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虚無が山になるまで 一年目の登山記・B

虚無が山になるまで 一年目の登山記・Aから続く

本来登山のシーズンは春と秋と言われる。
ただ今年の夏は冷夏で、また梅雨が長引いたぶんの食い足りなさもあり、夏の間もわりと休まず登ってしまうかたちになった。
8月の頭に登った上高地の活火山・焼岳がまたひとつの転換点になった。
はじめて夜行バスを使い前日夜から山に向かったが、この早朝からの登山というのが素晴らしく気持ち良い。
上高地は涼しく、天候も最高。


こうした思いをしてしまったので、9月の頭にはふたたび夜行バスで、今度は尾瀬の至仏山へ。ここでも最高の天候に恵まれる。朝の光を反射する尾瀬ヶ原は神々しいまでの空気に充ちている。

二週間ほどして登った八ヶ岳のにゅうでは、オスプレーの38Lザックを導入した。
今までのモンベルのほぼ倍の容量のザックになる。
この頃には山にドールを持ち込み始めてしばらく経っていたから、容量不足を感じ始めていたのが大きい。くわえて、気温が下がってくれば、防寒具など荷物は増えてくる。

ザックの容量増で、また新しい選択肢が出てきた。
山小屋で一泊して、日が昇る前から山を登る。
なにか道具に先導されるような感じで、自然とそちらに足が向いた。
そうして登った南アルプスのアサヨ峰は、今年で最も心に残る山になった。

それからもまた様々な山に登った。
山用のガスコンロで火を起こしたりとやることも広がった。
先日は今年のシメをということで、浅間外輪山の黒斑山周辺の山を登った。
一応の備えと思い軽アイゼンを装備に足していったら、これがうまいこと役立った。
登山道はほぼ凍結して稜線上は雪を被り、思いがけず冬山の入門編になった形。

山に関してはもう自分の欲求に素直であろうと思っていて、そのために一年(というか5月からの半年と少し)でこんな道のりとなった。
YAMAPの記録だと22回の山登りで50のピークに登ったことになっている。
そのキリの良さもあって、山を登って一年でこういう景色を見れたりとか結構良いよ、というのを記しておきたくなり、記事にした。
なにより、こういう最初の年に思うこと、思っていたことって、続けていくと忘れていくんじゃないか。
たぶん経験を積んでから、初心者にこうするのを奨めます、みたいなことで書くとまた違ったものになってしまう気がする。
自分が辿っているのはあまり普通の手順ではないのかもしれないけど、何かの参考になれば幸いだ。



それぞれの山の細かな登山記録と写真はYAMAPの自分のページで公開している

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