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脱プラスチック生活

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このマガジンでは個人が日々の暮らしでできることに関した記事を集めました。環境に良いことをしたいけど、何からして良いか分からない人におススメです。
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#ライフ

「きる(着る)は生きるの大部分」ですが、「合成繊維が着るの大部分」です。洗濯でのマイクロプラスチックの発生について。

ナイロン、ポリエステル、アクリルを3大合成繊維と呼びます。現在はこれらは石油から作られて、自然界にはない化学構造をしているため生分解しません。合成繊維を洗濯すると細かいプラスチックの繊維が水中に出てきます。6 kgの洗濯で700,000本を超える繊維が放出されると言われています。 繊維の話はマイクロプラスチックの発生源としても重要ですが、我々が環境に優しかったりビーガンに生きるには食の次に避けて通れない話題ですので少し詳し目に書きます。 天然繊維とは繊維とは直径に対して長

脱プラスチックで一番初めに知って欲しいこと「プラスチックごみが海に流れつくとどうなるか」

プラスチックごみは海のゴミの80%を占めると言われています。海の野生生物はプラスチックボミを獲物だと勘違いして摂取して、胃や消化管の中がプラスチックで塞がれてしまい餓死します。動物は漁網をはじめとしたプラスチックごみに巻き込まれると、自分でこれを解くことができません。このため、窒息したり溺死したり、飢餓または捕食されることで死にます。 これまでプラスチックについて色々な記事を書いてきましたが、海洋プラスチック汚染による影響についてあまり書いていなかったので、今日はその辺につ

マイクロプラスチックがどこから来るのか?原因物質を元プラスチック開発技術者が分かりやすく解説。

最近プラスチック海洋汚染とならんで話題になるのが「マイクロプラスチック」ですよね。でも、プラスチックの話と比べるときちんと解説されている情報が少ないように思えます。今日は元プラスチックの開発技術者がマイクロプラスチックについて分かりやすく説明します。 マイクロプラスチックとは「マイクロプラスチック」という用語は、英国のプリマス大学の海洋生物学者であるリチャード・トンプソン教授によって2004年に導入されました。マイクロプラスチックは環境に放出されたプラスチックのうち、特定の

脱プラスチックのお手本にしたい!優れた日本の紙のリサイクルの状況について!

レジ袋有料化以降、紙ストローや木製カトラリー等を見かける機会が増えたと思います。今後紙容器も増えていくと思いますので、今日は紙とリサイクルの事情についてお話させていただきます。 紙のリサイクル概況2019年の紙・板紙合計の古紙利用率は64.4%、回収率は79.5%となっています。日本は、古紙の回収システムが整備されており、利用率・回収率は世界でもトップクラスにあるといわれてます1)。 1)https://www.jpa.gr.jp/states/used-paper/#:

意外と知られてないんですけど、登録商標「セロテープ®」は脱プラスチックアイテム

こんにちは。紙が破けた時、手紙を出す時、子供の工作に使う定番の文房具が「セロテープ®」。知らない人はいませんよね。では、皆さん「セロテープ®」、「セロハンテープ」、「OPPテープ」の違い知ってますか? 今日はこれを知れば明日から地球に優しくなれるマメ知識の紹介です。 「セロテープ®」と「セロハンテープ」の違い「セロハンテープ」とは、セロハンという材料の片面に接着剤を塗ってテープ状にしたもののことを指します。「セロテープ®」は数ある「セロハンテープ」の中でも、ニチバンの登録商

ウェットティッシュはプラを含む布。脱プラスチックのためアルコールの効果も説明。

新型コロナウイルスの流行でウェットティッシュの出荷が伸びているそうです。「除菌」とか書いてありますし、使えばウイルスから身を守れそうですよね。 でも、ちょっと待って下さいね。ウェットティッシュが紙だとしたらどうして濡れているのにバラバラにならないのでしょうか?また、どうしてトイレに流せないのでしょうか?また、本当に「除菌」や「ウイルス感染拡大防止」の効果があるのでしょうか?今日はこの辺について解説したいと思います。 ウェットティッシュがバラバラにならないのはプラが入った布だ

レジ袋はサトウキビが原料でも生分解しません!バイオマスプラスチックと生分解性プラスチック違いを解説します。

7/1からレジ袋が有料化になりましたね。今日は、某大手メーカーで10年以上プラスチックの研究開発に携わったけど環境問題に心を痛めて辞めた元技術者が「バイオプラスチック」と「生分解性プラスチック」の違いを学術用語を避けてプラスチックの基本から分かり易く説明したいと思います。 そもそもプラスチックって何?個人的にはこれでA4で10ページでも100ページでも語れるのですが、ここでは学術的な正確さを犠牲に非常に簡単に書きます。プラスチックの元々の意味は温かくなると柔らかくなるものの