どひょ〜!どんなコトバもワードスコイ 制作ノート座談会 (後編!)

昨日の前編(https://note.com/surumedays/n/n9057cb45b395)に引き続き、後編です!

ワードスコイはBOOTHにて販売中です→https://booth.pm/ja/items/2896419

登場する人たち:

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みなさんこんにちは、するめデイズのチカールです。引き続きぼくがインタビューしていきます。(以下、チ)

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するめデイズのニルギリです。ワードスコイを作りました。引き続きインタビューされていきます。(以下、ニ)

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<チ>
「コンポーネントもなく、声だけで通話でも遊べる」っていう手軽さがこのゲームの最大の魅力でもあるわけだけど、いざそれを製品にするってなったときに、「パッケージにしない」っていうのはかなり思い切った決断だったよね。

<ニ>
車の中でテストプレイしてたときに、「このゲームは持ち運びやすい形にした方が絶対いいな!」って思ったんだ。だから、箱を空けて紙とペンを取り出して、そこにマニュアルがあって、お題が書かれたカードがたくさんあって…という形は違うなって気付いて。「それなら箱もいらないな」って。

<チ>
最終的にはルールブックもカードもなく、「軍配」と使用が任意の「メモ帳」だけって形になって。

<ニ>
軍配の裏側にルール説明が書かれていて、お題もカードの代わりにQRコードを読み取ったら、ジェネレーターからランダムのお題が出てくるような形にして。これにはコスト削減だけじゃなくて、「お題の量をわからなくしたい」っていう狙いもあったんだ。このゲームのお題は基本的に使い切りだから、他のカードを見たりしないでもらいたかったし、最終的にはプレイヤーがお題を作ることがメインになっていくので。

<チ>
実は、密かにジェネレーターのお題が無料アップデートで増えたりもしてて(笑)。逆に売り物として考えた場合は、パッケージもないしカードも入ってないってなると、なかなか購買欲につなげるのが難しかったと思うけど、そこはどう割り切ったんです?

<ニ>
そこは一番悩んだ部分でもあったんだけど、商品としての魅力を上げて「モノとして持つ価値がある」と思えるものにしていくしかないなって。デザイナーのりょりょりょさんは女性なんだけど、「自分がお金を出してちゃんと買いたいと思えるものにしてほしい」ってお願いしたんだ。

<チ>
最終的には女性ならではのポップでカワイイ、誰でも手に取りやすいデザインになったよね!

<ニ>
軍配もただのプラスチックと紙じゃなくて、手に持ったときに面白いと感じるように木製にしてみたり。最終的に出来上がったものは満足のいく形になったし、これだけ遊んでみても自分でまだまだ遊びたいと思える、いいものにできたかなって。

<チ>
結果的にはできたルールもすごくシンプルだけど、適当に作ったらこうなったってわけじゃなくて、手軽さの魅力を追求していったらこの形にまとまったって感じだよね。実は細かい点を何度も変えながら、ものすごい回数テストプレイもしてて。

<ニ>
そうなんだよ。逆に一緒に出した「クオキ」は実際に集まった上で、それから何十日って時間を空けないとテストプレイができないから、なかなか完成しなかった部分もあって。作者としてはその両極端ぶりが面白くもあったんだけど(苦笑)。

<チ>
「自由と無責任」さがこのゲームの魅力で、ただ思いついただけのことでも、なんでも言っていいって気軽さがあるよね。作者としてはワードスコイの魅力はどこにあると思ってるのかな?

<ニ>
やっぱり体験したことのないような、このプレイ感覚じゃないかなって。フワフワとした自由と無責任さを味わいながら、それでも最終的にちゃんと勝敗がつくゲームってなかなかなくて。自由と無責任さだけだったら、オチのない普通の会話自体がそうなんだけど、それが最終的にゲームに収束するってのが独特な点だと思ってて。

<チ>
ルール説明もほとんど不要で、何人でも気軽にできるのもいいよね。実際、Twitterで新しく始まった「スペース」の機能とも相性がよくて。深夜にオープンの部屋を立てて、自由に入って来てくれた人たちと、フランクに遊べるってのはすごく楽しい体験だった。初対面も多いメンバーの中に、どんどんグルーヴ感が生まれていく感覚があって。

<ニ>
いきなり入ってきた人が、適当につぶやいた一言で勝者になる可能性も全然あるっていうね(笑)。普段ゲームを遊ばないような人の方が、逆に面白いワードが出てきたりするところもあるんだ。クラブハウスで遊んでたときに文系の人が入ってきてくれて、「リルケの詩集」とかいちいちスゴいワードを出してくるんだけど、それがいいアクセントになったりもして。

<チ>
どんな言葉でも、このゲームに関してはNGは一切ないからね。「大きい小人」みたいなよくわからないワードとか、「宇宙銀河系症候群」とか実際に存在しないワードだって思いついたら言っていいし、それがうっかり勝ったりする可能性も全然あるという(笑)。

<二>
「いい言葉持ってくるな~!」っていうワードセンスが面白かったり、勝ち負けが全然わからないのに「これはいいワードだな!」って思える瞬間が存在する時点で面いなって。それも自由で無責任だからこそできることだと思うんだ。推理への議論だったら余計な発言はできないけど、何を言っても許されるっていう場だからこそ、そういうものがドンドン出てくる。

<チ>
そういう意味では、ただ勝敗を競うだけじゃなくて、プレイヤーの遊び心が問われるゲームでもあると思うよね。

<ニ>
誰でもできるからこそ、面白くなるかはプレイヤー次第なところもあって。一緒に遊んでくれた人の中には「ガチでやってみたい」という人もいて、そういう遊び方の幅のあるゲームでもあるのかなって思ってる。

<チ>
逆に言うと、「ここが魅力なんです!」とか「こういうゲームなんだよ」ってことを伝えるのが、かなり難しいゲームだと思うんだよね。実際にプレイしてもらえればすぐに理解してもらえるんだけど…。

<ニ>
そうなんだよね…。特に今回のゲームマーケットはコロナで試遊卓を立てられなかったこともあって、それを伝えるのが難しくて。今回こうして文章で残したいと考えたのも、なかなか価値を伝えづらいという点があって。一見すると誰でもすぐに作れそうなゲームなんだけど、せめてその過程でどんなことを考えてたのかは残しておきたいなって。

<チ>
だけど、いざ出してみたら意外にもボードゲーム製作者や、コアゲーマーの人たちがいち早く反応してくれたところもあったよね。

<ニ>
そうそう、発売した後に玄人の人たちが「このゲーム、やってみたら実は結構スゴイぞ!」って感じになってくれて。それがすごく嬉しかったんだ。

<チ>
自分はこのゲームの最大の価値は、「ものすごく手軽に、面白い謎が作れてしまう」ってところにあると思ってて。ナゾナゾとかパズルをイチから作るのは大変だけど、ビックリするくらいカンタンに大量の謎を次々と作れてしまうツールでもあるんだよね。

(END)

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