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【RIDE Oigawaで、風を切って旅しよう~秘境ライド編~】 SURUGA Cycle Journal Vol.61

静岡県中部にある一級河川・大井川をみなさんはご存じでしょうか?南アルプスから流れ出るその全長は168kmもあり、緑豊かな山々と茶畑、エメラルドグリーンに輝く湖面など、いたる所に美しい自然の原風景が広がっています。本記事は、そんな大井川沿いでのサイクリングの魅力をお伝えする企画第3弾です。2020年夏に訪れ実走してきたので、その内容をお伝えしたいと思います。

コースのご紹介です。大井川流域サイクルツーリズム協議会さんが発行する冊子「RIDE Oigawa」に掲載されている全4コースを、島田エリアから上流へ向けて1コースずつご紹介しています。第3弾「秘境ライド」のコースは、だんだんと山深いエリアに入っていき、アップダウンとトンネルが急増する27.7kmのコースです。そしてその名のとおり、秘境とよばれるスポットが満載でもあります。

▼RIDE Oigawa
https://www.city.shimada.shizuoka.jp/fs/1/3/1/9/9/6/_/RIDE_Oigawa.pdf

ナビゲーターは過去2回と同様、元ロードレース選手の田代恭崇氏とスルガ銀行サイクリングプロジェクトメンバーの田原が務め、電動アシスト自転車のデイトナポタリングバイク「DE03」に乗って巡りました。

「秘境ライド」のスタート地点は、「温泉ライド」の折り返し地点にあたる「千頭駅」です。こちらの駅は大井川鐵道大井川本線の終点であり、井川線の始発駅でもあります。

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井川線は大井川上流部・奥大井の渓谷をゆっくりと走る日本唯一のアプト式列車で、「南アルプスあぷとライン」とも呼ばれます。大井川水系のダム建設のために作られたという歴史を持ち、今は奥大井の観光列車として人気を博しています。90パーミルという鉄道日本一の急勾配を乗車して感じられる特別感や、日本一の高さの鉄道橋(関の沢橋梁)、接岨湖に浮かんでいるように見える奥大井湖上駅など、見どころたくさんの路線です。

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さっそく千頭駅で赤いトロッコ列車を見つけ、テンションが上がるふたりでした。

▼大井川鐵道アプト式列車に乗る
http://oigawa-railway.co.jp/abt

それでは出発!と行きたいところですが、走る前からスイーツ補給をすべく、千頭駅前にあるふれあいショップ「やんばい処」さんへ。こちらでは大判焼き風の「SL焼き」が人気と聞き、おじゃましました。

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生地に練り込まれたお茶の香りと餡のコラボがクセになるようです。が、時間が早すぎてまだ焼いていませんでした。そのかわり、お店のご主人から人気メニューのひとつ「ジャンボ串焼き」を紹介されました。

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大きさが売りというだけあり、本当に大きな牛串でした。お得感があって、人気メニューというのも納得です。向かいのお店「川根物産」さんでは「元祖 川根茶ソフトクリーム」も販売していて興味をそそられるフードが多く、駅周辺の散策だけでも大いに満喫できそうです。

▼やんばい処
https://okuooi.gr.jp/index.php

次に立ち寄ったのは「奥泉駅」です。標高は369m、徐々に上がってきました。1959年開業の駅舎は味があって、温もりのある落ち着いた雰囲気を漂わせています。

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ホーム横には茶畑と花畑があり、その光景にも癒されました。

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奥泉駅の近くにはちょっと珍しい橋があります。「渡谷橋(とやばし)」です。1車線分のトラス橋が2本並んで架かっているのですが、両方ともトラス橋というのは、山中ではかなり珍しいそうです。

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山深い緑に囲まれた朱い橋という風景も、強く印象に残ります。紅葉の時期も見てみたいですね。現在下り線に用いられている橋が旧のもので、上り線が新のものです。

また、ここにも茶畑が。いたるところにあって、その緑に癒されます。

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「長島ダム」までやって来ました。大井川の上流、川根本町に建設された多目的ダムで、洪水調節、流水の機能の維持、かんがい、水道用水・工業用水の供給を目的としています。水力発電を行わないダムとしても大井川では唯一となる珍しいダムですね。大井川には複数のダムで水力発電が行われており、一大電源地帯となっています。

