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日記を書いてたらラブレターになってた

その日は、あまりよく眠れなかった。
寝付いても、気持ち悪くなって何度も起きてしまう。


あー、君の声を聞きながら寝たかったのにな。
きっと君も、残念に思ってると思うし、寂しがっているかも。
でも、僕の体調がマシになるまではそういうこと、言わないだろうな……とか、見慣れた天井を見つめ考える。


ふわっと、不安なことや嫌だった記憶が思い出されてきてモヤモヤしてくる。
「嫌なことを思い出しそうな時、太ももを5回叩いてみてください。思い出さなくなるんですよ」
先生のアドバイスを思い出して、太ももを5回叩いた。

しかし、もう思い出しちゃってるから遅い。
思い出す前って難しくないか?思い出しちゃった時のアドバイス、今度聞かなくちゃ。
文句みたいなことが頭に思い浮かんで、嫌な記憶は少し薄れる。
案外、太ももを5回叩くのは効果あるのかも?


そういえば、普通の人はこんなに考え込まないらしい。

考えないのか、僕の頭はずっと考えごとしてるのに。

何をしてても何か考えてる。それだけになれる時は少ない。映画を観ていても読書をしていても色々考える。
この時間は集中すると決めた時、例えば勉強やピアノ練習など、そういう時だけそのことだけ出来る。でも、これは長く続かない。
気を抜くと、そこから繋がる何かを考えてしまう。


考えないと気持ちも楽なんだろうか?


考えているうちに、少し気持ち悪さが落ち着いて眠気が来る。
そうして、また、数時間の短い睡眠を取る。
これを何度か繰り返した。


朝になって、君がおはようのLINEをしてきてくれた。

僕はまた、気持ち悪さと戦っていた。
君の声が聞きたいのに。
思うようにはならない。


寝不足も相まって、気持ち悪いのかもしれないからとにかく寝ようと思って診察やリハビリの時間以外は、この日は本もほとんど開かず寝ていた。

お昼前、目を覚ますと、心無しか気持ち悪さは、落ち着いていた。これなら電話出来るかも。
ああ、どうか、君の仕事が忙しくありませんように。

「休憩だよ」

この連絡に僕の心は跳ね上がる。
本調子では無いけれど、電話はできるよと早く伝えたくて仕方がない。


ずっと聞きたかった君の声、念願の君の声が僕を呼ぶ。
嬉しくて、顔が緩む。
僕も、君の名を呼ぶ。
ふたりで笑う。
好きだよって言う。


ああ、僕の全てが君なんだ。

好きで、好きで、仕方がないよ。

会えない時間も、ずっと、ずっと、君を思っているし、愛は大きくなるばかり。
話はいつも尽きない。


電話を切る瞬間の寂しさ。

切ない気持ちと愛おしい気持ちが混ざり合う。

でも、また、君の声が聞きたいよ、大好きだから。そういう思いを込めて、


「またね」


通話が切れても、しばらくイヤホンはつけたまま。
君の余韻を感じてる。


僕の毎日は、君で出来ているんだよ。

君に始まって、君で終わる。
いつでも君がいて、君を感じる。
声が聞けた時は、何倍も近くに君を感じる。
君がいてくれるから、頑張れる。


眠れない夜も、一緒の夜も。

いつだって、どんな時だって、愛してる。



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