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SORACOM UG 四国 in 高松 2024初夏 IoT×生成AI=!! 参加レポート

生成AIは、IoTの現場にどのような変化を与えるでしょうか?
SORACOM UG 四国 in高松に参加して得られた気づきを整理します。


■開催概要

2024年5月18日、香川県高松市でSORACOM UG 四国のイベントが開催されました。テーマは「IoT×生成AI=!!」でした。以下はWebサイトから引用した概要です。

SORACOM UG 四国の勉強会です。
生成AIになんでも相談する人がポツポツと現れ始めた2024年、、、IoTがもたらすデータを生成AIが活かしてくれる時代はくるのでしょうか。
ということで、今回の勉強会は・・・
生成AIとIoTの関係、そしてIoTの最新事例を学んじゃおう!の回です。

IoT・AIのインテグレートに携わる方、IoT・AI・クラウド・SORACOMに興味がある方、集うメンバーと交流したい方、ぜひご参加ください!

出典:告知Webサイト

■IoTの活用事例は3つに分類できる

ここからは、参加して得られた気づきを一つずつ整理します。

まずはソラコム松下さん(max)の登壇から。テーマは『今だからこそ学ぶ!IoTの全体像と最新事例、生成AIの基礎』でした。この中で、印象に残ったスライドを2つご紹介します。1つ目は次のスライドです。

3つの活用事例があるというスライド

IoTの活用事例を分解すると、以下の3つに分類できるとのことでした。

  1. どこでもつながる通信で、労働力の置き換え

  2. データの解像度向上で、既存ビジネスのスマート化

  3. 業界を超えた連携で、新たな顧客価値を創造

一つずつ見ていきます。

  1. どこでもつながる通信で、労働力の置き換え:従来、人の労働力を投入していた現場をセンサーで置き換える事例です。現場をお持ちの方であれば、用途が思いつくのではないでしょうか?効果がわかりやすいため、まずはこれから始めるのがよいかもしれません。私が携わった事例では、従来、人の労働力で燃料残量を確認していた現場を、センサーによる残量確認に置き換えることで労働力を削減しました。これは1に分類される事例です。

  2. データの解像度向上で、既存ビジネスのスマート化:データ解像度とは、より細かなデータを取得するという側面もありますし、より速く、より適切なタイミングで取得するという側面もあります。私が携わった事例では、機械設備の異常に関し、従来は現場に行って初めて異常に気づくという状態でしたが、センサーとLINE Notifyによる設備異常通知を実装することで、設備異常に即座に気づくことができ、受け身の対応から能動的な対応に変えました。これは2に分類される事例です。

  3. 業界を超えた連携で新たな顧客価値を創造:私自身、3の経験は無いのですが、この領域まで踏み込むことができると面白いですね。

■生成AIとIoTの関係

『今だからこそ学ぶ!IoTの全体像と最新事例、生成AIの基礎』という登壇における2つ目の気づきはこのスライドです。

IoTデバイスが入力となり、さらには出力をIoTデバイスにフィードバックできる

2024年5月19日現在、生成AIの主な活用事例は、自然言語によるプロンプトを入力とし、文章・プログラム・画像等を出力するものです。この入力部分にIoTデバイスが組み込まれると何ができるでしょうか?IoTデバイスで得られたデータと、データに関連するプロンプトを入力とすることで、データに基づく判断を出力し、さらに、この出力をフィードバックさせることもできることが紹介されました。

このように、IoTデバイスを入力とすること、さらに出力をフィードバックさせられるということは、これまで考えたことがありませんでした。生成AIの誕生によって、入力と出力の関係が無数に増えました。どのような活用事例があるかを抽象的に理解しつつ、具体的に現場に落とし込んでいきたいと思いました。

■SORACOMの生成AIサービス

続いて、ソラコム井出さんから「IoTプラットフォーム『SORACOM』の位置づけと始め方」というテーマの登壇がありました。ここでの気付きを2つご紹介します。

1. SORACOM Harvest Data Intelligence

Harvestに溜まったデータと自然言語によるプロンプトを入力すると、自然言語による出力がなされます。正直、2024年5月19日現在、私はあまり使っていないのですが、今後できることが増えるのだと思います。

