すしログ江戸料理帖【アナゴのスッポン煮】
「すしログ江戸料理帖」は今や絶滅危惧の「江戸料理」の魅力を伝えるレシピ紹介マガジンです。僕に「江戸料理」の魅力を伝えてくれたのは「江戸前芝浜」の海原親方です。この方は凄い料理人で、江戸時代の文献を読んで江戸料理を現代に復活させているんですよね。そんな人、めったにいません。
そして、僕も江戸料理の人気向上のために貢献したいと思い、本マガジンを始めました。江戸料理の魅力を簡単に挙げると以下のとおりです。
シンプルで手軽
季節や旬を感じられる
ヘルシー
日本酒との相性が抜群
江戸料理の魅力が伝われば幸いです!
さて、前回は江戸料理【叩き豆腐】を紹介しました。
今回紹介するレシピは【アナゴのスッポン煮】です。
一風変わった名前のこの料理、スッポンに用いる調理法をアナゴに応用した料理で、素人でも簡単に作れるところが魅力!しかも出汁を引かなくていいのに驚くほど美味しいので、昔の料理の凄さを実感できます。
【アナゴのスッポン煮】
「スッポン煮」はスッポンの煮物が由来で、たっぷりの酒と生姜汁を使う料理です。酒を調味料であり出汁として用いる料理なので、贅沢と言えば贅沢!しかし、水では出せない味があるので、初めて作ると感動が大きいと思います。酒には旨味があるんだなあ…
使用する材料・調味料
大人2人分の材料です。
アナゴ:1尾
純米酒:200cc
水:400cc
醤油:小さじ1/2
塩:適量
生姜の絞り汁:大さじ1.5
白髪ネギ
アナゴは鮮度と下ごしらえが勝負です。ぜひとも鮮魚店で仕入れて、すぐに下ごしらえを行いましょう。皮のぬめりが臭みの原因となるので、薄い塩水で洗ってぬめりをこそげ落とせばOKです。ただ、神経質になりすぎずとも、煮る過程でアクを取れば臭くはなりません。鮮度が良いものを買うのが鉄則です。
レシピ(作り方)
鍋に水400cc、酒200ccを張り、沸騰させる。
アルコールが揮発したらアナゴを入れて煮る。弱めの中火でコトコトと。
アナゴを茹でながら薬味を準備。白髪ネギを作り、生姜をおろして汁をしぼる。
アナゴが柔らかくなったら椀によそって、生姜汁を加えて完成!!
・穴子を投入したら沸騰させないのが美味しく作るコツです。
最後にひとこと&日本酒とのペアリング
一口目から、結構驚くと思います。「え、アナゴだけなのにこんなに旨いの??お酒の力って凄い!」と。
スープにものすごいゼラチン質と旨味がにじみ出ていて、スープだけで満足感を覚えるほど。もちろんアナゴ本体も美味しいですが(笑)
1名目の写真は丁寧に盛り付けて見ましたが、会席料理ではないのでワイルドに盛り付けた方が美味しそうに見えますねー
この料理に合うお酒については…
スッキリ系の原酒に氷を入れて、粉山椒を少量ふったもの
奇抜に思うかもしれませんが、やってみてください。オンザロック×スパイスと言う、日本酒カクテルの魅力とペアリングの楽しさを実感頂けると思います。微発泡のお酒なら更にバッチリです。
また次回を楽しみにして頂ければ幸いです。
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