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ワクワク店舗DIY(内装編②)

前回は内装のざっくりした計画や壁紙塗装ついてのお話でした。
今回はもう少し細かい部分までお話できたらと思います。

まず間取り図から全体に何を配置するか考え、

アナログです


3方向から分割

次は実際に立った時のアイレベルで三方向から分割し用意するものや設置するもの、やることをメモし終わった項目からチェックしていきました。


りんご箱にニスをぬったり



色々と設置する前にニスやスプレーの塗装を終わらせます。
現在帯を並べている棚はりんご農家さんが使うりんご箱を中古で購入し、そのままの状態だとささくれ立っている為全体にヤスリをかけニスを塗りました。ニスは一度手につくと石鹸でも中々落ちず、手伝ってくれた友人と帰りに行った呑み屋さんでおしぼりをもらう時手が真っ黒で恥ずかしい思いをしたのも思い出です。

私はとある古道具やさんでりんご箱を使ったディスプレイを見てカッコいいなと思い「これ何ですか?!」と聞いて購入に至ったのですが、他の古着屋さんでも使っていたりオープンの時に使用を検討したという話を聞いてみんな結構同じところに行き着くものなんだなあと思ったりしました。りんご箱の利点は単価が安く同一規格で重ねて使えるところです。デメリットは本来りんごを入れる為だけのものなので作りが荒かったり材木がささくれ立っていたりすることです。新品の綺麗なものもありますが、きれいなものは値段が上がるのと古着屋としての雰囲気を出す為に多少使用感がある古いものを選びました。あまりに古いものは釘が飛び出ていたり欠けていて危なかったりするのでネットで画像やレビューを確認して中間の古さの物にしました。商品を沢山入れるのでは無く余裕をもって見せるディスプレイや野外で靴などを入れるには古いものでも充分かも知れません。

どうでもいいことですがこの写真の紙のカエルは友人が差し入れでくれたお菓子の箱についていたオマケの工作で、「やることが多すぎてこんなの作っている暇がないわ…」と言っていたら友人が「こんなん一瞬だよ」といって秒で作ってくれました。息抜きも必要です。


りんご箱は現在こんなかんじ
ライトを選んで設置したり

ライトは下北沢の東京レトロa.m.a.storeさんで購入しました。元々このお店が好きで、初めて一人暮らしをした時ここでヴィンテージのカーテンを買ったりしました。住む家で照明まで凝るのは生活に余裕がないと中々難しいですが、お店だと思う存分出来るのでめちゃくちゃ楽しかったです。ちなみに上の写真で左は暖色の電球を使っており、右側は元々付いていた白熱灯です。白熱灯を使うほうが商品の見た目が自然に近い色になりますが、色温度の高い照明を使ったほうがお店の雰囲気は出ます。それぞれの店の雰囲気に合わせて電球の色味も統一すると良いと思います。ちなみに暖色の電球だと紫や青系の商品がかなり違う色に見えるので、「家に帰ったら全然違う色だった」と返品になるのは古着屋アパレルあるあるです。お買い物するときは注意ですね。

そして電球はLEDにすると電気代が下がります。普通の電球は単価が安いですが切れるのもかなり早いです。

ちなみにこの電気がぶら下がっているレールのようなものは配線ダクトと言い、元々は一本しかついていなかったのを反対側にもう一本足しました。一応ホームセンターでも売っていますが、素人がやると配線が表に出てしまうのとさすがに怖いので電気関係だけは工務店にお願いしました。

A型看板をつくります

続いてお店の外に置くA型看板です。市販のものに塗装して作ろうと思っていたのですが、これが意外と高いんですよね。悩んだ結果これも作ることにしました。
ホームセンターで一双で300円のスノコを買い、蝶番で繋げてベニヤ板を張りました。ベニヤ板は外装で使ったものの余りを三つ並べたら奇跡的に寸法がピッタリでした。殆ど勘でつくりましたが、上手くいきました。

出来ました✌️

足が4本あるのはスノコだからです。デメリットは軽いのでちょっとした風ですぐ飛んでいくことです。裏側に土嚢やブロックを置いて使っています。
余談ですが、お店が8割方完成したくらいのところで友人に「え…動画とか撮ってないの…?」と言われました。その一言がこのブログに繋がっているのですが、私はオシャレな飯屋に行っても写真を撮らず食べ始めるような人間なので製作過程があまり残っておりません…。なので、画像でみると一瞬で完成してすみません。鉛筆で下描きして、ペンキで絵描いておわりです。

なんとなく出来てきました

ちなみに床は元々真っ白なクッションフロアだったのですが、白だと汚れやすいので着色ワックスで塗りました。1人でワックスがけしてた時が何故か1番辛かった気がします。物件が決まった後で不動産屋が原状回復として一度床を剥がして張り替えていて、私は打ちっぱなしか板張りが良かったので張り替えしないでもらえませんか?と頼んでみたのですがダメでした。一度貼ったクッションフロアを剥がすのには専用の剥がし剤が必要で、角の目立たない部分で試しに剥がそうとしてみたのですがこれを1人でやるのは無理だ!どうしよう!と思いそっと戻して、着色ワックスにたどり着きました。

