Netflixオリジナル「すべては神のために」のその後①;フィクションではない地続きの現実と向き合いながら
はじめに
以下の記事は、Netflixオリジナル作品「すべては神のために」の内容を扱っています。この作品そのものについては次のページを参照してください。
公開後の爆発的な韓国国内の反応
この作品が公開されるとすぐに韓国国内のNetflixランキングで1位になり、ニュースサイトでも関連する話題を見ない日がないほどになりました。
いくつか私が気になったものを引用して紹介します。
①製作者、出演者の安全
1−3話で扱われていたJMSの元女性信者、メープルのことは覚えている方も多いでしょう。顔を公開し、録音の公開にも同意し、記者会見も開いたので、JMSの実態を暴くのに多大な功績を果たしている彼女ですが、そのせいでJMS側からも目をつけられているようで、身の危険が迫っているようです(作中でもこのような描写がありました)。もちろん警備はついていますが…製作者のみなさんの安全も心配です。
暴力的な手段でしか敵対勢力を排除できない時点で自分たちのほうがおかしいと気づけないものなんですかね…
②「社会のすみずみまで広がっている」エリート層に潜むJMS信者
ニュース映像(日本語字幕なし)
このニュースでは触れられていませんがMBC(「すべては神のために」制作会社)にもNetflixにも信者がいるだろうとチョ・ソンヒョンPDが述べていました。予想はできたことなのですが、放送局のPDや検事、医師など社会的地位の高い人の中に信者がいて、彼らがJMSを守っているのでは?という懸念があります。日本の代表的なカルト宗教のオウム真理教もそうでした。
(※日本もそうだと思いますが、韓国の放送局のPDは一流大学出身の人が多く、番組の決定権を持っているのでエリート層とみなされている)
KBSのPDも、女性通訳者も大勢いるわけではないですから、いわゆる「特定」が進んでいるかもしれません。しかし全くの無関係な人々が攻撃される事態にはなってほしくないと思います。
数年前から韓国では「学校暴力」(※日本語にあえて訳すなら「いじめ」)の加害者がインターネットで告発され、謹慎・引退をしなくてはならないケースが相次ぎました。その際に、無実なのに加害者に仕立て上げられてキャリアを失った人もいました。加害者や信者を攻撃する人は、学校暴力やJMSを許せないという気持ちから動いているのかもしれませんが、また別の被害者を産まないようにすることも大事なことだと思います。
③アガドンサンのエピソードについて
アガドンサンのエピソード、実は私も残酷さに耐えられず途中までしか観ていないのですが上映禁止になると配信されなくなる可能性もあり、頑張って観ようかと思います…
シンナラレコードと関係しているという話は有名で、KPOP界隈では不買運動も起きているようです。まあそうなるよね。
引用があったとはいえまた2000字を超えてしまった。とりあえず今回は3つ気になったものをピックアップしてみました。芸能人の話とか、宗教2世の話とかも入れたかったんですが…また次回にします。
この記事を書くのに結構調べ物していてメンタルにくることが多いんですが、予想以上に日本でも「すべては神のために」や韓国のカルト宗教問題への関心があるみたいで、書こうという気持ちになります。下手な文なのに、読んでくださってありがとうございます。
「すべては神のために」はNetflixで配信されている作品ですが、その続きには果てしない現実と、実際に苦しむ大勢の被害者の方がいらっしゃいます。一方で、その方々に寄り添うチョ・ソンヒョンPDやキム・ドヒョン教授のような勇気ある方々もいらっしゃいます。Netflixでの一時的なブームに終わらせず、被害者や支援者の方々の活動をずっと見守り応援していきたいです。
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