#掌編小説
モビー (掌編小説)
私は『モビー』と呼ばれている。しかし、私の名前は『モビー』ではない。
それが、友人達の間で付けられる、たわいのないあだ名だったらよかったのだが、残念ながら私には友人らしい友人は一人もいない。
では、誰が私の事を『モビー』と呼ぶのか?
それは無数の知人で達である。
私は、友達はいないが、人の誘いは断ることはない。飲み会もそうだし、ボランティア活動も、宗教の勧誘も、セールス活動も、消防団も全て受
私は『モビー』と呼ばれている。しかし、私の名前は『モビー』ではない。
それが、友人達の間で付けられる、たわいのないあだ名だったらよかったのだが、残念ながら私には友人らしい友人は一人もいない。
では、誰が私の事を『モビー』と呼ぶのか?
それは無数の知人で達である。
私は、友達はいないが、人の誘いは断ることはない。飲み会もそうだし、ボランティア活動も、宗教の勧誘も、セールス活動も、消防団も全て受