2. SORACOMサポートサイトにおける生成AIからの回答を受け取る機能

この機能を用いることで、ソラコムサポートの人による回答ではなく、生成AIによる回答を数秒後に受け取ることができます。私自身、ソラコムサポートに問い合わせする内容は、自分自身でもそれなりに調べ、それでもわからない場合に問い合わせするというレベル感でした。よくよく考えると、SORACOMで生成AIからの回答を受け取れる機能があるのであれば、従来以上にさっと問い合わせすることができますね。Googleに聞く/ChatGPTに聞く感覚で、SORACOMの生成AIに聞くという活用をすると、問題解決スピードが速くなりそうだと感じました。

■LT(ライトニングトーク)で得られた学び

SORACOM2名の登壇の後、4件のLT(ライトニングトーク)がありました。

1. SORACOM UG x 生成AIが生み出す好循環

1件目は、私がLTさせてもらいました。キーメッセージは、生成AIの誕生でプログラム書くことが楽になった。しかし、そもそも生成AIに人がプロンプトを入れるためには、人の「◯◯やりたい」というキッカケやモチベーションが必要であり、SORACOM UGのようなコミュニティの力が効果的。SORACOM UGと生成AIの組合せが、好循環を生み出している、というものです。スライドは下記です。よろしければご覧ください。

2. LTE-M Button で帰宅をお知らせしてみた

2件目のLTは、スライド構成や話し方が上手く、惹き込まれました。通知には、家で余っていた回転灯を使われたとのことでしたが、回転灯って家で余っているものでしたっけー!?

3. LT(Lightning Talk)のドキドキ間を共有するIoTぼっとキーホルダー!

3件目のLTでは、電子部品を覆うケースとして布を採用した話などものづくりにおけるこだわりを感じました。そして、ドキドキ間をセンサーで計測しながら登壇するという試みが面白いですね。人柄含め、惹き込まれました。

4. 娘が鍵っ子になりたいのでスマートロックの物理鍵を作った話

4件目は、如何にWi-Fi対応マイコンを電池駆動で動かすかを試行錯誤され、結論としてRaspberry Pi Pico Wであれば、1.8~5.5Vの電源を突っ込めば良い感じに動く、ということでした。学びになります。
https://drive.google.com/file/d/1SR7euiURd_533-A9hxn2zADFVhFv5yNr/view

■生成AI × IoT × クラウド型カメラ ワークショップ

LT後、ソラコム松下さん(max)によるワークショップがありました。資料はここに公開されています。概要は、SORACOMのクラウドカメラであるソラカメの動画から、静止画を切り出し、生成AIに投げ込み、解析するというものでした。

驚いたことは、画像の中には何が映っていますか?というプロンプトを画像ともに入力した場合、

画像には、ライブカメラの映像が映っており、東京の羽田空港が表示されています。画面には、飛行機が数機駐機している様子が見られます。左下には、デジタル温湿度計が置かれており、温度が24.9度、湿度が52%と表示されています。画面の右下には、2024年5月16日22:29:59という日時も表示されています。

ChatGPT 4o

という、具体的な回答が返ってきたことです!

ChatGPT 4oに入力した画像とプロンプト。そして、それら対する回答。

他にも、

入力:画像の中の黒い枠の中に映っている航空機の台数を数えてください。

出力:黒い枠の中に映っている航空機の台数は9機です。

ChatGPT 4o

入力:航空機はどこの会社のものかわかりますか?

出力:航空機のほとんどがANA(全日空)であることが確認できます。尾翼に描かれている青色のデザインがANAのものと一致します。

ChatGPT 4o

2024/05/19時点でここまで画像分析できるんですねー!
驚きました。

■まとめと今後の課題

SORACOM UGの勉強会と、勉強会後の懇親会を通し、学びと気づきとモチベーションを得られました。また、現在IoT関連の開発を進める中で抱えている課題に対し、色々とアイデアを頂くこともできました。頂いたアイデアとモチベーションを、生成AIという道具を使いながら、引き続き実装していきます!

■参照

ソラコム松下さん(Max)のスライド。

ソラコム井出さん(takao)のスライド。


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