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真剣なフランス人


BIOの店

ようやくパリの街にも慣れてきて、1人で歩き回っていた夕方

大きな協会の横が公園になっていて

子どもたちが走り回って遊んでいました

天気も綺麗で心地のいい場所だったと記憶しています

私もベンチに座って、買ったばかりのクロワッサンを食べていたとき

ものっすごいサクサクなクロワッサン


交差点の先にある『BIO』と表記されたお店が気になりました

そのお店はオーガニックや有機食品を販売するお店でした。
農産物や加工食品、飲料が販売されていました。

最も顕著な特徴は、どの商品にも共通のマークが付いていること


フランス政府が発行しているBIO認証マーク


つまり、国がオーガニック商品であると認証した商品が取り扱われていたのです。

高校生か大学生くらいの女の子が2人、中に入っていきました

次に、少し大柄の男性が入り

続いて、ベビーカーを押した夫婦が入り、

その後、幼い女の子と大人の男性が手を繋いで入っていきました

ガラス張りになったその店からは、入店した人々の豊かな表情がよく見えて

「楽しそうだなぁ〜」

ぼうっと見つめていました。

とっても些細な出来事で

私にはなんの影響もなかった景色を

その後も大切に記憶の中に残しておきました

決め手は美味しさ


パリ在住の日本人ご夫婦に、私はお世話になっていました。

彼らと日曜日のBIOマルシェを訪れた際…

「パリの人はBIO認証されたものしか買わないですか?」

と私が奥さんに尋ねると

「美味しいものにこだわってる印象がある。野菜や蜂蜜、牛乳はBIOマルシェで積極的に買いたい!って思ってると、思うよ」

「でも」

「美味しいものを買いたいから、
美味しくてBIOの食材なら買うだろし、BIO認証されてなくても美味しい食材なら買うと思うよ」

美味しさなんだ!でもBIOも、なんだ!

パリの人はBIO商品と、認証マークのない商品を吟味して選択していることを知りました。

真剣な消費者

パリでは決まった曜日に、決まった場所で、

マルシェがいつも開かれます

歩いていると、マルシェに遭遇することはよくあります

用はなくても、その賑やかな風景を見ているだけでも楽しめます

その日、見かけたのは通常のマルシェでした
(BIOマルシェが開かれるのは日曜日だけです)

売り手と知り合いなのか…
軽く挨拶を交わして談笑する男性

売り場に並ぶ食品について詳しく聞くおばあちゃん

あの店のモノはダメだとスルーする男性

やたら試食させてくる果実売りのお兄ちゃん

マルシェは行き交う人々の話し声で賑やかでした。  



私が1番気になったのは、買い手のスタンスでした

商品を触って、目で見て、足らない情報を知って、比べて、考えてから買う

なんだか真剣な消費者を目の当たりにした、そんな気分でした

オーガニックを選ばない


『環境を想うフランス人は時に、オーガニックの野菜を買わずに、地元で採れた野菜を買う。』

こんなことを聞いたことがあります。

え、オーガニックの食品なら優先的にそっちを買うんじゃないの?!

と、当時の私は少し驚きました。

日本では、環境や安全面を配慮して、
優先的にオーガニックのものを選択している人をメディアで見たことはありました

当然、私も、そういう人は、とりわけオーガニックの食品を積極的に買うように努めているもんだと決めつけていました。


『地元で採れた野菜を選ぶフランス人』

その訳は、距離にありました。

オーガニックの食品であっても、
それが隣国やアフリカから輸入された食品である場合、

店頭に並ぶまでに長い距離を移動しているということ

その長い移動の間、排出される二酸化炭素のことを考えると

地元から数時間で運ばれてきた野菜の方が
環境を想う人にとって目的に見合う野菜であるということです

反省


恥ずかしかったです

オーガニックを信仰していたのは私でした
オーガニックであればなんでも良い
オーガニックであることが大切

…だなんて。

一方で、

オーガニックの商品は高い
オーガニックの商品は私向けではない

なんて。

自分とは関係ないものとして決めつけていました。

決意


フランス人がBIO認証の商品を購入したり、環境に配慮したりするのは、
意識の高さよりも、生活の一部として根付いているからだと理解しました。

また環境を想うライフスタイルに、適切な年齢や年収、性別があるわけではないと思い知りました。

私は、オーガニック商品を自分向けではないと決めつけていたことに反省しました。

環境を想うライフスタイルや、商品の背景に気を配ることが、
年齢や性別を問わず、もっと身近になったらいいな!

そう思いました。

その時、私にある夢ができました。

性別や境遇、年齢問わず、
より多くの人が環境を想うライフスタイルを身近に感じられるように。

そして、身近に実践できるように。

私がその基盤を日本に作りたい。

そう決心しました。


おわりに

次回、スールラテールの夢について語ろうと思います。

いくつ記事を書けども、おちのないものばかりですが、

すき間時間を埋めるにはぴったりだと自負しています

今日も読んでくださり、ありがとうございます

スールラテール 近藤ひなた


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