余談ですが小学校の時、時々教室のワックスを塗り直す日があって、生徒が机を全部後ろに退けて放課後先生がやってくれていましたがつくづく先生って大変な仕事だなあ…と思い出したりしました。

ハンガーを塗装したり

ハンガーやラックはゴールドで統一したかったので、スプレーで塗装しまくりました。ラックは欲しいサイズのものが黒しかなかったのでこれも塗装し、突っ張り棒ですら真っ金金にしました。この辺も勘でやりましたが、突っ張り棒を金色に塗装すると思った以上にそれっぽくなり感動しました。コスプレイヤーの友達が日用品から剣とか造るのに着想を得た気がします。

ハンガーはまだ名古屋に住んでいた時、よく行っていた古着屋さんが売り場縮小の為ハンガーをまとめて格安で売っていたことがあり、いつかお店を出す時に使おうと思って購入していました。着物を普通の洋服用ハンガーにかけると肩の部分に変に後が付いてしまうので、このちょっとなで肩仕様になっているハンガーが丁度良かったのです。

窓際の棚

窓際の光が入る部分にどうしてもガラスコップなどが置きたくて、ショーウィンドウの高さに合わせてこの棚も作りました。と言っても、板を挟んで元々空いている穴にネジを差し込むだけでできる島忠オリジナルの支柱を使ったら簡単に出来ました。島忠ほんとにありがとう。

これはコーナンの画像です。すみません。。


アクセサリーを置いている茶箪笥


ロウソク電球2箇所後付け

レジ台にした古い茶箪笥の表側はアクセサリー置き場にしたのですが、こういう棚って手元が結構暗くなるのでろうそく電球を後付けで設置してます。

友人が撮ってくれた写真
こちらも友人撮影

おっと、ショーウィンドウのサインのことを忘れていました。一般的にはカッティングシートを印刷業者に依頼して貼っているお店が多いのではないかと思います。ここは最後に回していて、尚且つ開業準備の一年前にパソコンが壊れてしまったのもあり入稿のことを考えるとダルくて仕方なかった私は結局手描きで描きました。その時通っていた美容室が個人で開業された方で、内装も外装もこだわりぬいたステキなお店だったので色々相談していたのですが、「あのガラス窓のサインとかって…」と聞いたら「あれ手描きですよ!ちょっとあんまり近くで見ないで下さいw」なんていうのでそのマインドが力になりました。

お店を作っているとどんなお店に入っても造作が気になってしまい、元々よく行っていたお店でも聞いてみると「これ作ったんですか?!え、これも?!」なんてことがよくありました。やっぱりできるところは自分達でやろうというのは個人でお店をやっている人達にとって共通で、そんなお店は努力の結晶なのです。

とりあえず100均でポスカを買い、外側から描くか、店内側から描くか悩みました。外側から描けば見た目どうりに描けば良いので楽ちんですが、外の方が汚れるので窓ガラスを拭き掃除する際に落ちてしまうと面倒くさいな…と思い、店内側から描くことにしました。ということは、反転して描かないといけません。まずは大体の大きさを決め、A4のコピー用紙を四枚つなげて下書きを作りました。そしてそれを窓ガラスの表側に貼り、日が昇っているうちに太陽を天然のトレース台にして裏から描き上げました。

実は時間の部分だけオープン初日に「(そういえば営業時間書いてないな…)」と思いアドリブで描いたのであまり納得がいっておらず、そのうち描き直そうと思っています。


制作過程がないので雑すぎる解説図を用意しました。


そんなこんなで出来上がったのがこのお店です。


店外のようす
店内のようす

正直直したいところもありますし、まだまだな部分もありますがなんとか1ヶ月で内装と外装を完成させることができました。

私は突発的に音として言葉にすることがちょっと苦手で、電話よりもメールの方が楽に感じるタイプの人間なので「お店どうやって作ったの?」と聞かれると「なんか勘で作りました…」と言ってしまうのですが、「なんか勘」の部分を文章にしたらこんな感じになりました。むしろ文章だとかなり冗長だったと思いますが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

お店づくりも受験も就職も転職も、終わってからが始まりです。完成してから1年経ちましたが、なんとかやってこれたのは周りの人達の支えやお客様あってのことだなあとしみじみ思います。まだまだ一輪車操業ですが、noteをみて興味持っていただいた方も近くに来たら寄っていただけたら大変嬉しいです。

店主

〒166-0002
東京都杉並区高円寺北3-3-10
横瀬ハイツ1階B号
SUSELY

Open 13:00-19:00
大体木曜日休み

https://maps.app.goo.gl/hAhMdrZvrsvt2F3t9


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