心まで白くはならない

最初にそれが起きたのがいつだったか忘れたけど、そのときの僕は持ち前のだらしなさでもって、布団に入らず居間のソファでうたた寝からマジ睡眠への移行を華麗にきめて、大変腰の痛い朝を迎えていた。

我が家のソファは茶色のカバーがかかっており、その濃いめの色合いは、1日の2/3をソファの上で過ごすという伝説のソファウェ族の血を引く僕が怠惰に暮らす中で発生する様々な汚れを隠してくれていた。飲み物のしずくがこぼれたこともあった。カップ麺の汁がはねたこともあったかもしれない。人は気が付かないけど睡眠中に大量の汗をかいてるんだってね。口が締まりのない僕はきっとよだれを垂らしながら眠っているんだろうな。汚くてごめんなさい。

ところが今朝はちょっと様子が違う。目覚めてソファを見下ろせばソファがいやに白い。正確にいうと茶色の中に点々と白い粉が落ちている。しかも僕が頭を置いていた場所だけが。さすがに混乱した。いつも見た目だけはきれいな濃茶色のソファに異常が起きていた。ちょっと待て待て、雪でも降りましたか？家の中で、頭の周りだけ？初雪観測が我が家の居間だとは思いませんでした。気象庁のみなさーんここでーす。ここで今年最初の雪の華が咲いてまーす。開花宣言してもいいですかー？？

それともなければ、僕の枕元にレミオロメンでも来ました？ララライしちゃったのかな？これを機に、いつも汚く扱うくせにファブリーズを振りかけるばかりで一向にカバーを洗濯しないことに業を煮やしたソファさんと僕のすれ違いが始まってしまうのか？もう同じ時間を生きてはいけないというメッセージなのか？二人の孤独を分け合うことはできないってか？そりゃないぜ。

まぁ実際のところは僕の頭皮のふけでした。汚くてごめんなさい。それにしてもこんなボロッボロ落ちてきたことなんてないから、その時はとても驚いた。試しに頭を掻いてみると、落ちるわ落ちるわ。頭皮からの降雪量が半端ない。積雪何センチになるだろう？皮膚の病気かと思って戦々恐々としたけど、もともと乾燥肌なこともあって試しに頭皮用の保湿ローションみたいなのを買ってつけてみたら、以後、頭からの降雪確率は0パーセントになった。キュレルさんサンキュー。

今までも冬場に頭がかゆくなることはあったけど、こんな降雪現象に見舞われることなんてなかったからびっくりである。年とともに乾燥の閾値を超えてしまったのだろうか。閾値って字面がかっこいいよね。使い方あってるかな。とにかくそれからというもの頭皮の保湿ケアを怠ると、特に冬場はふけが出るようになってしまった。今年も寒くなってきて、肉に塩コショウをもみこむがごとく頭皮に保湿ローションをもみこみ始める季節となり、しみじみと思い返すものである。みんなも肌ケアというと頭皮のことを忘れがちになってないですか？頭皮ケアもしっかりとしましょう。喜びも悲しみも虚しくなる前に、きちんとララライすることをおすすめするぞ！