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Surre物語 RAGE優勝編

こんにちは、SekappyアンバサダーのSurreです。

2022年も残すところあと僅かとなりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

今年を振り返ってみるとプロゲーマーの引退や転職、育児など初めて体験すること尽くしで、まさに激動の一年となったように思います。


今回より「Surre物語」と題し、これまで体験してきたShadowverseやプロゲーマーにまつわるエピソードを皆さんにお話ししていこうと思います。

第一回となる今回は、自身のルーツとなるShadowverseの大型大会『RAGE』での優勝を振り返ります。

Shadowverseを始めたきっかけ

僕は幼いころから様々なカードゲームに触れてきました。

趣味の楽しみ方は人によって異なると思いますが、小学校6年生の時にインターネットで拾ったデッキを使って近所のショップ大会で優勝して以来勝ったときの達成感に心を奪われてしまい、「大会で結果を残すこと」に重きを置いて活動してきました。

学生時代は学業を疎かにするほどのめり込んでいましたが、就職を機に対戦機会も激減。「こうしてカードゲームから卒業していくんだな…」と思った記憶があります。

そんな悩みをTwitterに書き散らしたところ、友人からShadowverseを紹介されました。そこで初めてデジタルカードゲーム(以下、DCG)という存在を知ったのですが、「カードゲームは同じ場所で向かい合って対戦する必要がある」という固定概念が覆された瞬間でもありました。

空いた時間で対戦できる気軽さに魅了され、すぐさまのめり込んでいくことになります。

Shadowverseのゲーム性

Shadowverseは1ターン1分30秒という制限時間や頻発するランダム効果など、DCGならではと言える要素が盛り沢山です。

しかし、ボードアドバンテージを取って対戦を優位に進めるという基本意識は他のカードゲームとさほど変わりありません。
これまで培ってきた経験も活かすことができ、約2週間でMasterランクに到達することができました。

その速さに知り合いにも驚かれると共に、「このゲーム得意かも?」という感覚も芽生えつつありました。

いざRAGEへ?

Shadowverseを初めて約2ヶ月、ある程度自信もついてきたので当初からの目標であったRAGEへの参加を決めました。

当時は【Tempest of the Gods / 神々の騒嵐】発売後の環境でしたが、強いとされていた『ランプドラゴン』が高レアリティすぎる故にどうしてもカードが足りず、このタイミングで初めてクリスタルを購入したことを思い出します。

驚異のレジェンド16枚

補欠当選(リザーバー)だったものの、参加できるだろうと高を括ってはるばる東京へ。

番号が書かれた整理券を運営の方が1枚1枚手動で引いていく抽選スタイルだったのですが、最後まで自分の番号が呼ばれることはありませんでした。

初陣は大会デビューすらできずに東京観光で終わってしまいましたが、これまで3回開催された大型大会は全て友人がファイナリスト(※1)に上り詰めていました。これに感化され、モチベーションが低下することなくゲームに没頭していきます。

(※1)
RAGE vol.3 hiroya選手
ファミ通Cup ふぇぐ選手
RAGE vol.4 ザイル選手

本当のRAGEデビュー

苦汁を飲まされたRAGEから約3ヶ月、東京大会へ再度応募し今回は無事当選。ついにRAGEデビューを果たすことができました。

準備万全で臨んだつもりでしたが、初戦はスマホを持つ手が震えてしまうほど緊張したことを覚えています。
大会には多くの友人が参加しており、ラウンド間の会話で徐々にリラックスすることができました。

4勝1敗がDay2進出ラインでしたが、3勝1敗で迎えた5回戦の最終セットで不利な状況からトップデックした《バハムート》で盤面をひっくり返して勝利。鳥肌が立ちました。

インタビューなどで好きなカードに《バハムート》を挙げているのはこのエピソードが大きな理由です。

Day2進出を決めると、その勢いのまま予選7回戦やプレーオフトーナメント2回戦の計9試合を全勝してGRAND FINALS進出を決めることができました

東京予選を勝ち抜いたファイナリスト5名

GRAND FINALSに向けて

予選からグランドファイナルまで約1ヶ月期間があり、これまで経験したことのないBo5というフォーマットに慣れるところから練習がスタート。
それまではRAGEに向けた練習は全て一人で行っていましたが、幸いなことに遊戯王時代の友人たちに練習を手伝ってもらえることになりました。

当時5年以上付き合いがあったkiraも同じくファイナリストになっており、「一緒に調整しよう」と意気込んでいたりもしていましたが、予選大会から約一週間後に行われた組み合わせ抽選会でGRAND FINALS1回戦の対戦相手がkiraに決定。くじ運の悪さに絶望していました。

