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【Project Carbon X 2】ジム・ウォルムズレーが100kmの世界記録に12秒届かずの6時間09分26秒で完走。

トップ写真:HOKA Presents – Project Carbon X 2より

米国アリゾナ州の特設コースで行われた「Project Carbon X 2」でウルトラマラソンの世界記録(6:09:14)更新を狙ったジム・ウォルムズレー(50マイル世界最高記録保持者)が6:09:26の世界歴代2位でフィニッシュ。

50km3:04:14、95km5:49:55とイーブンペース(3:40-3:42/km)を刻んでいたが、最後の5kmで19:29(3:53/km)とややペースを落として2018年に日本の風見尚がマークした世界記録を僅か12秒差で逃した。

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レース後、ウォルムズレーはインタビューで「サロマ湖100kmウルトラマラソンで世界記録に再挑戦すること」への可能性を示唆した。
(※レース前には今季はコムラッズへの出場を示唆していた)

また、「Project Carbon X 2」は選抜された日本人選手を対象に日本でも同日開催を目指していたが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言のため延期。日程は検討中であるが、ここで再び100kmの世界記録更新が期待される。

この日米のイベントは、2021年1月1日に発売された「Carbon X 2」のプロモーションも含んでおり、「Project Carbon X 2」の出場選手は全員がこのシューズを着用。


ジム・ウォルムズレーの目指す先

ウォルムズレーといれば、50マイルの世界最高記録だけでなく、ウェスタンステイツといった100マイルの山岳レースなどで破滅的な記録をマークしているエンデュアランスランナーであるが、実はハーフマラソンやマラソンもかなり速い。

ハーフは1:04:00、マラソンは2:15:02が自己記録であるが、2020年の東京五輪マラソン全米選考会でマークしたこのタイム(初マラソン)はかなり起伏のあるコースでの記録のため、フラットコースであればもうちょっとタイムが期待できそうである。

そんな、ウルトラランナーとしては類稀なる才能と競技力を誇るウォルムズレーをもってしても、100kmの世界新記録には手が届かなかった。

戦前、ウォルムズレーは100kmのサブ6:20達成者の中でネガティブスプリットで走ったのは史上かつて1人しかいないことを知っていた。それは、日本の山内英昭で、100kmの世界選手権優勝の際に後半の50kmをネガティブスプリットで走っている。

ウォルムズレーは前回の「Project Carbon X」でも山内に50マイルでは先に通過したものの、100kmでは山内が完勝。それもあってか、「飛ばし屋」のウォルムズレーが今回は確実なペースを刻んで、50kmを3:04:14で通過し、95kmまでは同じようなペースで走っていたが...

最後の5kmにウルトラマラソン の魔物がいた。

今回世界記録を逃したことで、今年のレースプランは白紙に戻ったことだろう。彼がコムラッズかサロマ湖100kmどちらに出場しようと、驚くべきパフォーマンスを見せるであろうことには期待できるし、今回の悔しさを次のレースにぶつけて欲しい。

そして、いよいよ日本人選手による100kmの世界記録への挑戦も後日待っている。緊急事態宣言が2月上旬にあける予定であるが、その後も流動的なスケジュールになる可能性がある。

それでも、これまでのようにライブで配信されたナイキの「breaking2」、「INEOS 1:59」、そして「Project Carbon X 2」のようなエキサイティングなレースが再び見れる日が近いだろう。

今回ウォルムズレーが走った100km6時間09分26秒は1km平均3分41秒台である。

私はこのペース付近で2週間に1度25km程度のロングランをしているので、この記録がいかに凄いかどうかを肌で感じている。世界記録を逃したとはいえ、ウォルムズレーの素晴らしい記録に拍手を送りたい。

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