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ダムに堰き止められた接岨湖(せっそこ)を眺めながらダムを渡ります。エメラルドグリーンの水面が綺麗ですよ。

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次は写真映えスポット「奥大井湖上駅」です。朱色の鉄道橋が緑に包まれ、一見すると精巧なジオラマのようです。長島ダムの建設に伴い誕生したダム湖(接岨湖)の左岸につき出た半島状の場所に建てられています。

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その半島の両脇には南アルプスあぷとライン(井川線)の鉄道橋「奥大井レインボーブリッジ」が架かり、まるで湖の上に浮かんでいるかのように見える、とても不思議な駅です。「COOL JAPAN AWARD 2019」を受賞したこともあり、大井川の観光名所として人気上昇中です。

接岨峡温泉駅に向かって走ると、接岨湖にかかる大きな吊り橋「南アルプス接岨大吊橋」が見えてきます。渡ってみると、金属製の手すり、足場ともに安定していて、ほとんど揺れを感じません。歩行専用の吊り橋としてはかなり頑丈な造りですね。

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橋の上からは南アルプスの山々が望め、夕暮れ時は影絵のような山の稜線と夕陽を反射して光る大井川の水面がとても美しいです。

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「接岨峡温泉駅」に来ました。1959年開業の駅で、木造の駅舎にも味があります。標高は496m、山間の駅です。

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また、駅のすぐそばには、温泉宿「森林露天風呂」さんもあって日帰り入浴も楽しめます。豊かな自然に囲まれた秘境の温泉宿で、日常を忘れてゆっくりするのも良いかもしれません。

▼森林露天風呂
https://www.shinrinrotenburo.com/

秘境コースの折り返し地点、「接岨峡温泉会館」に着きました。こちらの接岨の湯は、通称「若返りの湯」と呼ばれていて、 泉質は重炭酸ナトリウム泉、胃腸疾患、神経痛に効能があるそうです。

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若返りと聞き、がぜん入りたくなるふたりでしたが、ここは気持ちを抑えて復路となる「接岨峡大橋」を渡りました。

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次のスポットは地元のおかあさんたちが営む食堂「天狗石茶屋」さんです。おでん、山菜てんぷらそば、おこわ、柏餅など、昔ながらの手作りの味を楽しめます。天然栽培のシイタケや地場産品も販売しています。今回は店休日のため外観だけお届けします…残念。

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それでは、スタート兼ゴールの千頭駅を目指しましょう。奥大井湖上駅を頂点に、アップダウンを繰り返し、ようやく「両国の吊橋」まで戻って来ました。ゴールまであともう少しです。

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こちらは、大井川と併走する南アルプスあぷとライン(大井川鐵道井川線)の真上にかかる吊橋です。秋には間違いなく紅葉もきれいでしょうね。長さは145m。ほとんど揺れません。吊橋初心者でも安心して渡れますね。吊橋の上からは、井川線の車両区を見ることができます。

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千頭駅に戻ってきました。今回はなかなか体力を消耗するコースでしたが、これから食べるメニューのためにも頑張りました。そう、念願のダムカレーです!ダムのある地域には必ずと言っていいほどダムカレーがあるような気がします。おじゃましたのは「cafeうえまる」さん。自家農園で採れた野菜を使って、手作り料理を届けるカフェで、長島ダムをモチーフにした名物ダムカレーが話題のお店です。

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そして、カレーはこちら。

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やっぱり写真映えしますね。トッピングのエビフライやベーコンにゆで卵は、順に「しぶき橋」「アプト式列車」「奥大井湖上駅」をイメージしているそうです。

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デザートにはジェラートがおすすめです。今回いただいたのは、川根ほうじ茶のジェラートで、こちらも自家製となっています。

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今回もサイクリングだけでなく美しい景色に美味しいグルメを存分に味わったライドでした。あっという間のコースではありましたが、前述のようにアップダウンやトンネルも多いので、時間に余裕を持って安全走行を心がけて訪れてみてください。

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【今回の旅路】
千頭駅→ふれあいショップやんばい処→奥泉駅→渡谷橋→長島ダム→奥大井湖上駅→南アルプス接岨大吊橋→接岨峡温泉駅→接岨峡温泉会館→接岨峡大橋→天狗石茶屋→両国の吊橋→cafeうえまる

Information
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