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ヌースの夏

今年の夏は思索を深めた夏だった。

春辺りからコロナコロナでこれから先どうなるんだろう?
本当のところはどうなんだろう?

ネットにもいろんな情報が溢れて、初めは色んな情報に触れてみた。
でもあるとき、これはキリが無いと思った。

今起きていることの、本当の意味。
それは外で起きていることの本当を探るのではなく、何かが起きるということの本質を探っていくことだ。僕はそういう方向に切り替えた。
情報化が行き過ぎた現代はいくら情報を積み上げても、際限がない。

さあ、反転しよう!

これは今、僕が興味をもって本やネットで勉強している宇宙哲学「ヌーソロジー」でよく言われるテーマ。
ヌーソロジーは半田広宣さんが提唱されている新しい宇宙哲学。書籍やレクチャー、YouTubeなどで新しい世界観、ゲシュタルトを展開しておられる。

このヌーソロジーに出会ったのは、約5年前。初めは難しすぎて何が何だか分からなかった。ヌース(ヌーソロジー)独特の用語、概念なんかもあり、通常の感覚で読み進めても頭に入ってこない。
でもここの世界観に魅了され、何とか理解したいと頭に汗をかいた。

ヌースは考え方を考えるという分野なのだ。
新しいゲシュタルトを作るという明確な方向性がある。

そのために今のゲシュタルトがどのように構成されているのかを知らなければいけない。

こういったゲシュタルトは精神分析や心理学ではよく取り扱うテーマ。心の世界、それぞれが認識している情報空間、認知の世界の話で出てくるワードだ。

ヌーソロジーではこのゲシュタルトを解体し反転させていく。
私たちが普段認識している「心、内の世界」と「外の世界」を反転させてみるのだ。
心の世界は目に見えない、見える世界は現実の世界。
つまり、精神は見えない、物質は見える。
この見えている世界に新しい視点の方向性を加える。


これはヌーソロジー半田広宣さんもレクチャーなどでよく出される図形。
アクアフラット。

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(引用元:https://noos-academeia.com/mail-magazine/mail-magazine.html)

この図形は三次元立体の正六面体とみることも出来るし、二次元平面の六角形の形としてみることも出来る。
ここから普段自分がみている世界をもう一度思い返してみる。
三次元の空間に生きていると思ってい入るけど、実際の見え方は表面しか見えていない。スクリーンに映し出された絵を立体化させているのは自分自身の認識だった。
さっきの図形をどちらでも見れるようにしているその認識、それは現実の世界でも同じだった。
そして、三次元立体のように見えるために必要な観点、それが「他者」。
他者の視線を自分に取り入れることにより、自分の肉体も物質として自己認識にあがる。そのときに初めて三次元世界、三次元空間が生まれる。そして空間を定義するため、空間は計量の対象となり計量の網目が私たちの世界を取り巻いている。

この世界の見え方は自己と他者の折り重なりから生まれていて、そこを解体していくと忘れ去られていた世界が浮かび上がってくる。
それは自己の世界。実際に見えている世界。見ている私。
ここから三次元が見えているわけだから、見ている場所はそこより上次元。すると四次元・・・?
そしてヌースでは四次元時空ではなく四次元空間という言い方をする。
図形(アクアフラット)の真ん中から、奥行きに伸びる線をイメージするのだ。
その線が進む方向は一点同一視され畳み込まれている。距離の無い世界、時間の無い世界。無限遠点という言い方もされる。
それこそが四次元の私、見ている私、そしてそれは、精神の世界。精神というのは見えないわけではなく、見えている目の前に広がっている構造のことだ。
この構造を時空で表すと、なんと素粒子だという話に繋がる!

精神と物質が繋がった!

反対に三次元に見えている世界は他者側から回り込んだ世界、見られた世界として映した世界。実はその世界の方が見えていな世界なのかも。鏡に映っているだけの世界。過去の色々な物語の中でも鏡の世界に閉じ込められた設定等はよく使われてきた。その代表的な物語が映画『マトリックス』。これは半田さんのレクチャーでもよく取り上げられる。マトリックスを抜け出すのか、そのままその世界に居続けるのか?

反転しよう!とはマトリックスを抜け出そうという意味だと思う。
そして、その抜け出し方を知るには、世界を、目の前の空間の構成を知る必要がある。

アクアフラットと名付けられたこの図形の意味がヌースに出会って5年でやっと腑に落ちた。(もちろんこの図形はもっとたくさんの意味が込められている)
目の前に見えていた空間のゲシュタルトから考え直すなんて考えたことが無かった。
この感覚は知識を得ることではなく、実際の知覚と思考(言葉)を重ね合わせて行くことに思える。ここが既に自己と他者。四次元空間と四次元時空。この世界の最大の二元が絡み合っている。

自己と他者という言葉を何度反芻しただろう。
そして、この感覚はとても世界に優しくなれる感覚だ。
そこも大好き!

今年はヌースの夏だった。