙える本格的な1マイルレースはまだ存在しません。そんななかで、大会開催に向けて何度も協議を重ねてきました。誰もが楽しめる新しいイベントを開催できないか?ゆくゆくは世界に誇れるような本格的な1マイルロードレースを全国に先駆けて実施できないか?様々な協力を得ながら、実現にむけてようやく光が見えてきました。
2022年11月13日。渋谷区の北エリア「北渋」から日本全国、そして世界へ向けて発信していくことを目指して「1マイルレース」を開催します。もちろん開催するだけではありません。ランナーやコミュニティ、地域や企業団体など、様々な方々と協力し、1マイルレースという文化を、じっくりじっくり育てていきたいと思います。
序盤に「海外では定番のこのレース」とある。
トラックを含めての1マイルレースは、確かに欧米ではメジャーな種目で、男子の1マイルサブ4は故ロジャー・バニスター卿の人類初のサブ4達成から半世紀以上もの間、世界中のマイラーの称号であり続けている(1マイルの日本記録は荒井七海選手の3:56.60)
日本人選手では計7名がこれまでにサブ4マイラーとなっているが、本場のアメリカではこれまでに累計で659名ものサブ4マイラーが輩出されてきた。
そして、今年には5人もの高校生がサブ4マイラーとなり(C.サールマン 3:56.24、G.マーティン 3:57.89、C.バーンズ 3:58.83、R.ハリソン 3:59.33、S.ビルンバウム 3:59.51)それまで全米の高校生の歴代のサブ4マイラーが12名しかいなかったことを考えると、速い高校生マイラーが増加傾向にある。
1965〜2021年:12名(J.ライアン、M.リクオリ、A.ウェブ、D.ハンター、Gフィッシャー、H.ケスラーなど)
2022年だけで:5名(C.サールマン、G.マーティン、C.バーンズ、R.ハリソン、S.ビルンバウム)
2022年には他にもアイルランドの高校生N.グリッグスが3:56.40をマークしてサブ4マイラーになった。あくまで例え話になるが、日本における高校生サブ4マイラーに近い中長距離選手の称号といえば、日本人高校生の5000mの13:50秒切りのラインになるだろう。
1999〜2019年の20年間:9名(佐藤秀和、土橋啓太、佐藤悠基、北村聡、中谷雄飛、佐藤清治、上野裕一郎、遠藤日向、村山謙太)
2020〜2022年の2年半:11名
こちらも記録水準の向上により増加傾向。
話は逸れたが、サブ4マイラーというのは(種目や距離が若干違うとはいえ)日本でいうところの日本人高校生の5000mの13:50秒切りのようなものだと考えれば、それがいかに凄いことか、ということが見えてくる。
私自身のマイルレースの経験
以上に記載した「サブ4マイラー」というのは公認レースでの記録なので、そのほとんどがトラック(屋外+室内トラック)での記録であるが、今回はロードのマイルレースについての私自身の経験を以下に記載する。
私が最初にロードでのマイルレースを走ったのは2013年9月(25歳の時)で、ハワイ州マウイ島の港町のラハイナで行われたフロントストリートマイルに出場した。自分で航空券を手配しての自費出場(1人で行きました)
当時はJTBがマウイマラソンに協賛していたので、ゲストとして女優の武井咲さん(当時19歳)がこのフロントストリートマイルに出場していた(というか、1,609mなので彼女は後半歩いていた ^^;)
部門は小学生の学年ごと?というぐらいに部門が多く、ユースやジュニア、シニア、マスターズ、エリートというぐらいに部門が分かれていたのが印象的だった。
この時は招待選手が女子のみだったので、私は2:45/kmペースで走破して3位に入って賞金150ドルぐらいをゲットした記憶がある。ちなみに、レベルは年によってまちまちで、翌年の2014年には当時OTCだったアンドリュー・ウィーテング(1500m PB 3:30.90)がこのマイルレースに出場していた。
フロントストリートマイルは2022年9月に21回大会が行われる予定。かつてはラハイナの街の↑ババガンプ(映画『フォレストガンプ』でお馴染みのアメリカンシーフードレストラン)のお店前がスタート / フィニッシュだったのだが、2022年7月下旬(割と最近)にこのラハイナのフロントストリートを久しぶりに訪れた時にはお店がなくなっていて、時代の流れを感じた。
余談になるが、エンゼルスで大谷翔平とバッテリーを組むこともあるカート・スズキは、このハワイのマウイ島出身のメジャーリーガーである。
次に、私がマイルレースを走ったのが2017年12月(31歳の時)で、カウカウアメリーマイルという割と歴史の浅い大会に出場。この大会はワイキキのカラカウア通り(ワイキキのメイン通り)で行われており、2016年に創設された大会。それ以降ホノルルマラソンの前日に行われている。
このマイルレースは一般の部とエリートの部が分かれているが、その特徴は、エリートレースで男女混合のハンデ戦が行われることである。女子が先にスタートをして、ハンデのある男子が後にスタート。フィニッシュラインで優勝賞金をかけて男女が白熱のレースを繰り広げる、というものである。
2017年大会で優勝したのは、オレゴン大を卒業したばかりのキングチェスことエドワード・チェセレク(左)ラスト70mあたりで男女が並んだが、最後はチェセレクが優勝した。
ちなみにこの男女別々のスタートは、4月のホノルルでのハパルアハーフでの時差スタートを参考にして考えられたものである。
