女性活躍の推進は経営判断として当然。日本企業が対応すべき「3つのポイント」を押さえスムーズな導入を促す
「女性活躍推進総研って、何をしてくれるところですか?」
そんな質問にお答えすべく、本日も導入事例インタビューをお届けします。今回お話を聞くのは、株式会社識学の安藤社長。組織内の誤解・錯覚・ミスマッチを解消するコンサルティングに定評があります。
識学とは?
経営者・管理職・部下、すべての従業員が、人間関係のストレスに悩まされることなく、仕事へ集中できる組織を作り上げるマネジメント理論。感情による意思決定、好き嫌いを排除。できる限り言語化されたルールで運営することで生産性を高める。
識学社は、2015年の創業からわずか4年で導入実績1,000社を突破。2019年には上場を果たします。そんな「組織開発のプロ」が、女性活躍推進の研修に関心を示した理由は何だったのか。いま、日本企業の多くが「女性活躍」に注目すべき理由を伺いました。
聞き手は、Surpass女性活躍推進総研・所長を務める石原です。
男女比率の偏りはサービスの質にかかわる
石原 本日はよろしくお願いします。私が安藤社長から識学のマスタートレーニングを受講したのが2018年で、その後の協業を経て、ご出資をいただく流れがありました。定期ミーティングをするなかで、女性活躍推進総研のプログラムを一緒に体系化してくださることになりましたね。それはなぜしょうか?
安藤 職種によって男女比率にバラつきがあることに課題感がありました。具体的には、総務や人事、カスタマーサクセスといったバックヤード業務は女性社員も多い一方、講師はほとんどが男性。70名中、女性は4~5名というのが現状でした。
石原 社員比率が男性に偏っていたんですね。具体的な課題は把握していたんですか?
安藤 私たちは、企業の経営者や幹部に対してサービス提供をしています。当然、世の中には男性と女性がいますよね。それにもかかわらず、提供側が男性に偏っていては本当の意味でニーズに応えられないと考えていました。識学のロジックに変わりはなくても、受け手の価値観や感性によって伝わり方が変わる可能性があります。もしそこに女性ならではの受け取り方があるとしたら、私たちにそのノウハウはまだ無いなと思ったんです。
石原 できあがった「女性活躍推進」研修を受けてみて、率直な感想はどうでしたか?
識学・安藤社長(右)と、弊社代表・石原(左)
安藤 女性活躍推進総研の母体であるサーパスさんは140名の組織で、7割が女性です。その実績があり、経験値が高いので、説得力が違います。日頃から女性活躍に関する勉強をしている人でも、初めて知ることがたくさんあると思います。つまり、ほとんどの企業にとって未知の学びがあると感じましたね。
女性活躍を推進する3つのポイント
石原 同じく研修会社の識学さんからみて、女性活躍推進総研のプログラムはどんな特徴があったのか。ぜひ聞いてみたいですね。
識学社には弊社の研修メニューのうち下記2つを受講いただきました。
①経営者へ女性活躍組織のコミットを促す「マスタートレーニング」
②幹部・経営層に「身体的・生物学的な部分」「家庭内における時間的制約」について理解を深めていただく「リーダーズトレーニング」
安藤 結論からいうと女性活躍の推進には3つの課題があり、そのうち1つは自社だけでは解決しがたいという発見がありました。
石原 3つの課題ですか。具体的に教えていただけますか?
安藤 1つは女性の身体的・生物的学的な部分に対し、会社側の配慮が必要ということ。男性とはべつのルールを設ける必要があるとトップが認識する必要がありますよね。2つめは家庭内の役割です。女性の役割が男性よりも一定量多いというのは、日本においては否定できない事実です。出産や育児も含め、時間的制約に関する配慮も不可欠だと感じています。
石原 3つめ、自社だけでは解決できない問題とは何でしょう?
