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暗夜に想う

静かな夜だった。
幸せな夜のはずなのに。

僕は、どうしてこうなんだろう。


君と寝落ち通話がしたくて、寝たり起きたりしながら待っていた。
せっかく、通話できたのに、君に心配かけてばかりでなんだか情けなくて、心がおかしな方向へ舵をきる。

僕の心は、真っ黒な夜の海に放り出された様なって、悲しくなって涙が溢れてきた。

君が優しく声をかけてくれる。
真っ黒な夜の海に浮かんで見える船の灯りのような君。
その灯りへの安堵と、黒い海の恐怖が重なって、波濤のように気持ちが上下する。

君の声が聞けて嬉しいと気持ちが上がり、苦しくなって気持ちが下がる。
そうと決まった訳では無いのに「死にたくない」とか思ってしまう。
助けて、と波に飲まれ溺れるような僕の心。

幸せなはずの時間をこんな風に溶かしてる。
僕はなんて勿体無いことをしているんだろう。

本当に、君の声が聞けて嬉しくて、甘やかしてくれて嬉しくて、その優しい声に包まれて幸せなのに。

これも、病気のせいなんだろう。
身体がしんどいから心も弱ってしまうんだ。
今夜はそうやって気持ちに折り合いをつけようと思う。

真っ黒な夜。
君だけが、君の灯りだけが、僕をこの暗夜の迷子にならないようにしてくれる。



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