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20230226 近くにいるのに

家事をひと通り済ませ、娘に頼まれたものを買うために電車に乗る。人が多い。人混みを歩くとき、正面を向かず視線を少し下に落とすと人酔いしない。わたしの場合。

スーパーで一週間分のまとめ買い。重たい。帰宅後、息つく間もなく下拵えに取りかかる。

夫がのっそりベランダで一服している間に人参2本分をラペにする。食べられてしまわないようにタッパーにラベルを貼る。本当はこんなことしたくないけど「作り置き」の概念がない人にはこうするしかない。

かぼちゃを煮る。新玉ねぎをマリネ液に漬ける。具沢山のお味噌汁を作る。
料理をしているあいだ、わたしの脳は忙しい。野菜を千切りしながら、いま思い浮かんだ言葉を文字にできたらどんなに救われるだろうと思う。忘れないうちにスマホにメモする。

「原動力は怒り。報われない悲しみ。それがわたしのエネルギーになっている。怒り心頭状態のわたしの能力は高い」

…なんだこれ。

どうせなら暖かい気持ちでごはんを作りたいのに。自分のために、自分の食べたいものを作る日が待ち遠しい。

よる。
メルカリで本が二冊、洋服が一着売れた。
順調に進む断捨離。


近くにいる人を遠く感じることがある。

同じ屋根の下で暮らしているのに。
隣を歩いているのに。
皮膚と皮膚をぴったり合わせて抱き合っているのに。

どの人も、わたしから遠く離れているような気がする。わたしの問題。


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