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50センチの高さから

地べたに座ったのは、いつぶりだろう

ビニールシートも敷かずに

湿っぽい早朝の地面に

勇気を出して座り込んでみた

案の定、少しお尻が冷たい

大きな木の下にそっと座り込んだ

プーさんみたいに

木にもたれかかって

優雅な休日でも…と思ったけど

根っこが地面から盛り上がって出ていたので

見ただけでお尻に悪そうだと思って、やめた。

黒くて小さな虫が近寄ってきた…

うわぁ!嫌!!

クネクネしているベージュの何かが、宙に浮いてた…

こっちにこんといて!

背後で何かがブンブン飛んでいる…


なになになになに?!あっちいってーー

慣れない環境に落ち着かず
ソワソワしていたが

5分も経つと
すべて些細なことのように思えてきた

50センチの高さから見渡す景色には

知らないことが多すぎた

成長段階だからあたりまえだろうけど、ちっこいクローバーに胸がときめいた

栗の皮が潰れてた
ただの草だと思ってたのに、確かに栗の皮だった

毛虫?が進んでるのか、下がってるのか分からないけど、クネクネしていた

気づいたら足元にまで近づいていたので流石に移動した

地面。木。芝。

それだけだと思って通り過ぎていたけど

50センチの高さから

葉っぱにもいろんな種類があることを
小さいクローバーがあることを
土の上になにやら結晶があることを

思い出した。

地面に結晶?が見える

子供の頃は裸足で地面を走って
アリの巣を探して
蝶を追いかけて遊んでいたのに

大地の上がこんなにも多様なことを忘れていた

どこ座ろうってまた彷徨って

プーさんみたいに、もたれかかれそうな木を見つけたけど

ちょうど日陰にアリの巣?があったからやめた

また彷徨ってようやくまた座るところを決めたけど

アリや葉っぱが気になった

私が座ったら潰れないかな…

ちょっとお邪魔しますね…って思いながら

座らせてもらった

握ったおにぎりを頬張った

帰ろうかと立ち上がった時、アルフォート?のゴミが見えた

トングを持って拾い歩く人に感化されたのもあるけど

50センチの高さから見えた生き物の暮らしを邪魔したくなくて
敬意を払いたくて

拾ってから帰った


おわり。




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