トーナメント表も決定し、本格的に練習開始。1回戦で対戦するkiraを少なからず意識する必要があったものの、優勝するためには他6名の持ち込みデッキも視野に入れなければならず調整は難航しました。

予選でも持ち込んだ『ランプドラゴン』は早々に確定。同じく『ミッドレンジネクロマンサー』も《魔将軍・ヘクター》の下方修正の影響を受けてもなお強デッキと認識できたので次点で確定。3デッキ目の持ち込みを精査していました。

当時は《黄金卿の獅子》を擁したニュートラル軸の『獅子ビショップ』が流行していましたが、自身で使用した際は勝ち切ることができず苦手意識さえ芽生えていました。
そこで、今大会では使う側ではなく思い切って倒す側に回ろうと思い、本番約1週間前に『コントロールヴァンパイア』に到達。急ピッチで練習を進めます。

GRAND FINALSで使用したコントロールヴァンパイア

コントロールキラーである『超越ウィッチ』への相性こそ最悪ですが、それ以外の環境デッキ全てに互角〜有利を取れるデッキだったため満を持して採用。8人中唯一の持ち込みとなりましたが、3戦全勝の大活躍を見せてくれました。

GRAND FINALS本番

ついに迎えた本番。2017年9月18日に東京ビッグサイトで開催されました。
当日は『シャドバフェス』も併催され、RAGEシード権をかけた3人チーム戦も同時進行で行われていたため開場から超満員でした。

想像を遥かに超える観客数に始めこそ圧倒されてしまったものの、2歳から習っていたピアノで幾度となくコンクールやコンサートなどを経験した過去が活かされ、緊張を感じることはありませんでした。

1回戦、kira選手との友人対決は相手の手札事故にも助けられ3-1で勝利。
続く準決勝、りんご選手との対戦は1時間半にもわたる死闘の結果、3-2のフルセットで勝利。決勝戦に駒を進めることができました。

ここまで死線を何度も乗り越え、極限状態で迎えた決勝戦。対戦相手はtizin選手でした。

2-1で迎えた最終戦は『ランプドラゴン』vs『アグロヴァンパイア』のマッチング。お互いに理想的な手札を与えられて総力戦となりましたが、体力1を守り切り辛勝
ターン終了時のドローが《蠢く死霊》だったことを知ったときは鳥肌が立ちました。

優勝が決まった瞬間は様々な感情が交錯していたのですが、安心感からか疲れがドッと押し寄せ、ついテーブルに突っ伏してしまいました。

表彰式では『RAGE Shadowverse World Grand Prix』『WIRFORCE Shadowverse 日台韓対抗戦』の開催発表があり、いずれも日本代表として出場できることが決定しました。

世界大会という次なる戦場に向け、練習の日々を送ることになります。

おわりに

Shadowverseはカードゲームの中でも特に勝ち切ることが難しく、色々な要素が噛み合わないと優勝に辿り着くことができないと思っています。
事実、これまでに25回の大型大会(※2)が開催されてきましたが、2度目の優勝を成し遂げた選手は一人も存在しません。

(※2)RAGEやファミ通CUPの合計数

自分の場合は何といっても練習環境に恵まれたことが大きな要因になったと思います。予選のように一人で練習を続けていたらまるで違った結果になったでしょう。声をかけてくれた友人たちには本当に感謝しています。

また、GRAND FINALSという大舞台を心の底から楽しめたということも一つの要因だと考えます。
大会のアーカイブを見返すとまるで自分が選択したとは思えない冴えたプレイが何度か見受けられ、まるで実力の120%を出せたような感覚でした。

しかし、これらはあくまで僕が考えるもので、優勝者が25人いるということは25通りの理由があると思います。機会があればぜひそれぞれの優勝者に質問してみたいものです。

次につなげること」を目標にShadowverseに取り組んでいた自分にとって、RAGE優勝は一つの通過点に過ぎませんでした。
ここから怒涛のShadowverse人生が幕を開けるわけですが、そんなお話はまたの機会に。

最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さま、よいお年をお迎えください!


Sekappyっていったい何?

僕が所属する株式会社Sekappyは、「カードゲーマーだけを」「タイトルごとに」採用しているIT会社です。

休憩中は新カードの話に花を咲かせたり、休日は部活動としてイベントを開いたりと、共通の趣味を通じて楽しく過ごしています。

お仕事の面でも、『シャドナビ』開発や大型大会『セカコロ』の開催など、カードゲーマーならではの活動に数多く取り組んでまいりました。

そんなSekappyだからこそ、カードゲームを楽しむ人をもっともっと増やしたい!そう考え、色々なタイトルのイベントを開催しております。ぜひ一度遊びにいらしてくださいね!

© RAGE © Cygames, Inc.


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