安藤 これはルールを作る側の経営陣が「男性」の場合、自社だけでは解決が難しいという意味になります。具体的には、先に述べた2つの課題以外は「会社側の配慮は必要ない」ということです。表現を変えれば、少なからず女性側にも甘えがあり、女性ならではの武器を使って配慮を求めるような、えこひいきの要求姿勢があるということです。
石原 女性側にも意識改革が必要、という課題ですね。
安藤 甘えを認めてしまうと、本当の意味での活躍の芽を摘んでしまうことになるんですよね。ただこれを男性側から打ち出してしまうと、非常に問題がある。反発を生みますよね。だからこそ、女性活躍で成功を収める第三者機関に言ってもらう必要があると。ここに私たちは大きなバリュー(価値)を感じました。
多くの企業は「平等」を誤って捉えている
石原 これまで1,000社を超える企業に対して組織開発の研修を導入してきた識学さんからみて、日本の企業にとって女性活躍の推進はなぜ必要だと思いますか?
安藤 社会は男女で構成されています。サービスを社会に届ける以上、提供側に性別の偏りがあってはニーズに応えられなくなる。それに尽きますね。もしワールドワイドにビジネスを展開するのであれば、組織内に海外の人間を増やしますよね。それと同じです。
石原 この記事を読んで、さっそく女性活躍推進を進めようと考える経営者の方もいると思います。もし研修に頼ることなく、女性活躍を独自に進めるとしたら、どの点に気を付けるとよいと思いますか?
安藤 多くの場合、男性と女性を完全に平等に扱うことで、女性活躍は実現できると考えるのではないでしょうか。しかし、すでにお伝えしたように、会社側が配慮するべきは「身体的・生物学的な部分」と「家庭内における時間的制約」の2点だけです。そこの線引きができず、女性に対するフォローをただ手厚くするだけでは「甘え」を引き起こしてしまい、結果的にうまくいかなくなると思いますね。
石原 私たち自身も識学を導入しているため、女性活躍と相性の良さを感じています。安藤さんからみて、日本の企業が女性活躍を考える際にまずメスを入れるべきところはどこだと思いますか?
安藤 識学の視点で考えると、日本企業に多い「プロセス評価制度」は検討する価値があると思います。長時間働ける人ほど有利な環境では、時間的な制約の多い女性はそれだけで不利です。識学は、人の感情による意思決定、好き嫌いを排除し、できる限り言語化されたルールで運営するマネジメント理論です。これだけを聞くと冷たい印象があるかもしれません。しかし成果だけを指標にすることは、実は女性にとって働きやすい環境だとお客様からの声をいただいてもいます。
女性活躍推進法へ経営者はどう対応する?
石原 2022年4月に「改正女性活躍推進法」の対象範囲が拡大します。法的なプレッシャーがあるなかで、経営者はどう考えるべきだと思いますか?
安藤 シンプルに考えればいいと思いますよ。女性が活躍する企業は増えているので、それに合わせて自社の女性比率も上げる。経営の視点に立てば、そのほうがいいサービスを提供できて当然。これは今日私が繰り返しお伝えしていることの一つですね。危険なのは、法律が変わったからといって急に社員の女性比率を上げるような行為です。特に役員はこれまで時間をかけて構成してきたわけで、むりやり比率を変えては誰にとっても不幸ですよね。
石原 SDGsやESG経営など、外的な要因はあるものの、経営者として必要なことをシンプルに行えばいい。それは女性活躍推進の文脈であっても変わることはない、ということですね。
安藤 そう思います。女性だからと特別視することなく、配慮すべきところに配慮をする。ポイントを押さえた制度設計と、女性側の意識改革を同時に進める。それが私たちが研修を受けて得られた大きな気づきですね。
石原 あらためて、本日はありがとうございました。
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女性活躍推進総研では、安藤社長が仰っていた自社では改善が難しい課題である、「女性側にも意識改革が必要」という点において有効な3つの研修コンテンツをご用意致しております。
①経営者へ女性活躍組織のコミットを促す「マスタートレーニング」
②幹部・経営層に「身体的・生物学的な部分」「家庭内における時間的制約」について理解を深めていただく「リーダーズトレーニング」
③女性側への意識変革を促す「Work and One’s」
また、12月16日には「勝てる組織の女性活躍」というセミナーを
安藤社長と開催予定です。
こちらもぜひ、併せてご覧くださいませ。
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イベント開催情報
・日時:2021年12月16日(木)15:00~17:00
・参加費:無料
・定員:制限なし
・会場:Zoomオンライン配信
▼登壇者
株式会社識学 代表取締役社長 安藤広大
株式会社Surpass 代表取締役CEO 石原亮子
お申し込みはこちら→https://surpass-star.com/seminar/20211208-581/
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