エリートレースは毎年実力の高いエリート選手が招聘されており、ハワイという場所柄、彼らはどちらかというとバカンスを兼ねて家族やカップルで来ることが多く、レースの前後の日はとにかく彼らはリラックスしている印象の大会。
このエリートレースの前に一般のレースが行われるが、私は確か2:50/kmペースぐらいで走って1位だったが(そこまでレベルが高くなかった)フロントストリートマイルとは違って賞金はなかった(エリートの部のみ賞金あり)
今ではホノルルマラソンの日に10kmロード(ホノルルマラソンと同時スタートで10kmまで並走)もあるが、日本からでももっと前日のカラカウアメリーマイルに出場する人が増えてもいいと思う(例えば家族で1人はホノルルマラソンに出場、1人は10km、1人はカラカウアメリーマイルといった具合に)
ちなみにロードのマイルレースが日本のロードレースとの違うところでいうと、
・マイルレースなのですぐ走り終わる
・距離が短く参加への障壁が高くなく(練習しなくても完走可能)
・(ハワイのレースであれば)バカンス感満載
参加障壁は高くなく、ウォーキングとしての参加もできるのが魅力のように感じる。ちなみに、私がハワイ最大のロードレースのグレートアロハランに参加した時もレースの距離は8.15マイル=13.1kmと短くなかったが、無論、最初から最後まで歩いている人も多かった。
東京都渋谷区におけるロードレース
さて、本題に戻ると、今年の11月には先述したように、東京都渋谷区で日本初?のロードでのマイルレース(北渋マイル)が行われる。
実は私は2010年代中盤から後半にかけて5,6年ほど"渋谷区スポーツ推進委員”という渋谷区におけるスポーツ振興のお手伝いをしていたのだが、その頃はちょうど「渋谷・表参道Women's Run」というロードレースが渋谷区で開催され始めたころだった。
渋谷・表参道Women's Runというのは、渋谷区議会議員の伊藤たけしさん(渋谷区トライアスロン連合会長)がレースディレクターを務めているのだが、そうやった「ランニング関係者(トライアスロン関係者)」が大会の創設に尽力したことをここに記しておく。
(道端カレンさんと渋谷区長の長谷部健さん)
ちなみに、渋谷・表参道Women's Runでは表参道を走るが、渋谷区神宮前 / 港区北青山との分岐の地点(伊藤病院やアップルストア表参道の手前)で折り返すコースとなっている(=コースは全て渋谷区内で構成されている)
私は代々木公園で1月に開催されている「しぶやニュー駅伝」には複数回の出走経験があるが、男性なので表参道の車道を堂々と走ったこと(渋谷・表参道Women's Runを走ったこと)が未だにない。とはいえ、今年の北渋Run Runフェスタや北渋マイルが渋谷区で開催されるということで、今から楽しみにしている、というところだ。
渋谷区の北渋地区と六号通り商店街
北渋地区(笹塚、幡ヶ谷、初台、本町)というのはいわゆる渋谷付近の渋谷、青山、松濤、富ヶ谷、恵比寿、広尾というTHE渋谷周辺エリアとはまた違った雰囲気を持っている。
どちらかというと、北渋エリアは地理的に富ヶ谷や西原(代々木上原)に近いのだが、甲州街道の南北というのは幡ヶ谷の六号通り商店街、水道道路を挟んで六号坂通り商店街、笹塚の十号通り商店街など下町の雰囲気に近いような商店街が多く、青山や恵比寿、広尾付近とは違って庶民寄りの生活水準のエリアだといえる。
そして、今回の北渋マイルはかつて私が通勤帰りにほぼ毎日通っていた六号通り商店街を抜けた目の前の水道道路がコースである。ちなみに、六号通り商店街には、かつて千原せいじさんが経営していた「せじけん」という居酒屋があったのだが、今ではなくなってしまった。
この地図の中央(幡ヶ谷駅の脇の六号通り商店街を抜けたところ)に「ミニストップ」があるが、その斜向かいにある「れんげ食堂」は都内の中心地にしては割と安価で美味しい中華料理の定食が食べられる。ここは、私が幡ヶ谷から引っ越す日の前日にも食事をした思い出の場所である。
ということで、今回の北渋マイルは「出るしかない!」というところであるが、私は今ほとんど練習していないので、42.195mの未就学児の部門に娘2人を出場させようと考えている。
これまで、私は渋谷区のパラスポーツを含むあらゆるスポーツイベントに少なからず参加してきたのだが、こういった自分が普段取り組んでいるスポーツが自分の馴染みのある地域で開催されることは嬉しい。
それが、こういったマイルランという形で開催されることは、また新しさを感じるのではあるが、マイルランやそれよりも短い距離のロードレースがキッズや未就学児にとっても馴染み深い、そして楽しめるイベントとなることを今から楽しみにしている。そして、かつて私がアメリカのマイルレースを体験して感じた良い感覚が、再び日本の地で戻るかもしれない。
北渋マイルへ参加した後は昼食をどこでとるか悩む。。
コース上の水道道路沿いであれば、
・幡ヶ谷のれんげ食堂(中華)
・笹塚のキャンティ本店(イタリアン)
ミニストップの南側の六号通り商店街であれば、
・くろ黒亭(しゃぶしゃぶ)
・ねじ式 (ラーメン)
・青い鳥(カレー)【食べログ百名店2022】
と、最後はグルメブログのような内容でこのnoteを〆る。
ごちそうさまでした。
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