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メルカリで自家製カレーが劇的に美味しくなった話。

この度、「#メルカリで見つけたもの」というテーマの投稿コンテストが目に入った。ほう…面白い。実は、すしログは400件ほどの取引を行っているメルカリユーザーなのだ。早速、書いてみよう。

そもそも僕がメルカリで最も良いと思う点は、ニッチな価値を交換できる点だ。売り手の立場からすると「これは流石に売れないだろうな…」と思ったものがポーンと売れる。買い手の立場からすると「Amazonはおろか神保町の古書店にも無い…でも欲しい…」と思った絶版の料理本がメルカリで難なく見つかったりする。言葉遣いから明らかに上流階級と思われる、年配の淑女の方から春慶塗の重箱をリーズナブルに購入させて頂いたこともあったなあ…。売り手としても買い手としても、「ムリかも」が実現したときはガッツポーズを取りたくなる。そして、メルカリで最大のガッツポーズを取った商品は簡単に思い出すことができる。

カレーリーフだ。

カレーリーフは南インド料理やスリランカ料理ではマストのハーブである。インド原産で、食欲をそそる香ばしいスパイシーな香りが魅力だ。しかし、普通に手に入らない。数年前までは自宅にあればカレーマニア達から称賛や羨望を集めるハーブだった。筆者は食べログを戦場として食べ歩きをしてきたが、ある日のオフ会でカレー好きなレビュアーが「家でカレーリーフを育てている」と発言した瞬間に場の空気感が変わることが2度あった。「うるさ型」のレビュアーでさえ、その発言の前には黙る。食べ歩くだけでなく自ら本格的なカレーを作り、しかもカレーリーフを育てているなんて、本物のカレーマニアじゃないかと。

しかし、望んでも手に入らなかった。

僕も当然ながら自分で育てたかったのだが、当時は生産者がおらず、フラワーショップはもちろん大型の園芸品店ですら売っていないので、育てているカレーマニアや料理人からおすそ分けしてもらうしかなかった。大切に育てているカレーリーフをくださいなんて、なかなか言えない…。カレーリーフを入手するための物理的&精神的なハードルは高かったのだ。僕にとってカレーリーフは長年の憧れの存在であった。

状況が劇的に変わったのは2020年8月、コロナ下である。

ふとメルカリを眺めていると、ハーブの苗が出品されているのを発見する。へえ、時代は変わったなあなんて思いつつ、もしかして…!?と検索したところ、あった。カレーリーフが。

え、本当にカレーリーフなのか?

高まる胸の鼓動を抑えながら画像を二度見して、ページをスクロールする。間違いない。どうやら福岡在住の方で、種から発芽したものを育てて販売しているようだ。価格は1,100円。東京の気候で育てられるのか?真夏に配送の途中で弱ったりしないのか?などと不安もよぎったが、好奇心と長年の欲望に勝てず購入ボタンをクリックした。ドキドキ…

出品者さんとのスムーズなやり取りの後、すぐに届いた。

2リットルペットボトルに入って。

おおお、これはアイデアを感じる発送方法!なんて賢い方だ!
まさかペットボトルのこんな活用方法があったとは…

か弱そうに見えたので、すぐに鉢に植え替えてあげた。その後、寒い秋冬には室内に入れてあげて、暖かくなった5月ころに屋外に出す…と丹精込めて育てたところ、順調に生長。約1年経った2021年9月に収穫して作ったカレーが【鹿肉のキーマカレー】である。

いやあ、もう、香りがレベチ!感動して笑ってしまった。「カレーリーフはドライとフレッシュは完全に別モノ」と言われる理由に心底納得した。そして、本格的なカレーは味付けよりもスパイスやハーブの香りで味が激変することを痛感した。フレッシュカレーリーフは入手価格1,100円だが、明らかに安すぎる。得られる感動を考えるとカレー好きなら100%ベットした方が良い。カレーの味と人生が変わるので。

僕が購入したのは上記のようなサイズだったが、今回検索してみたところ下記のように異様にお得なサイズのものも発見された。初期状態でこれは羨ましい。しかも1,060円、送料込み!

その後、カレーリーフはすしログ家の日常に完全に馴染んだ。

今年もつい最近、暖かくなってきたので外に出してあげたのだが、すぐに新芽が出てきて愛くるしい。

そして、作ったカレーの例がこちらだ。

【ヨーグルトとカレーリーフのチキンカレー】

ヨーグルトの酸味とコクが活きて、カレーリーフの香りや軽い苦味が爽やか!カレーリーフ様様である。スパイスはパウダー主体で、ホールはクミンとカルダモンのみ。カレーリーフの香りを満喫したいからね…。ヨーグルト、塩、パウダースパイス、ニンニクを混ぜて、鶏肉を4〜5時間漬け込んでフライパンで焼くだけなので超カンタン。

ベランダでフレッシュカレーリーフを育てると、カレー好きならQOLが確実に上がる。

【ホッケの干物のスリランカ風カレー】

これはかなりの大ヒット。和と印の調和!
オススメなのでレシピを詳しく書いておく。

  • マスタードシード、シナモンをテンパリングして、時間差で潰したカルダモンとフェヌグリークを追加、その後にカレーリーフを投入

  • みじん切りの玉葱とG&G(すりおろしたショウガとニンニク同量)を加えてじっくりと炒める

  • ズッキーニを加えて炒める

  • トゥナパハ(スリランカの焙煎カレーパウダー)、ターメリック、コリアンダーパウダー、パプリカパウダーを投入して炒める

  • 水で戻したタマリンド水50ccと水100ccを加える

  • グリルで焼いたホッケの干物をほぐして、骨を除去して加える

  • カスリメティを入れる

  • ココナッツミルク1缶を入れる

  • 刻んだ青唐辛子2本を入れる

  • 味噌、ゆかりで塩分を調整する

  • 沸騰させずに5分ほど煮て、蓋をして10分寝かせる

  • 完成!


メルカリのおかげでカレーが劇的に美味しくなった。
家でカレーを作る人なら、カレーリーフは絶対に買って損はない。
ありがとう、メルカリ。
ありがとう、福岡の出品者さん。


シーズンや在庫によって出品者さんが変わるので、検索結果を紹介しておきます。


#メルカリで見つけたもの


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