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(1)これからEcological economicについて書き綴っていこうと思います。


Ecological economicという言葉はどういう意味でしょうか。
その前にEconomicsは日本語だと「経済学」です。それにEcologicalがつくのですが、日本語のしっくり来る言葉がないため、世の中では’エコロジカル’とカタカナで訳されていることが多い気がします。
なので「エコロジカル経済学」または「エコロジカルエコノミクス」というのが主流の日本語かもしれませんね。でも文字だけ見てもあまり意味はわかりません。
そして、この言葉の歴史は経済学の歴史から行くとまだ浅いのが現状です。

経済学の歴史

経済学の歴史の変遷をたどっていくと、宗教や哲学に行き着くと思います。

ギリシャ哲学

ざっくり歴史をたどると、「経済学の父」アダム・スミスが18世紀に「神の見えざる手」を提唱して、それぞれの個人が私的な利益を追求しても全体的には自然的に調和が取れて、社会全体の幸福が実現する。という考えが始まりです。

19世紀になると、産業革命がイギリスで始まり、Neoclassical ecnomist(古典派経済学)が生まれます。ここで経済学が学問として深められていき、学校で習った需要ー供給曲線などの概念が生まれ始めます。
ここで、Ecological economicの文脈から述べておきたいのは、この古典派経済学において経済活動は地球に存在する環境資源をコストとして捉えていません。また、環境資源はある意味無限にある。と考えています。
現代の一般常識から考えるとおかしいような気がしますが、実際その弊害として環境汚染問題が19世紀にはすでに起こっていました。

ロンドンスモッグ(Great Smog of 1952, London Smog Disasters)

上記の写真は、1952年のロンドンの様子です。(最近TVで見るようなPM2.5、中国北京の写真からも同じような状況が現在でも続いているのは周知の事実です)

また、この古典派経済学のときに生まれた大きな経済成長指標としてGNPやGDPがあります。このGNPはグローバリゼーションの影響などもありGDPが主流に使われるようになり今もニュースなどで見かけることもあると思います。
このGDPについてもEcological economicにおいては重要な論点なのですが詳細は後ほど記載します。

そして、環境問題が経済活動により顕在化してきたことがEcological economicの始まりでもあります。

環境の外部化

先程申し上げたように、古典派経済学では経済活動において環境への影響はある意味無視されていました。これを「環境の外部化」と日本語では言います。もしかしたら高校で経済を学ぶと今は出てくるのかもしれません。

丸が地球の環境資源、四角が経済活動

上記の図は、イギリスの経済学者Kate Raworth氏による説明図です。
左はEmpty world、右にFull worldと書かれていますが、ここではわかりやすく、左は昔の経済学の考え方(古典派経済学)、右が今の経済学の考え方(Ecological economic)としましょう。

丸は地球の環境資源です。例えば、水、木、石油なんかもそうです。
20世紀が経済成長を糧として日本を含め頑張ってきました。
もちろんそのおかげで今の日本があるのですが、その裏には左図から右図へと、環境資源の搾取または消費を代償に活動して来ているということになります。

どうして、左図から右図になっているのか、これらに関する裏付けデータは探せば色々あるのですが、「エコロジカルフットプリント」や「プラネタリーバウンダリー」で検索してみてください。

最近、SDGsや異常気象など耳にする機会が多い方はこれらの歴史を踏まえて過去を探ってみるのも面白いかもしれません。

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